有川浩さんの『阪急電車
』を読みました。
この小説は、実存する阪急電車 今津線を利用する人々の
ちょっとした人間ドラマをフィクションで描いた長篇小説。
阪急電鉄は関西大手の路線であることは関東出身のワタシでも知っていましたが、
この今津線というローカルな路線はこの小説を読んで初めて知りました。
何やら、えんじ色の外観にレトロな車内というデザインは
100年以上前の1920年の誕生から続く伝統ある路線なんだそう。
その片道15分という短い車内で起こる様々なストーリー。
冒頭からとても面白くて、あっという間に読んでしまいました。
5年交際した彼を同僚の子に寝取られた一人の美しい女性、
その復讐に純白のドレスを着用して彼らの結婚式に出席した帰りに今津線に乗車。
また、その彼女に優しく語りかける行きずりの老婦人。
DVを受けつつ彼と別れられない女子大生。
女子高生と交際しつつも、手を出さないでいるアホで気の優しいサラリーマン。
・・・たった片道15分間の車内にいる人々とそれを取り巻く人間模様を生き生きと活写。
キュンとしたり、時にはほっこりしながら、最後まで楽しく読める心温まるストーリーです。
第一章である「宝塚駅」では、主人公・征志が図書館でいつも見掛けて気になっていた女性と
偶然にも今津線で再会し、恋がはじまるというストーリー。
この章を読んで、ワタシの以前の職場で「絶対に図書館で彼氏をゲットする!」と断言していた女性を思い出した。
――図書館内の戸棚の本にワタシが手を伸ばすと、
相手の男性も同じタイミングで本に手を伸ばし、
お互い「あっ、どうぞ」と譲り合い、恋に落ちる――
↑コレは『阪急電車 』の内容とは無関係で、ワタシの以前の同僚の妄想劇。
図書館で出会うっていうのはラブストーリーの鉄板なのかな。
現実には絶対にありえないから本で読むくらいがちょうどいい。
最近になって彼女は図書館での出会いなんて実際は無理だと気付いたようですが。。。
『阪急電車』に登場する女性すべてが強く、自立した女性像。
時代を反映した登場人物の言動で、女性が読んで共感できるストーリー。
ただ唯一、あれ?っと思ったのは、
彼氏を寝取られた翔子が「そうよ、ワタシは花嫁さんになりたかったのよ」と涙してしまうシーン、
ワタシ的には「もう男なんてこりごり。これからは自立する!」と言って欲しかった。なんて。
そして、この小説は映画化されるようで4月下旬、関西圏先行封切りだそうです。
中谷美紀さんなどの人気女優が出演するようで、
東京で公開されたら是非観に行きたいな
この映画にワタシがサブタイトルをつけるとしたら。。。。
映画 阪急電車「交錯するひとびと」
ってところでしょうか。気の利かないサブタイでゴメンナサイ
映画「阪急電車」阪急電鉄 特設サイト
~映画情報~
公開日:2011年4月23日(土)関西先行公開
2011年4月29日(金・祝)公開 全国東宝系
キャスト:中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、他。
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舞台となった阪急電鉄のサイトでは試写会のプレゼントやイベント情報を入手できます。
書籍タイトル:阪急電車
著書名:有川浩
出版社名:幻冬舎
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