東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。
私が開業した頃は、写真は銀塩写真のリバーサル35mmを写真屋さんに出して現像していました。
学会発表も35mmのリバーサルフィルムを立て続けに映写するスタイルでした。
X線写真も、アセテートフィルムを透かして眺める透過原稿でした
デジタルカメラが登場した頃は、素人の遊びの領域のものでしたが、そのうち一眼レフがデジタル化され始めました。
その頃でも「情報量は35mmのリバーサルフィルム1枚は4Mだが、デジカメの情報量は劣る!」と言われており、私も写真は銀塩写真でそれをフィルムスキャナーでスキャンしてデジタル化するなど、かなり抗いました。しかし、写真をデジタル化したら、まあこれが便利なこと
フィルム代や現像代は不要で、さらに検索も便利、しかも経年劣化がありません
X線写真もデジタル化したら現像機の現像液や定着液は不要になるし、感光させる心配は無いし、被曝線量も低いしと良いこと尽くめ!
さらにCBCT(歯科用のコーンビームCT)では今まで知り得なかった情報を与えてくれます。
デジタル化は大体は良いことばかりです。
歯科治療は歯型を採って、そこに模型材を注入して模型を作って、その上で技工物を作製してきました。
また、矯正歯科では歯並びや噛み合わせを口腔外で再現するために、歯型を採って模型を作製してきました。
近年ではそれもスキャナーを使用してCAD/CAMの技術を利用して作製することができるようになっています
「みむら矯正歯科」でも昔の模型は3DスキャナーでスキャンしてSTLデータに変換して保管しています。
近年のトレンドは歯型を採らずに、模型はモニター上で眺めるだけ、必要なときに3Dプリンタで出力ということのようです。
しかし、CAM をせずに3次元の模型をモニター上で2次元の状態で眺め、それを頭の中で3次元に構築するという作業は直接、模型を見て考えるよりも、1ステップ頭の中での演算が増えるだけでメリットがないように思っています。
そもそも口腔内スキャナーはアライナー(マウスピース型)矯正治療のために開発されたこともあり、導入には否定的な立場を取ってきました
しかし、これもやってみたら一気にこの流れに乗ってしまうのでしょうか?
口腔内スキャナーを購入するかどうか、かなり迷っています