東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。

矯正歯科は歯並びを治すのですが、口元の感じを大きく変化させることができます。
成長期のお子さんですと、顎骨の成長のコントロールを行うことで、全く別人の様になることすら珍しくありませんショック!
しかし、成長期を過ぎると顎骨の位置関係は変わらないので、上顎前突(上あごが前にある出っ歯)や下顎前突(下あごが前にある受け口)のような方はその顎骨の位置関係の中で歯を動かすことで土台の位置の不正をカムフラージュする治療を行うこともあります。
もちろん、その程度が厳しい場合には顎外科手術をして顎骨の位置を修正することも良くあります。

最近では歯科矯正用アンカースクリュー(歯の移動の固定限のために顎に植立する小さなねじ)が一般的に使用され、薬事承認にも至りました。
歯科矯正用アンカースクリューは、前後的な歯の移動のみならず、歯を垂直的に押し入れることが簡単に可能にしたため、矯正治療の可能性を格段に広げました。

ノースキャロライナ大学のプロフィット教授は、その著書の中でカムフラージュ治療の不適応症例の最たるものとして垂直的な問題と左右な問題を挙げています。

顔が長いケースでも歯科矯正用アンカースクリューで臼歯を押し入れることで、下顔面を短くすることが可能になりました。
しかし、顎関節を回転中心として下顎前方部が上に上がりますので、上下顎の位置関係は下顎前突傾向が強くなります。
適応例が限られますが、この治療法で格段に良くなる適応例は結構存在しますチョキ

顎が曲がっていて顔の非対称がある、口角が左右どちらかに上がっている、などの症状が正貌(正面から見た顔)にあった場合には、歯を動かしても顔の非対称は完全には治りませんので顎外科手術を適応することをお勧めしています。

患者さんには初診で受診された際から、手術の話や歯科矯正用アンカースクリューの話をさせていただいておりますので、当院で治療開始に至らず、他院で治療を開始される方も多いようです。
しかし、矯正歯科はマジックではありませんので、できることとできないこと、その治療法を選択した場合のメリットとデメリット、想定されるリスクなどは最初からすべてお話をすることが歯科医師の義務であると信じております。
そのため、患者さんにとって厳しいと思われることでも、初対面の時からお話しするように努めておりますm(_ _ )m