22時28分か…
さっきの大騒ぎが嘘のようだな…

医師は、ポケットから、古びた文庫本を出し、豪子の枕元に置いた…

「また…拾ってくれたんですね」

医師は、花瓶に黄色い薔薇を生けながら、数日前の出来事を思い出していた…

医師は病室を出た…

「影島先生。」
看護師に声をかけられる…

「今日の患者さんの処置は?」

「師長に書いて渡して置いた後は頼みます。夜勤お疲れ様」

彼は外科医である。
名前は影島直樹。
医師になって10年。
37歳独身。
花と写真が趣味で、時間が出来た時は、近所の公園に花の写真を撮りに行っていた…

夜の公園…
そこで、彼女と出会った…

酔っぱらって、わめきちらしていた…
そして、RCサクセションの雨上がりの夜空にを素っ頓狂な声で、歌っていた
無理矢理上半身めくりあげられて、腹筋われてる~ってゲラゲラ笑われ…

変なのに捕まった…

逃げようとしたら、蹴り飛ばされそうになり、彼女が転倒…
彼女のアパートまで、肩を貸して送る羽目になった。

彼女が鍵を開けると、彼女に、突き飛ばされ…

「イケメン確保!!」

と叫んでいた。

ドアは、開いていたはずなのに出れない…

彼女は、ドアに背中を押しつけて、寝てしまったようだった…

「開いてますよ!!」
「入って下さい!!」

言葉をかけ続けた、

直樹はふと部屋にあるCDに目をやった…
ジャズのCDがならんでいた…

「意外だな…」

その中に、ビリー・ジョエルのピアノマン

「これは…」

しばらくすると、すごい勢いで、ドアが開き、隙をついて逃げるように直樹はアパートを出た…

「ピアノマン…」

2日後、彼女と再会した…

「あっ!!」

気がついたのは、彼女の方だった…

「酔っぱらって、何かしなかった?失礼があったらごめんなさい」

彼女は、自分の悪癖知ってるようだった…
「大丈夫ですよ。お急ぎじゃないですか?」

「あっいけない!!失礼しますね。」

彼女は、行こうとした…

その時だった…
手袋が、風で片方だけ飛ばされてしまった…

すると、彼女は、手袋を追いかけ始めたのだ…

信号は青だった…

「危ない!!」

スローモーションのようだった…
暴走トラックが、彼女を引いた…

救急車や警察がやって来た…

直樹は、乗り込んで、自分の勤めてる病院の救急に彼女を連れて行き、自ら緊急手術を執刀した

彼女は、右腕を失った…