今日は
とても嬉しいことがあったο

雪の日以来ずっと気になって
仕方なかったあの子にやっと
会えたο

初めて出会った坂道より
ちょっとだけ家に近い細い
路地ο

所用で大学へ向かう途中
角を曲がると遠くから
こちらへ歩いてくるあの子が
見えたο

桃色の着物に
桃色のかんざしは何度も
頭の中に描いた姿そのものο

今日は
黄色の帯をしていたなο

まだ肌寒い時期だというのに
その春らしい姿がとても眩し
かったο

彼女を目に留めたとたん、
鼓動がどくどくと高鳴り
近づくにつれまるで心と
身体が離れてしまったかの
ような感覚にο

不自然にこわばった
歩き方になっていなかった
だろうか…ο

それをあの子に
悟られなかっただろうか…ο

すれ違いざま、柔らかな春の
風が僕の頬をそっと撫でたο

今度は確かに目が合ったο

瞬きのようなほんのわずかな
時間だったけれどο

あの美しくすんだ目が
忘れられないο





     続く( ^ω^ )