銀行員のみならず大企業のサラリーマン必読の今年一番の奇書だと思います。以下、アマゾンの面白かったレビューから引きます。
住銀をメインバンクとする商社イトマンの河村社長が、伊藤寿永光、許永中ら闇の勢力に操られ、無軌道な不動産投資を繰り返し、住銀や取引銀行に超莫大な損失を与えた「イトマン事件」に、住銀の若手(当時40台前半)のエースとして、事件の告発、解決に奔走した著者が、当時のメモや告発状を公開して、住銀内部の役員の様子や大蔵省、日銀、新聞記者とのやり取りなどを詳細に描いた迫真のドキュメント。実に貴重なバブル期の記録。読みだしたらやめられない。リアル半沢直樹的な、極めてレアな興奮が味わえる。
絶大な力を有する磯田会長自身が、娘夫婦の絵画取引で伊藤につけ込まれ、支配されていく。伊藤らに繋がる腹心の部下に様々な讒言を吹き込まれ、正常な判断ができない。頭取や副頭取、専務、常務が、自己の保身や出世だけを考え、異常事態なのにまるきり動かず、ひたすら日和見に徹する。そんな中、筆者は、大蔵省銀行局長や日銀等にイトマン社員を装って事態の深刻さを訴える投書を何度も書く。様々な情報網で、幹部の動静を掴み、志を同じくする中堅幹部やフィクサーの佐藤氏(この人の存在が実に頼もしい)、日経の大塚記者らと連携して次々に手を打つ。事態はなかなか進展せず、読んでいても歯がゆいが、磯田辞任、河村辞任、伊藤・許逮捕等々へと徐々に進展していく。
筆者は、極めて有能なMOF担として社内でも有名で、自負心も強い。自己の信念のみに則って、活動を進めていく様子は、実に清々しく、役員たちの日和見と実に好対照。大きな組織ほど、上に行くほど自分のことしか考えなくなるという、日本の組織の弱点が鮮明に描かれている。筆者も書くように宮使えは実に哀しい。筆者も取締役以上にはなれなかったわけだが、どの役職になるかでなく、何をしたのかが重要と言う主張は、重要である。
政治家サイド(竹下)が露骨に金を要求した話や、闇の勢力に繋がるフィクサーの助けも借りて闇の勢力を駆逐したという構図であり、バブル期までの(今も?)日本の企業社会の闇の一端が垣間見れる。今年一番の奇書というべき。
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