英経済紙で世界的にも権威のあるフィナンシャル・タイムズが8月28日付の論評記事で、安倍首相の経済政策「アベノミクス」を酷評した。
私なりに要約すると下記のようになる。「アベノミクス」のみならず安倍政権の政権運営そのものも海外からも厳しい目で見られていることを痛感させられる。
安倍首相の「3本の矢」は明らかに的を外している。理由はそもそも矢が3本ないことで、あるのはたった1本、通貨の下落(注 円安政策)のみだ。
これは過去には常に有効な公式だった。だが今日、もはやそうした効果はない。日本の製造業は生産拠点の多くを海外に移転させており、今後もその流れは続くだろう。
加えて安倍氏は抜本的な構造改革に取り組むという約束を果たさなかった。日本企業で働く労働者の賃金が上昇しないため、内需へのシフトも起きなかった。
事態はさらに悪い方向に進みかねない。安倍氏は小泉元首相が少なくともそうあろうとした意味での「真の改革者」ではなかった。安倍氏は将来を見据えるより過去を回顧する政治家だからだ。
4番目の矢(数え方によっては2番目の矢)として軍国主義が復活しないように願いたい。安倍氏の本当の関心がそこにあるという兆候がしきりに見える。解決策を過去に求めるのは常に危険なことだ。