ロックフェラーとかロスチャイルドというと、実際のところどうなっているのか確かめようがないことがほとんどである。そのため、ロックフェラーが世界を支配しているとか、いや、ロスチャイルドがロックフェラーを背後から操って世界を支配しているといった、いわゆる、陰謀論が世に溢れることとなる。
この本は、自らの著作でロックフェラーやロスチャイルドについてたびたび触れてきた副島隆彦氏がロスチャイルド家の200年の歴史について26人の登場人物を一人一人丹念に描くことでロスチャイルド家の歴史を浮き彫りにしていっている。
今や、反原発運動で有名になっている広瀬隆氏であるが、私にとってはロスチャイルド研究本「赤い盾」の著者といった方が遙かになじみがある。この「赤い盾」、どうやってこれだけのことを調べたのだろうかと驚くぐらいロスチャイルド家の歴史を詳細に描いているが、難点は、あまりにも細かいことまで書いてあるので、読んだ後でロスチャイルドってどんなものかという全体像がつかめないことだ。
この本は、ロスチャイルド家の200年の歴史を大筋で把握できるようにという意図で書かれている。書かれていることが事実かどうかは読む人の判断に委ねられるが、秘密のヴェールに包まれている印象のあるロスチャイルドを表舞台に引っ張り出して紹介してくれている感じはある。私にとって初めて等身大のロスチャイルドを見せてもらったような気がした。
また、この本のもう一つの魅力は、ロックフェラーの歴史をロスチャイルドのそれに対比させて紹介していることである。ロスチャイルドやロックフェラーに興味をお持ちの方には一読をお勧めしたい。
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