元祖原発推進の読売新聞になぜか原発の安全性を危惧する記事が | 21世紀のケインジアンのブログ

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この記事は「えー、読売が一面トップで」と思わず声が出てしまったくらい驚いた。下の電子版の記事では、すっかり骨抜きにされてインパクトがなくなっているので、落ちこぼれた部分を紙面から拾ってみよう。

まず、「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度(関連温度)」という言葉自体、一部の原発に批判的な研究者が、時々、とりあげているくらいで、大手マスコミではこの言葉を見たことがない。イメージで言うと、冷えたガラスのコップに熱湯を注ぐと、「パリン」と割れることがある。コップの内外の温度変化に材質が耐えられなくなったからだが、脆性遷移温度の問題も原理は同じである。

コップではなく、原発で原子炉圧力容器内に大量の冷却水を注入しなければならないような事故が起きた場合、その温度差に耐えられなくなることが怖いのだ。圧力容器が「パリン」と割れてしまったらシャレにならない。

この記事で重要なのは、次の内容を新聞で書いていることだ。

鋼鉄製の圧力容器が含有する銅などの不純物が原発からの中性子を浴びて脆くなること。→古い原発は危険だという理由の一つ

基準の上限温度である93度を超えている原発が玄海1号機、高浜2号機と既に2基存在し、他に、60度以上が5基ある。全て運転年数が30年以上の古い原発である。

この記事からすると、原則40年で廃炉にするというが、例外的に60年稼働させることは極めて危険であるということになる。このようにあまり知られていない原発の危険性を取り上げた記事がなぜ、元祖原発推進派の読売新聞のトップを飾ったのかは謎である。こんな記事書いたら、主筆のナベツネ爺さんが怒りそうなものだが。とにかく、この記事は高く評価したい。しかし、案の定と言うか、下の電子版の記事では、ほとんど危険性はわからなくなっていますね。まあ、それでも電子版に載せただけよくやったと言いたい。

原発5基、予測超す劣化…運転延長基準に影響も

読売新聞 212()30分配信

 国内の商業用原発全54基のうち5基で、原子炉圧力容器の脆(もろ)さの指標となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度(関連温度)」が、予測値を上回っていたことが読売新聞社の調査でわかった。

 炉が予測より早く脆くなっている可能性がある。予測値のズレは圧力容器の劣化の正確な把握が困難であることを意味するだけに、古い炉の運転延長に向けた国の基準作りなどに影響を与えそうだ。

 原発を持つ電力会社10社に関連温度などをアンケートで尋ね、取材で補足した。

 鋼鉄製の圧力容器は、原発の最重要機器だが、中性子を浴びて次第に脆くなる。関連温度が高いほど、衝撃に対する強度は低い。関連温度は対象に衝撃を与えて破壊する実験で推定するため、圧力容器本体での測定はできない。電力各社は容器と同じ材質の試験片を炉内に置き、数年~十数年おきに取り出し実験している。