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イタリア国債利回りの7%突破のニュースです。しかも、状況はその後も悪化しています。この国債利回りの7%突破というのは、何かの根拠があるわけではなく、過去の経験則からきているのです。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルいずれも、国債利回りが7%を突破してから、数ヶ月後に白旗を上げ金融支援を要請しました。だから根拠はありませんが、経験則としては非常に強力なのです。とりわけ、PIIGSの中でも一番経済規模が大きいイタリアはこの五ヶ国の中でも最後の砦と見られていただけに一般紙も一面で取り上げていたのは頷けます。少し前までは、イタリアまで波及したら大変なことになると言われていたのが、今では防衛戦がかなり後退してしまって、危機はイタリアで食い止めろというスローガンになってしまいました。


 この秋までは、イタリアまで波及するかどうかは疑問視されていましたし、かりにイタリアに波及するとしてもかなり先のことと思われていただけにスローモーションだった欧州財政危機が速度を増しつつあることを実感します。欧州金融安定化基金(EFSF)の規模は伝えられる1兆ユーロではとても足らず3兆ユーロは必要になるでしょう。そうなると、1兆ユーロでもお金を集めるのに苦労しているのに、どうするのかということが、誰がお金を出すのかということが問題になってきます。最後は、ドイツが返り血を浴びても支援する腹を決められるかどうかにかかってくるでしょう。

イタリア国債利回り、7%台に…危険水準に突入

読売新聞 11月9日(水)20時23分配信

 【ロンドン=中沢謙介】9日の欧州債券市場では、イタリア国債が売られ、10年物国債の流通利回りは年7%超に上昇(国債価格は下落)し、ユーロ導入後の過去最高(価格は最安値)を更新した。

 7%台は、債務危機に陥る「危険水準」とされるが、政局の不透明感から売りに歯止めがかかっていない。利回りは一時、7・4%台まで上昇、1997年5月以来の高水準となり、金融市場では緊張感が高まっている。

 債券市場では国債の流通利回りが7%を超えると、自力での資金調達が難しくなる。ギリシャやポルトガルでも7%を超えて財政危機が深刻化した。ユーロ圏3位の経済規模を持つイタリアが資金繰りに行き詰まれば、信用不安が欧州全体に拡大しかねない。


最終更新:11月9日(水)20時23分


 欧州の清算・決済機関LCHクリアネットがイタリア国債の証拠金比率の引
き上げに踏み切ったことで、同国国債の価格下落に拍車がかかり、10年物国
債の利回りが7%を超えました。この水準は安定した財政運営が困難とされる
危険水域であり、アイルランドやポルトガルが金融支援に追い込まれた水準で
あることから市場に警戒感が広がりリスク回避の動きが強まりました。


 欧州連合(EU)は先の「包括戦略」で欧州金融安定化基金(EFSF)の
規模を1兆ユーロに拡大する方針を決定しましたが、ユーロ圏第3位の経済大
国であるイタリアが緊急支援を受けることになれば1兆ユーロでは足りないと
の試算もあります。債務危機回避のために積み上げてきた対応策を超える新た
な枠組みの構築が急務となっています。