もう一度 | We can make Strong Japan 衆議院議員三村和也オフィシャルブログ Powered by Ameba

もう一度

愛知と名古屋の首長選挙の結果は、既成政党への有権者の皆さんの不満を端的に示したものだろう。


なぜ民主党政権が失望につながったのか。


それを正面から捉えることが、今後の政権運営にとって最も大事であり、それは、政権交代への原動力/期待はなんだったのかの原点を捉え直すことから始まると考えている。



官僚として10年間仕事をしてきた経験から言って、政権交代がなければ実現できなかった政策は数多くある。しかし、野球に例えれば、シングルヒットはこつこつとそれぞれの現場で積み重ねているものの、エースピッチャーの暴投や前監督の試合放棄のような状況ばかりが新聞とテレビで放映されるということなのかもしれない。

ぼくは、だからと言ってピッチャーをすぐに変えるのではなく、諦めずに根気づよく試合を続けるべきだと思うが、これから試合を続けるためには、もう一度、政権交代への原動力はなんだったのかを見つめ直し、その国民からのニーズに忠実に政権を運営する方向修正が必要だ。



なぜ政権交代が起こったのか。その最大の構造的要因は、経済成長の鈍化と人口減少に対して、有効な政策を打って来れなかった自民党政治の失敗だ。


自民党政治の本質は、経済成長を前提とした利権の分配だった。しかし、分配する資源は、はるか以前に無くなっていたにも関わらず、ひたすら借金を積み重ねて政権を延命して来た。それが限界となった。このことが政権交代につながったと。

そうであれば、新政権がすべきは、低成長・人口減少時代の国家経営である。それはつまり、国家機能のリストラが求められるということ。



確かに、事業仕分けはオープンな場で結論を出すので、分かりやすく、予算編成の中身を国民に開示した画期的な手法で、今後とも続けるべきだろう。しかし、より大胆な政治決断による「税金の使い道の変更」が必要だ。


政権交代が起こったイギリスは、43歳のキャメロン党首が首相になり、地方政府も含めた大胆なリストラを行っている。大学の授業料カットによる学生のデモがあっても方針転換はない。カナダでは、95年から97年の3年間に、国家予算の20%を実際に削減した。

イギリスやカナダに国家予算の大幅カットが出来て、日本だけが出来ない理由はない。逆に言えば、日本だけがやらなくても国が持つ理由もない。

カナダやイギリスの手法は単純明快。総理大臣が、ターゲットを具体的な数値目標として出し、ぶれずに貫徹することだ。そういった政治決断を具体的数値とともに示すことが、真の政治主導であって、それをどう具体的に実現するかは、官僚にやらせればよい。

もちろん、外交問題や社会保障など、様々な重要政策課題があり、それはしっかり進めなければならない。しかし、民主党政権に求められるど真ん中は、国家のリストラであると考える。




この実現のためには、政治的に幾多の困難を乗り越えなければならず、一朝一夕には出来きないが、忍耐強くこのことに向かって行きたい。




政権交代しても政治はどうせ変わらない、ではなく、今の政治の混迷は夜明け前の産みの苦しみであって、着実に日本は前進するのだ。逆戻りはしない、させないと信じて。




三村和也