砂漠の国の物語 SSS | みむのブログ

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こちらはス/キップ/ビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全なる個人の妄想から産まれた駄文ですので、もちろん出版社等は全く関係ありません。
勢いで書いていますので時代考証等していません。素人が書く物と割り切ってゆるーく読んでください。

どうもどうも。お久しぶりです。みむです。
倉庫化宣言したにも関わらず、ステキサイトさんに感化されて、久しぶりに砂漠の二人を。…あれ、私、文章書くのますます下手に…?

一週間位前に誤って書き途中の記事をあげたらアクセス数が跳ね上がっててビビりました。すみません。本当にすみません。
しかもその記事は即削除。
原作ベースからバンパイアに変えて、全書き直し。そしてそれより先に30分で書いたお遊びSSをあげるという。


お遊びのSSSです。

王妃様がお酒を飲んだら…?

原作の二人はもちろん、砂漠の国の二人までも壊れております。…イメージ崩れるかも…?
こういう小ネタはいくつか思いつくんだけど、この話はどうも色々背景を懲りたくなってしまって。考えすぎていけない。
もういいや、と、かるーく書いてみました。

なので、まったく真面目な内容じゃないですよー。他の砂漠の国がお好きな方は、合わない…かも?

それでもよろしければ、どぞー。





砂漠の国の物語 SSS







王宮の奥
王夫妻の居室、さらに奥の寝室

この国の若き王、賢君と称されるレン王は、頭を抱えていた。


ふわりふらり

ほにゃりへにゃり

普段の賢夫人の顔はどこへやら。

キョーコの薄紅に染まった顔がゆらりゆらりと前後に揺れる。

「んふふふふふふ~いーい気持ちぃーい」

ペロリと唇を舐める赤い舌。
トロリと半分閉じた目は気怠げで、ニコニコ邪気なく笑っているはずなのに艶やかだ。

甘い果実酒が手に入った。はっきり言って俺の好みじゃないんだけど、キョーコにどうかなと思ってと、彼女に勧めてみた。

…普段、宴席でも酒を嗜まない彼女が、酔うとどうなるのか。シタゴコロがあったことは否定しない。

キョーコも最初は固辞していたものの、2人だけの空間に部屋着。仕事もひと段落ついたこの時期。レンが差し出す酒杯から漂う甘い香り。と、条件が重なった末、とうとう甘い酒を口にした。

…結果

「もっと。ねぇ、くおん…もっとあまいのちょうだい?」

可愛らしく首をかしげると、しゃらりと黒髪が流れ落ちた。

(聞いてない…!子供返りするなんて聞いてないぞ…!)

果実酒を渡してきた王妃付きの侍女の顔を思い浮かべて、レンは頭を抱えた。

『ちょっと。これから年末から新年にかけて、宴席が続くでしょう。あの子がお酒飲んだらどうなるか、陛下は知っておいた方がいいと思うのよ。』

この忙しさと忙しさの隙間である今のうちにね。
そう言って、彼女はこの酒瓶をレンに押し付けてきたのだ。

『いい。くれぐれも。くれぐれも手は出さないように。』

『明日はキョーコちゃん、視察でコールの街まで移動ですの。長距離移動になるので…』

ニコニコ笑いながら、もう一人の侍女が皆まで言わずに要求を告げた。

返す言葉に迷うレンに、カナエが果実酒の瓶を示して言う。

『大丈夫よ。その程度のお酒ならあの子、代謝がいいのか二日酔いはしないから。』

『くれぐれも。よろしくお願い申し上げますね。陛下』


にっこり笑った、彼女達があんなにも念を押した意味を身をもって知る。

潤んだ瞳、薔薇色に染まった頰。
いつもはキリリと凛々しい、潔癖さすら漂う王妃の顔が、今や駄々を捏ねる小悪魔だ。

このギャップ…!

「こぉんーほしいの…ダメ…?」

「……。」

「それーまだのみたいー」

レンは無言で酒瓶を高く持ち上げ、キョーコの手の届かないところに避難させると、「やぁん」と抗議の声。

まずい。
拷問だ…!

華奢な身体が、常だって柔らかな身体がよりくにゃんくにゃんになってレンの膝に乗り、一生懸命高く掲げられた酒瓶を取ろうと手を伸ばす。

まずい…!
拷・門・だ…!(二回目)


あああ…侍女達とあんな約束するんじゃなかった。

むんむん唸るキョーコの頭を撫でて宥めながら、レンは心底後悔していた。

「こぉんー」

舌ったらずな声が、昔の様に自分を呼んでくれることに、ダメージ100

「美味しいの、のみたいの…」

お願い事をされること自体が稀なのに、上目遣いにねだられて、ダメージ500

「いじわるぅ。こぉん、あたしのこと、キライ…?」

うりゅ…と涙ぐむキョーコにノックアウト。

突っ伏したレンに押しつぶされ、キョーコが抗議の声。

「わかった…よぅくわかったよ二人共…」

脳裏に浮かぶ、有能な侍女二人。
やはり彼女達は有能だ。
こんな彼女を他人には見せられない。…正確には見せたくない。

宴席で何度かキョーコに酒を勧めたことがあるが、そんな過去の自分をひっぱたきたい。

「こぉん?こぉーんー?」

ペシペシと小さな手が背中を叩く。

(キョーコが断ってくれてよかった。そして、強く勧めなくてよかった…!)

がばりと起き上がると、心配そうな黒瞳とかちあった。
目があった途端、にこぉっと全開の笑顔を見せられ、「よかった。こぉん、頭痛いの?だいじょぶ?」と頭を撫でられるのに、目眩がする。

我慢しすぎて、目眩がする。

「絶対に宴席では君にお酒は飲まさないから。飲まさせないから。」

「?こぉん…?」

それでもって、明日の視察は俺が行くから。
他の仕事を詰めっ詰めのきっつきつにしてでも、俺が行くから。

いただきます。

レンはにぃっこりとキョーコに笑いかけた。
シラフのキョーコならば、青くなって後ずさるほどの輝く笑顔。

「甘いの、ほしい?キョーコ。」

「ほしい!くれるの?こぉん」

「うん、いっぱい、あげようね。」

そう言ってまず、真っ赤に熟れた唇に、噛み付いた。

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…あ。
もしかして…砂漠の国の二人でなくても…よかった…ような…?

お粗末!