夕方のお散歩…笑える位会話が童話!

みーちゃん見てごらん、大きな夕焼け綺麗だね…。

え~ママど~こ?見えないよ?ほらあそこ見えるでしょ?

本当に大きな太陽が、もうすぐ地球の裏側に!

大きな樹と、少し高い屋根の向こう側に…。

おかしいな見えないかな?フッと私は子供の背丈に、しゃがんでみた。

本当に見えなかった。大きな樹と屋根が子供の目線に映るだけ …。

御免ね~見えないの、ママ気付かなかった。今度は見えるからね。

子供をヨイショと抱っこした。
どう見える?大きな太陽さん?
うん!見えるよママ、綺麗だねお空が真っ赤!

あ!あの雲はタコさんみたいだね。ほんとだ!真っ赤なタコさんみたいだね。

散歩をしたり、空の景色を眺める何て、子供がいなきゃ忘れてしまいそうな事よね。

今日のヨルはどんなお話を、聞かせて寝かそうかなぁ。

いつしか自分の夢が、子供で敵うよ。

1年後、娘がしきりに下の子を抱っこしようとしている。

ヨロヨロと倒れそうに為りながら、黙って見つめていたら、妹に語ってる。

あーちゃん、見てごらん綺麗な太陽さんだよ。
見えるかな?

また明日グルッと廻って、朝大きく見えるんだよ。

思わず嬉しく為った私…手を出さなくて良かった。とっても得意そうなお姉さん!

そして6時後…車椅子に為った私や、車椅子の老人に、いつもしゃがんで話す。

誰も言葉で教えた訳じゃない。同じ目線で…私が娘から教わった事。

子供が自然に覚えてくれている。妹もいつか…

自分の子供や孫に、同じ事をするのだろう。

母は何よりその優しい気持ちが嬉しい!とても愛しい。


平成10年の冬

沙々羅 実夢より