2025年10月25日(土)
母に対する複雑な思いを
「置いて行こっ…」
って思えるようになったある出来事の話
今でも鮮明に覚えている
子供の頃のあるシーンです![]()
雨の日の下校
庭の桃の木
小さくて青い実
赤いランドセルを背負った私が見上げている
傘に当たる雨の音
私は雨が好きなのですが



このシーンの雨の音は
見上げた桃の木と共に
私の心の深い部分にそっとしまわれています
私は小さい頃、詩を書いていました

低学年の頃です
私はこの日のこの場面で、
どういう訳かすごく感動しちゃって
すぐ詩を書きました
多分、あまりにも心が震えて
(…理解不能ですよね
)
そして出来上がった詩もなかなかの出来だったから
仕事中の母に電話をしました
詩を聞いて欲しくて…
(これまた訳わからん行動ですよね)
で、まぁ、帰ってきた母に怒られた訳です
(当然と言ってしまえば当然だけど)
その時、2年生ですよ
毎日、ひとりでお留守番していました
寂しかったんです
本当に寂しかった
母は親戚の会社で事務をしていました
専業主婦が多かった時代に
フルで働いていました
親戚の会社だったので
仕事場の雰囲気も子供ながらに知っていて、
だから電話した訳なのですが…
仕事中の母からしてみたら
「帰ってからでいいじゃない、そんなの!」
レベルの迷惑なヤツだったようです
私の母は、かなりの毒親でして…
何というか、毒親にありがちな
欲しいオモチャや服が買ってもらえないという
母好みの押し付けは
結構笑える話に転化できるのだけど

因みに、私の場合
欲しいのに買ってもらえなかったオモチャ
ベスト3
3位 ひみつのアッコちゃん
テクマクマヤコンの変身コンパクト
2位 ママキッチン
1位 リカちゃんハウス

家の経済状況にゆとりが無いのであれば
それは子供だって理解できます
お姫様じゃないんだし
だけど!
クリスマスプレゼントを買ってあげると
デパートのおもちゃ売り場に連れて行ってくれて
なのに!
それはダメって言われて買ってもらえないという…
ブロックとかパズルとか木工製品
そっち系なら買ってもらえる訳です
毒親あるあるですよね(笑)
話がそれました
だけどね❗️雨の日の桃の木の話は
毒親の母から卒業した今でも笑えないのです
笑えないけど、
そんな母に対する複雑な思いを
「置いて行く」ことは出来ました
母は私とは違うんだ!ってことに
単純だけど気づいたからなんです
何それ!?バカじゃんって
大体の方は思うのでしょうが
私はずっとどこかで
母親とは
子供の一番の理解者であるって思っていました
(そうでなきゃ、子供の味方は誰?って感じです)
この間違いに気づけたのは
文章作りの連想ゲームみたいなものを
やっていた時のことです
連想がどんどん広がって
色々な言葉が出てくるのが面白くて
これ、別の人にやって貰ったら
自分では思いつかない言葉が出て来たりして
いろいろ参考になるかもって
母に頼んで同じ問題をやって貰った訳です
そうしたら、
まぁ、それはそれはお粗末…
こんな程度なの?
ひとつの言葉から全然世界が広がらないのです
実際、本人はすごく考えている感じなのですが
難しいといって苦しんでいるのです
えっ!!楽しくないの?
苦しいの??
次から次へと湧いてこないの?
この瞬間、私は
母と私の違いをハッキリと認識しました
私は彼女に何を期待していたんだろう

共感?賞賛?寄り添い?励まし?
そんなの全部あるハズないじゃん
母親は、
自分と同じように感じてくれているものだと
同じでなくても、
せめて自分が感じているものは
理解してくれているのだろうと…
マジで思っていたけれど
この人に
心のヒダなんて無いわ…
雨の日の空気感
匂い
傘に当たる雨音が耳元で響く感じ
桃の葉が雨で垂れ下がって
実には雫がついていて
グレーの空の色
自分が一人いるだけ
気付きもしないんだ
そういう要素を持ち合わせていないんだ
って、納得できたんです
彼女の言葉にいちいち傷ついていたけれど
それはすごく表面的な
全然違うところから発せられている言葉なんだって思えたんです
自分の受験や就職
結婚までもが上手くいかなくて
その度に母の影響を感じてしまっていました
その度に悩みました
そして恨みました

だけど、私が思い描いていた母親像と
ちょっとこの人違っちゃってたわって
まぁ、しょうがないか…
もういいや
そんなの、いつまで持ってるの?
もう、その辺に置いて行こう
卒業しよう!
思ってみれば
自分がいちいち関連づけて来た訳だし
関連づけることがもはや馬鹿ばかしい
今でも全然変わらない母ですが
私はこんな感じで彼女との安全な距離感を掴めるようになりました
人それぞれ違うと思うけれど
私がつくづく思うのは
苦しかった原因は、母の押し付け以上に
自分が作り出した「理想の母親像」だったように思います
