
思わず「ありの~ままで~♪」と口ずさんでしまうところがすごぃですょね

そんなディズニーの超大作に真っ向から対抗するような問題作『渇き。』を見に行って来ました


原作は、第3回「このミステリーがすごい」大賞(04)を受賞した深町秋生のデビュー作「果てしなき渇き」。
“ありのままで”いちゃいけない、ひどい登場人物しか現れず、観客のほとんどが誰にも共感できないという本作。。。
■ストーリー
主人公は、数カ月前、妻の不倫相手への傷害事件を起こして退職し、自暴自棄な暮らしを送っていた元刑事の藤島昭和(役所広司)。
ある日、彼の元にかつての妻(黒沢あすか)から連絡があり、娘の加奈子が失踪したことを知る。
彼女の手がかりを見つけるためにこれまでの交友関係をたどるが、次第に加奈子の優等生の仮面は剥がれ、思いもよらぬ事実が明らかになっていく。
藤島は彼女の正体に近づけば近づくほどヤバい奴らと接触することになり、怒りがあらゆる衝動を抑えられず暴走を始める……。
監督は
『嫌われ松子の一生』、『告白』の中島哲也監督
手がけたのは、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』の中島哲也監督。
毎回強烈なビジュアルとストーリー展開で話題を呼び、『告白』に至っては社会現象と言えるほどの大ヒット!!
私も「告白」を見てこの人の作品見たいと思い見に行った一人です

原作の『果てしなき渇き』はそのあまりにもハードな暴力描写や内容に映像化不可能と言われていた…
それでも監督は、脚本化に挑戦し(通常の何倍もの労力と時間を要したという)、主演の藤島役を“ダメもと”で名優、役所公司にオファー。
近年の日本映画で最高にヒドい男の役を受けてもらえるわけがないと思っていた矢先、OKの返事が来たという。
さらには、國村隼、中谷美紀、妻夫木聡、黒沢あすか、オダギリジョー、橋本愛、二階堂ふみらそうそうたる豪華キャストが集結した。
最悪の男、藤島。役所広司が圧巻の演技
本作、過激な暴力描写に話題が集中しているが、筆者が驚いたのはそれよりも役所広司演じる藤島の暴力性であった(その演技力は圧巻!)。
愛し方、愛され方を知らないが故なのか、あらゆるモノ・人を壊し、傷つけ、殴り倒しながら、娘の行方を追う。そして心も体も血みどろになりながらの暴走ぶりに、何度も目を背けたくなる。
その上、藤島と接触する面々誰もが常軌を逸した人間ばかり。見ている途中で「やっぱり夢と魔法の国に行きたい……」と思わず逃げ出したくなることもあった。
しかし、物語が進むにつれ藤島が加奈子の真実に迫れば迫るほど、その狂気の裏に一瞬、愛の片鱗(へんりん)のようなものを感じる。いや、ひょっとしたら単なる藤島の執着なのかもしれない。でもやはり、あれは父性だったのでは……と、タブーを犯し続ける藤島の心の底を見放すことなく、探ろうとする自分がいることに気づく。
観客の反応は賛否両論
映画『渇き。』は現在公開中。
