引き際をわきまえているということは、一つの能力を持ち合わせているということです。
それは、諦めるという強さです。
何かに取り組んでいて、自分が力不足だと感じるシーンは多々あります。
何をやるにも、それが自分にできるかどうかというのは結局はやってみなければわかりません。
一度トライしてみるしかありません。
しかし、ある程度やってみてダメだとわかったら潔く引きさがる勇気も大切です。
諦めるというのも、ひとつの能力なのです。
見込みのない分野でしんどい思いをして、自分の時間を無駄にせずに済むからです。
諦めることは決して恥ずかしいことではありません。
諦められるということは、自分の土俵を冷静に見極める力があるということです。
潔く撤退するのは、誰もができることではありません。
ただでさえ世間では粘り強さを評価する風潮があります。
『やればできる』『諦めなければなんとかなる』と幼い頃から洗脳されてきています。
しかし、成人を迎えている大人であれば誰しも薄々感じているのは『人間誰しも向き不向きがあるんだろうな』ということです。
これは事実です。
この事実から目をそらしてはいけません。
才能という現実を受容できた人から、自分の才能のある分野に出逢うことができます。
現実を受け止めた上でさらに前に進む覚悟があるからこそ、諦めることができるのです。
覚悟には勇気が必要であり、それは強さです。
つまり、諦めることができるのは自分の強さの証明です。
諦めるときは、他の誰でもなく自分がダメだと悟ったときです。
きっちりと見極めて、自分が勝てる土俵へと移動するのです。