教養の大切さが説かれる場面はいくつかあります。
たとえば、学校では大学までの間には『大人になるにあたって最低限の教養は身につけておきましょう』といった話を必ずされます。
入社すれば『社会人なんだから最低限の教養は身につけておけよ』といわれます。
この教養とは、ときに常識やマナーといった言葉で代えられることもあります。
教養とはひとことでいえば柔軟性です。
一般的には教養といえば、知識の量だったりどれだけ常識を押さえているかといったようなものと考えられていますが、真の教養はそれらとは一切関係がありません。
どれだけものごとに対して偏見がないかということです。
教養が大切であるということは間違いありません。
しかし、教養の本質は文学や音楽といった芸術分野に精通していることでもなければ、常識やマナーを徹底していることでもありません。
もちろん、それらもある程度は必要でしょう。
それでも、真に大切なのは年齢、性別、役職、国籍などに一切関係なく相手を受け容れられるやわらかい思考です。
どんな考え方であってもひとまず受け止められる柔軟性なのです。
換言すれば、偏りや差別意識のない人は真の教養を備えた人物だということです。