今月13日
10年間、癌と戦ってきた患者さんが亡くなった。

再発してから
何度も色んな抗がん剤投与を何クールもうけ
副作用が強いのに
笑顔を絶やさない
とてもとても強い方だった。


お義母さんの親友でもあり、
治療と治療の間に
家に遊びに来てくれることもあった。

看護師と患者さんの関係でありながら、
色んな話をした。



5月。
咳がひどく受診すると
肺に転移していた。

数日の間に肺は真っ白になり
酸素を使うようになった。

5月末
育休中のため
病院に会いに行った。
メールでは落ち込んでいる様子だったのに

またいつもの笑顔で話してくれた。

このとき余名3ヵ月と言われていた。

そこにはいつもと変わらない笑顔の患者さん。
病気とは思えないほどの
元気とパワーの持ち主だった。


でもたまにポロッと泣くんだよね…


本当は夜中一人で
色んなことを考えて
泣いていたのかもしれない。


周りのことばかり考えて
いつも心配させないようにと
笑顔を絶やさなかった。


6月
余命3ヶ月と宣告され
ホスピスに移ることになった。


色んな方が会いに来ていると聞いたから
落ち着いたら会いに行こうと思ってた。



13日。
突然の訃報。


私の中では
病室で
大きく手を振ってくれた
笑顔の患者さんのまま。


信じられなくて言葉にならなくて

しばらくしてから

どっと涙が出てきた。






顔を見に行った。

本当に本当に綺麗だった。


ただ眠っているようだった。



亡くなる前日、
着たい衣装があると
息子さんと自宅に行ったとのこと。
結局車からは降りれず
息子さんが家と車を何往復もして
持ってきた衣装は
社交ダンスの
華やかな黒の衣装。


そして次の日の13日
朝、永眠。





翌日の告別式終了後、

もう解約されているかもしれない

Aさんのケータイにメールを送った。



今までのAさんとの思い出や笑い話、

そして感謝の言葉としばしお別れの言葉。




送れた。




しばらくすると

Aさんからメール。



え????

こんな時まで親切な息子さんからだった。




「今日は来てくれてありがとね。

その笑顔が患者さんの痛みや不安をとってくれてるよ。

その気持ちだけで私は嬉しいです。

感謝。感謝。感謝。

ありがとう。


尊敬する母を代弁させていただきました。」




とあった。




私にできたことなんて何もなかった。




もっともっと勉強して

ちゃんと真から患者さんの身体を、心を救えるような

看護師になりたい。


Aさんがまた教えてくれた。



また参考書を引っ張り出してきて

たまに読んでいます。




命って、

本当に儚い。

つくづくそう思います。

でも、

Aさんの人生は誰もが尊敬するような

濃くて強い人生だった。

55年間お疲れ様でした。

ゆっくり休んでね。


会えなくて寂しいけど、

Aさんに笑われないよう生きたい。


Aさん。みててね。

私強くなるよ。

また手紙書きます。



おやすみなさい☆彡