1年前 | 伽想詩

伽想詩

愛するものは猫と本と花......そしてantique

今年はパンジーもヴィオラも植えなかった

代わりに青いネモフィラと小さなレモン色のポピーのような花を植えた



1年前は思いもしなかったような日々



何故だろう

今まで見た事の無いほど

実家の芍薬が沢山の蕾を付けていた




鍵を開けて入っても

優しい父は出迎えてくれないけれど

分かっていても私は大きな声で言う

パパ、来たよ!って


父の写真はいつも微笑んでいる

楽しかった時間

いつも笑っていつも幸せだった


タンスの中の父の洋服を眺めて

父の机をそっと撫ぜて

また来るからねと手を振って家を出る


父はどこにも居ないのに

いつも思わず振り返って見てしまう




1年前はそこに居たのに

確かに居たのに


本当に寂しい