兄妹3人で母を見舞った。
もう話すこともない母を囲んで私たちは他愛もない世間話や昔話に花を咲かせる。
最初、ぼんやりしたしていた母の目が徐々にはっきりして力を帯びてくるのが分かった。
聞こえているんだね。
きっと母が若かったころ、こうして私たちが今と同じように母を囲み笑ったり喧嘩をしたりしたときのことを思い出しているんだろうね。
親が元気なころは年に1.2回しか帰省しなかったが今は1.2ヶ月に一度は会いに行く。
遅きに失した後悔もあるけれど今の私にできることはこれくらいしかない。