ご覧いただきありがとうございます。税理士のチヨです。
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私は女性税理士なので女性からの起業の相談が結構多いです。
男性税理士だと「怖い」「威圧的」なイメージをもっておられるかたが多いようで、私と会うと皆さんホッとするみたい![]()
今日は女性の起業相談で結構いただくビジネスでの「旧姓」について書いてみようと思います。
旧姓をビジネスで使いたい!
今の日本の法律では、結婚した夫婦はどちらかの姓(名字)を名乗る必要があり、ほとんどのケースで女性が男性の姓に変えています。
でも名字を変えることで仕事に支障が出たり、コストや手間がかかったりするケースが多くあります。
たとえば、旧姓でブランドを築いてきた女性経営者が結婚後に姓を変えると、名義変更のために大変な時間と費用がかかりました。
自分でビジネスをしている人にとって名前が変わるというのは一大事件ですよね。
名義変更や手続きやすでに覚えてもらってる名前を訂正はしづらいです。
また働く会社側も社員が旧姓で働く場合、戸籍名との照合など手続きが複雑になります。これは業務効率の低下やリスクにもつながっています。
この「旧姓を通称として使う」ことによって、仕事に大きな支障がでなくて助かるという人は女性には多くいます。
通帳や契約で旧姓は使える?
旧姓の“通称使用”という仕組み
現在は、パスポートやマイナンバーカード、国家資格などに旧姓を併記できるようになっています。
時代の流れから銀行口座も旧姓で開設できるところが増えています。
この場合、銀行側では「通称名」として旧姓を扱います。
「通称名」とは本名とは別に日常的に使っている名前や、ビジネス上で使っている名前のことです。
外国人が日本で暮らすために漢字の当て字をしたり、日本名を名乗っている場合もこの「通称名」となります。
通常「通称名」で銀行口座を開くときは、日常的に使用している証拠として公共料金の支払い明細や郵便物などを求められますが、旧姓を通称名として使用する場合はマイナンバーカードに併記してあればほとんどOKとなります。
メガバンクは旧姓での口座開設には消極的ですが、地方銀行などは対応しているところも増えてきました。
旧姓で税金の申告や届出はできる?
1. 開業届での「通称名」使用について
個人事業を始める際には、税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出します。
このとき、「屋号」として旧姓を記載することが可能です。
2. 確定申告・帳簿ではどう扱う?
屋号付きで通帳を作った場合や、帳簿・請求書に通称名を使うことがありますが、税務申告書類は本名で提出します。
ただし、屋号は併記可能です。
3.インボイス登録は旧姓を使用できる?
個人事業主の場合、インボイス登録をするときは本名と番号が表示されますが、表示名を旧姓で申請することが可能です。
マイナンバーカードに旧姓が併記されていることが条件となります。
ちなみに個人事業主の場合はインボイス番号を知らない人が本名を検索することはできません。
国際社会からの圧力に折り合いをつける日本
● 海外では通じにくい“旧姓使用”
海外では、夫婦が別姓を選べる国がほとんどです。日本のように夫婦が同じ姓を名乗らなければならないのは世界で唯一。国際的に活躍する人にとっては、旧姓使用が通じず、仕事上のトラブルや身元確認の難しさにつながることもあります。
ある女性技術者は、旧姓で実績を積んできたため、名字を変えるとそれが証明できなくなるリスクがあり、法律婚ではなく事実婚を選ばざるを得ませんでした。それにより、ローン契約や出産などの場面で不便が生じました。
●日本では 慎重な意見も根強い
一方で、「名字は家族の一体感を保つ大切なもの」という考え方もあります。夫婦で姓が違うと、家族のつながりが弱まるのではという意見です。伝統的な家族観を重んじる立場からは、夫婦別姓には慎重であるべきという声もあります。
政府は、「名字は家族の在り方に関わる重要な問題なので、国民の幅広い理解が必要」とし、すぐに制度を変えるのではなく、旧姓の通称使用の拡大を進める方向で対応しています。
● 国際的な視点からの圧力も
国連からは過去に4回、日本の夫婦同姓制度が「女性差別にあたる」として改善を求められています。
日本政府はマイナンバーカード(住民票)への「併記」という形で独自に折り合いをつけている状況です。
国際的にも世論的にも「夫婦別姓」への流れは止められないと思います。
私も仕事と家庭を区切るためにも旧姓でのビジネスは大賛成の推進派です♪
もっともっと法改正が進んでいけばいいと思っています。
