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税理士・ファイナンシャルプランナーとして中小企業サポート、女性経営者支援を行っています。こちらのブログでは私の趣味である資産運用×子育て×マネー教育×ジェンダーについて発信しています。

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国民民主党の玉木雄一郎氏が所得税がかかる「年収103万円の壁」を178万円に引き上げるよう求めるほか、特定扶養控除の年収要件の引き上げることを主張して話題になっています。

主婦であれば誰でも意識してことがある年収の壁。

実は私の本業である税理士の個別相談でも女性の方から多く質問されます。

今回は税理士としてではなく、子育てパート主婦として働いた経験も踏まえてこの年収の壁に対するリアルな意見を書きたいと思います。

こちらは①からの続きになります→

 

年収の壁の解消では解決しない、リアルな体験と主婦の声① | 子育て開業税理士のマネーブログ

 

 

問題なのはずっと変わらない社会保険料の扶養認定要件

 

前回の記事では年収130万円の壁が一番高い壁だとお伝えしました。

年収130万円を超えると配偶者の厚生年金の第3号被保険者から外れてしまうため、手取りが減る逆転現象が原因です。

 

所得税の扶養の壁について議論しても社会保険の扶養の壁が引き上げられない限り、パート主婦は勤務時間を調整することはやめないでしょう。従業員数が50人以下の企業のでは週20時間以上勤務しなければ厚生年金に加入することが出来ないうえ、手取りを増やすのはハードルが高いです。

 

そもそもフルタイムで働けないからパート勤務を選択しているので、所得税の扶養の壁をどんなに引き上げたところで問題の解決にはならないのです。

最低賃金が上がったらその分休みが増えて嬉しいなんて思う人が多いのが現実ではないでしょうか。

もし本気でパート主婦をフルタイムにひっぱり出したいなら国民年金の第三号被保険者の制度を廃止させるしかありません。

 

 

 

多くの企業がパート主婦に甘えている現実

 

 

日本政府は国民年金の第三号被保険者を廃止したいとずっと思っています。

年金制度を支える若者が不足しているのを解決するためには、国民年金の第三号被保険者の主婦に国民年金を負担してもらえばいいからです。

なぜ廃止しないのか?子育て家庭の生活を配慮してではありません。

 

安い賃金で働くパート主婦がいなくなると困るのが日本の多くの中小企業だからです。

 

 

コストコから見る日本企業の倒産危機

 

群馬県前橋市ではコストコがOPENするときに時給1500円で募集したとしてニュースになりました。群馬県の最低賃金は935円と比べて破格の時給だったからです。

 

地元企業からは「うちはそんなに払えない」と困惑の声。コストコ目指して辞めていくアルバイトやパートがいても何も出来ないとニュースでは回答していました。

 

同じ現象が国民年金の第三号被保険者を廃止したときに起こります。

 

パート主婦は年収の制限なく働くことが出来るようになるので、より高い時給の仕事を目指して転職してしまいます。人手を確保するために中小企業は今よりも人件費の負担が重くなり、それが原因で倒産する企業も増える可能性があります。

日本政府は中小企業の倒産を恐れて国民年金の第三号被保険者を廃止するのをためらっているのです。

 

 

 

国民年金の第三号被保険者廃止される日はいつくる?

 

国民年金の第三号被保険者については共働きフルタイムの家庭や、単身世帯の方からの批判も多いのでゆくゆくは廃止される方向で動いています。

 

ただ前述したとおり、安い賃金で働くパート主婦に頼っている中小企業の人手不足と倒産を回避する必要があります。

 

私の個人的な予想では日本が好景気!と言われる世の中になったときか、最低賃金が全国平均時給1600円になったときだと思っています。

全国平均時給1600円ならば東京都は時給2000円超えてそうですね。

 

労働団体の連合は2035年までに全国平均の時給を1600円から1900円に引き上げる目標を掲げていますので、これが実現された時がそのタイミングではないかいう予想です。

 

 

 

もし私だったら…

 

もし私が配偶者の扶養で第3号被保険者の範囲で働いているとして、時給が上がってもなるべく扶養の範囲で働くことを選択すると思います。

「収入を増やしたい」より「これ以上働けない」という理由で非正規雇用を選択しているからです。育児、介護、病気、など1つの理由だけではなく、複数の理由で非正規雇用で働く主婦は大勢います。

 

本当に正社員と非正規労働者の同一労働同一賃金が実現されればとても嬉しいことだと思います。アルバイトで働いていたときに、労働の正当な対価をもらいたいと思ったのはみなさんも1度や2度ではないはず。

終身雇用制度をやめるなら同一労働同一賃金を実現させる、等価交換の政治を期待しています。