アニメ漬けの主人に喝を入れてから、今のところドキュメント番組かYouTubeの桜のライブカメラしか見なくなった。


感動する良質なアニメは沢山あるが、主人が見ているのは大概非モテ男が急にハーレム状態になる、レベルが低い男の妄想のようなもの。


まあ、ほとぼりが冷めるまでの一瞬の事で、私が機嫌良い顔を見せたら、またアニメ漬けに戻ってしまうのだろう。


お陰で先日録画した坂本龍一さんの最後の日々を見たり、集中出来なくて書けなかった申請書類を書いたりと捗った。


主人は長女が居た間、あれでも父親前としていたつもりだったそうなのだ。


その点、帰省すると「社会人とは…」と蘊蓄を語る義父は小面倒臭かったけれど、父親の背中を見せていた気がする。


私は両親が別居している為、弱音を吐ける場所も、頼れる親も無い。


主人には、小煩いかも知れないが帰れる実家があって、母親でいようとする義母がいるだけマシだよなと思う。


主人は私の詳しい病状を知らない。


メンタル弱男の主人は、私の行く末を聞くのが怖いらしく聞こうともしなかった。


私が坂本龍一さんの最晩年の番組を見ていると、「良く見られるね。」と怪訝な顔をして皮肉って来た。


程度は軽いが私もがんサバイバーで、あと10年後には居ないだろう親たちを抱えている身。


私がどう生き、どう親たちを看取るかを考え無い日は無いのだ。


主人は考えなきゃならない事から目を逸らし、低俗なアニメに逃げている。


何も返事をしなくても構わない一方的な情報を、漫然と眺めているだけだなんて。


一人になって何もしなかった事を悔いるくらいなら、今のうちに足掻けと私は言いたい。