私は姉に、母の次回の通所日にリハパンを履かせるように言ったはず!


なのに。


なのに。


なんでよ?


デイサービスから、「咲子さん、ズボンの下にズロースしか履いてません。」だと?


ズボンの下は、ズロース(ガードル)でノーパン!(ノ▽\*) イヤン


どう説明したら、そうなるんだろう。


デイサービスの時間割りで、足上げ体操をした際に、母がオナラをしたら実も出てしまったらしい。


利用者の皆さんが使うマシーンに、母の脱糞だあ。


電話越しに、平謝りに謝り倒した。



夜、姉に電話を入れた。


「ねえ!またリハパン履いて行かなかったよ!それもさ、お母さんったら自分がお漏らしや脱糞してる自覚が無いから、そのまま洗濯しているんだよ?お姉ちゃんが顔を拭いてるタオルも、お母さんのウン○付きだからね!?」


「マジ?デイサービスで洗ってくれてるんじゃ無いの?」


「違うわっ!幼稚園児みたいにビニール袋に入れられて、お土産にされるの!お母さん、やったのも忘れて予洗いしないで、洗濯機に放り込んでるよ。」


「私に洗えって?」


「嫌だったら早くリハパン履かせて、ミニ洗濯機でもお母さんに買って貰えば?」


「ぐわあああっ!もう嫌だっ!」


「ほら言ったじゃない。オシモ問題が乗り越えられなきゃ、自宅介護なんて傍から無理なんだよ。」


「あのババア、私には一言も100万持って行って叱られたとか、尿失禁したなんて言わないもの。」


「お姉ちゃんにだけは、知られたく無いって言ってたもん。」


「通帳の在り処もアンタにだけ。どうせ同居してても、私は部外者なんだよ。」


「いい?そんな所で拗ねていられないの。昼間働きたかったら、せめてお母さんをデイに行かせなきゃ。あのまま家に置いておいたら、寝たきりのボケ婆さんになるよ。タバコの不始末やったらどうするの。宥め透かしてリハパン履かせて!」



母はサラリーマンの妻になっても気位だけは高く、予想以上に失禁を認めない。


リハパンを履いてさえくれたら、自分が汚したパンツを他人から見せられたりしないで済んだのに。


母にとってリハパンは、高齢者の最終段階のようだ。


せっかくレンタルした歩行器も年寄り臭いと言って使わず、杖も拒み、ショッピングカートを使って歩いている。


母のその頑ななプライドが、人から嫌われてしまう理由なのだろう。