ここの所、また私の検査が立て込み、父の世話から足が遠退いてしまっていた。


先月の父の診察で、あまりにも呂律が回らなくなった父を、「また脳梗塞を起こしたのかも。」と医師に言われたばかりだ。


義母と母の世話に追われて、父が手薄になってしまったと自覚していたけれど、どうしても騒がしい方に目が行ってしまう。


私が肝細胞がんの診断を受けてから、父は電話して来なくなった。


父と姉は不仲だが、私には気が置けない父だ。


私には電話出来ず、困り切って姉に電話したのだろう。


姉「今さ、実家に来てるんだけど。父さん頭が痛いって言ってるのと、ウ〇チに血が着いてるって言ってる。どうしたら良い?」


電話越しに父の手を上げさせたり、目線を確認して見る。


どうやら手足の麻痺は無さそうだし、頭痛の様子もそこ迄では無い。


こんな時、姉は責任を怖がり、判断を私に回して来る。


ミモ「あと、お父さんに血の色を聞いて。」


「真っ赤な血がちょっとだって。」


一年前、父は憩室炎からの出血が血液サラサラを飲んでいた為に、失血死寸前にまでの貧血になった。


「ウ〇チに血が・・・。」と聞くと冷や汗が出て来るが、今回の出血は血液サラサラも止めているし、痔核からの出血だろう。


血液サラサラ薬を止めたから、父の血管は詰まりやすくなってしまった。


「明日、お父さんの付添いだから併せて診て貰って来る。」


「分かった。父さんにはミモが安心して大丈夫だと言ってたと言っておくよ。」


私が大丈夫と言っても、自主勉した薄っぺらな知識なだけだ。


もしも間に合わなかったとしたら、八方塞がりな家族の末路だと諦めるしか無い。


姉はまだ私が居るから、介護が間に合っていると分かっているのだろうか。


契約社員で働きながら親を看取れる程、介護は生易しいものでは無い。