こんにちは!

サロン・ド・ヴィーヴルの山口あゆ美です。

 

 

 

着物部でのお出かけで

大阪松竹座での十月大歌舞伎の千秋楽観劇。

 

 

 

皆さん、自分で着付けて

頭は私の行きつけの新地の美容室にお連れして

それぞれに

シンプルだけど着物に似合うヘアスタイルに。

 

 



 

着物で5人連れ立って御堂筋を歩き、戎橋に!

(通称ひっかけ橋。外人さん多し!)

写真を撮ってもらった女子高生に

「県外からですかぁ~?」って聞かれました(笑)



 



 

 

さてさて、

初めての歌舞伎鑑賞でしたが

演目は「雙生隅田川」(ふたごすみだがわ)

 

 

 

初め、パンフレットも解説のイヤホンもなしに

一幕見たのですが

歌舞伎のお芝居は、だいたい単純明快なお話なんですよね。

 

 

 

ただ、

誰がどのお役かがわからなくて

全部「海老蔵さん?右團次さん?」って思っちゃったけれど(笑)

 

 

 

今回、市川右近さん(陸王で、靴のプロフェッショナルの人)が

右團次さんを襲名





長男のかわいい8歳のボクが

市川右近くんを名乗るということで

お祝いに海老蔵さんも出ておられるので

なかなかの豪華キャスト!

 

 

 

話のあらすじは、簡単に言うと

京都のお公家さんのお家断絶の危機を軸に

比良山の天狗と悪家老 VS お家を守ろうとするイイもん

お家の跡取りである双子の梅若丸・松若丸のエピソード

が絡み、

場面も

公家のお屋敷の場面

貧しい市井の人の暮らしの場面

各地の名所を折り込みながら

最後は琵琶湖の水が舞台上に現れる!という展開。

 

 

 

何しろ、理屈抜きでおもしろい!

飽きさせない工夫がいっぱい!

早変わり、宙乗り、本水(本当の水・・どうなってんの?)

その他、演出面でも

これに似たことを江戸時代からやってたなんて

本当にすごいなあって!

 

 

 

メイクや扮装を見ただけで

イイもんか悪役かわかる、わかりやすさや、

 

 

 

女の役の方たちは

どう見ても男に見えない!

 

 

 

肩をなだらかに落として首を長く見せ

指先を揃え

小首をかしげ

おじきの仕方も本当に美しくて

ゆ~~~っくりとものを言う。。。

 

 

 

見習わなくちゃ~~~。。。って

この感覚はいつも

ディズニーランドでミニーちゃんを見ると

思うのと同じかも(笑)

 

 

 

女性らしさって絶対に大切!

着物での所作は

本当に真似したい!って思います(^^)

 

 

 

初お目見えの右近くんは、なんと8歳!

4時間、5時間に渡ってちゃんとお芝居もし、

セリフもはっきりと聞こえるし

すごいなあ~~!って

みんなと感心しきりでした!

何よりかわいくて、涙が出そうでした(^^)

 

 

 

主役の右團次さんはじめ役者さんたちは

本当に、マイク無しで腹から声を出して

こんなに激しく立ち回りしたり

水の中で暴れたり

早変わりのために、きっと奈落を走ったり

もう、すごい!!としか言いようのない迫力!

 

 

 

義太夫を語る太夫さんや三味線の方たちも

額に青筋を立てて!

血管キレないかな!って思うくらいの迫力!

 

 

 

夜の部は4時半~9時前まで

休憩をはさみながらでしたが

長時間であることを忘れるくらいのおもしろさでした!

 

~~~

 

帰宅して改めてパンフレットを読みましたら

あ~なるほど!って思うことがありました。

 

 

 

この「雙子隅田川」は近松門左衛門により

1720年(享保5年)に大阪竹本座で初演された

人形浄瑠璃だったそうです。

それを、歌舞伎のお芝居仕立てに復活した作品。

 

 

 

実は、わたくし、大学時代に

人形浄瑠璃(文楽)の台本を

研究する授業をとっておりました。

 

 

 

 

こんなの↓です。写真はお借りしました。




確か、ひとりこの1ページ分ずつ受け持って

まず、翻訳ならぬ、翻字して

出てくる文句はだいたい七五調なのですが

とってもおもしろくて

掛詞(かけことば)だったり

 

 

名所や歌枕※が読み込まれていたり

※当時の人は、気軽に旅ができなかったが

名所や有名な歌枕を耳にすることで

そこに行った気分になれたことでしょう。

 

 

昔の有名な和歌や物語の歌の本歌取り※だったり

※有名な歌や物語の世界観をベースに、

新たな歌を詠む。

今で言う、パクリやパロディに近いけれども

その文言をみんなが共有できているから

その文言が出てきただけで、みんなが

「ああ、あのお話ね!」と理解できる。

 

 

 

その出典となった和歌や物語を探したり

 

 

 

あと、重要なのは

当時の「生きた言葉の発音」や

当時の人々の使っていた言葉が

わかるということ。

 

 

 

いろいろあったけど忘れてしまっていますが^^;

印象的なのは

「天下」と書いてあって、

普通に「てんか」と読んだら

先生が「本当にそうですか?」と。。。

 

 

 

当時、日本に来ていたポルトガル人が書いた辞書

「日葡辞書」というのがあるのですが

それを見ると

「tenngua」と書いてある。

 

 

 

「てんが」って

濁って発音していたんだなあとわかったり。

 

 

 

言葉の意味も、

今とは違う意味で使っている言葉があったりもして

江戸時代の人々の息遣いが感じられて

とっても楽しかったんです。

 

 

 

今回は「隅田川」という題名で

真っ先に思い浮かんだのは

伊勢物語の東下りの段、

 



名にし負わば

いざこと問わん都鳥

我が思う人は

有りや無しやと

 

という歌。

 

 

 

これは

在原業平が

都に置いてきた妻を思って詠んだ歌で

先日東京に行った時に、お散歩の途中

隅田川にかかる「言問橋(ことといばし)」を見つけて

私はいたく感激したのですが(笑)

 



 

やはり今回も

この和歌が

太夫さんに語られているのを耳にして

「あ!」ってうれしかったです(^^)

 

 

 

あとで知ったのは

お能で「隅田川」という演目があって

 

 

 

班女という女の物狂い(狂女)が、

はるばる京の北白川から東国隅田川まで、

人買いにさらわれた息子梅若を探しに辿り着き、

すでに死んでしまったことを知る。

泣きながら念仏を唱えていると

死んだ梅若の亡霊が現れ

抱きしめようと駆け寄るとすり抜ける。

夜明けとともに、亡霊の姿は消え

母は我が子の眠る草茫々の塚の前で

涙にむせぶ。。。

 

 

というお話が

今回のお話の

ベースになっていることを知りました。




設定や、役名も同じ。

 

 

 

「隅田川物」とも言われるそうです。

 

 

 

お能=人形浄瑠璃=歌舞伎

もちろん、

お能の前には、和歌や物語があるわけで

すべてが繋がっているというのも

本当に興味深いことで

これから歌舞伎を見るのも

楽しみになりそうです(^^)

 

 

 

着物部の皆さんからも

年に1度の恒例行事にしたい!というお声も(^^)

 

 

 

また次は文楽なんかも

見てみたら繋がって楽しめるかもしれませんね!

 

 


見たよ!のおしるしに

クリックして頂けるとうれしいです!


にほんブログ村


 サロン・ド・ヴィーヴルの

秋・冬のレッスンとイベントを掲載しました。

 

ただ今、12月7日(金)1席空きがございます。

 

詳しくは こちら をご覧下さいませ。