こんにちは!
主婦の毎日を楽しく輝かせるお教室
サロン・ド・ヴィーヴル~暮らしのサロン~の
山口あゆ美です。
今日は寒いけれど
日差しが温かい、
立春らしい日になりました。
我が家の梅も一輪開花
先日のお茶のお稽古で掛かっていたお軸が
白氏文集(はくしもんじゅう)の一節とのことでしたが
漢文で、何が書いてあるのか、
断片しかわかりませんでした。
白氏文集(はくしもんじゅう)=白居易の詩集 で
「枕草子」の「香炉峰の雪」の場面で出てくるので
てっきり
今の季節のことが
書いてあるのかな?と思いきや・・・
↓
「香炉峰の雪」のエピソード
「雪のいと高う降りたるを」
ある雪がたくさん積もった日、
中宮定子が清少納言に
「香炉峰の雪はいかに」
(「香炉峰の雪はどうかしらね・・」)
とおっしゃる。
それを聞いて、清少納言は黙って
お部屋の御簾(みす)を巻き上げましたら
中宮様はにっこりお笑いになった。
他のみんなは
「その一節は知ってるけれど、とっさに
こうするなんて、さすが清少納言ね!」
=気が利いてる! と。
(他方、紫式部はこの話を日記の中で
「知ったかぶりしてイヤなヤツ」と書いています(笑)」
これは、当時の知識階級ならば
常識として知っておくべき必須アイテムの
「白氏文集」の一節に
「香炉峰の雪は簾をかかげて看る」
という一節があるので
それを清少納言は知っていた、ということ。
もちろん、定子も、お勉強済み。
ただし、当時は
女性が「白氏文集」なんて読むなんて
生意気ではしたないとされていましたが。
・・・の話かなあと思っていたら
全然違うことが書いてありました。
柳気力無くして
条(えだ)先づ動く
池に波の文(紋)ありて
氷尽く(ことごとく)開けたり
今日知らず誰が計会せし
春の風春の水
一時に来たる
柳もまだ芽吹いたばかりで弱々しいが
その枝先が揺れ、池に漣が起こり
氷が溶け始めた。
一体誰が計画したのだろう。
今日が立春で
春風が、氷を溶かして春の水となり
ひとときにやってくるなんて!
(あゆ美訳)
断片しかわからなかったので
先生に読んで頂いたのですが
墨だけで書かれたお軸から
今日みたいな
寒さの中にも春を感じさせる
立春の風景が浮かびますよね♪
自然の不思議に
私たちだって思いますよね~
一体誰が春だって教えるんだろう!って
そして、広間のお軸はこちら。
「立春水」(立春の水)
ひととせにむすばん水のはじめとて
四方(よも)の氷も今朝やとくらむ
三条実枝(さねえだ)
↑
これを読んだら
ようやくピン!と来ました!
「立春」と言えば必ず出てくる
紀貫之の有名なこの和歌。
袖ひちて結びし水のこほれるを
春立つ今朝の風やとくらん
夏に、袖を濡らして手に汲んだ水も
寒さで凍っていたが
立春の春を感じさせる今朝の風が
溶かすだろうか。(あゆ美訳)
↑「袖」にひっかけて
結ぶ、立つ(布を裁つ)、溶く(帯を解く)
と
着物に関係ある言葉を
掛けているところもすごいでしょ。
「古今集の貫之の本歌取りですか?」
と申しましたら
先生がにっこり
本歌取りとは
ある歌(当時の人がみんな知っているような有名な歌)を
下敷きにして
その世界観を持ちつつも、
新たな歌としての世界も作る、という技法。
簡単に言うと
パクる、というか、モジる、というか
単なる言葉遊びに留まらず
元歌の世界観をも重ねることにより
より広く、豊かなことが
表現できる、ということなんでしょうか。
そして
初めの白氏文集の漢詩がそもそも、
貫之の立春の歌の
元歌となっているのだ、と!
わーーー!!!
そうだったのか~~~!!!
二重三重にも重なった世界観!
素敵~~~
昔の人たちって
ほんと、すごーーーい!!
漢詩を和訳して和歌にした歌って
結構あるのです。
それができて
みんなでその素敵さを共有できる、ということは
みんな(知識階級)が
その漢詩なり、元歌なりを
知っていないといけないんですものね。
スゴイなあ~~~!
おもしろいなあ~~~!
先生
素敵な知識のプレゼントを
ありがとうございます
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