大好きと思える家に住みたい。
小さい家で良い。古くて良い。
朝陽が当たる家に。
玄関に小さな地味なステンドグラスがはまっていたら素敵だ。
少し庭が欲しい。
好きな植物を植えたい。
花の咲く木はミモザと金木犀。
足元にスズラン、菫、ムスカリに水仙。
実のなる木は無花果を。
キッチンには自分の好きな鍋を買って並べる。
使っていて嬉しくなる道具を買う。
自分の好きなカップやお皿も買う。
好きなときに友人に遊びに来てもらう。
泊まりに来てもらう。
好きな自転車を一台買う。
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今は家といえるようなところに住んでいない。
風呂さえ、外を通らないと入れない。
西日しか当たらない。
もう三十年も。
気兼ねなく、
自分であれこれ決められる
そんな暮らしに憧れている。
そんな家を、暮らしを思い描いていると
家だけでなく決める自由も持っていないのだと気付き
悲しみで胸がいっぱいになる。
でも描かないと叶わない
信じないと叶わない
泣かないようにして想像しよう
大好きな家に住むことを。
そう思ってそんなことを
ここに書いていこうかなと思った。
そうしないと心の中で
無理だ無理だという声に負けてしまう。