大好きと思える家に住みたい。

小さい家で良い。古くて良い。

朝陽が当たる家に。

玄関に小さな地味なステンドグラスがはまっていたら素敵だ。

 

少し庭が欲しい。

好きな植物を植えたい。

花の咲く木はミモザと金木犀。

足元にスズラン、菫、ムスカリに水仙。

実のなる木は無花果を。

 

キッチンには自分の好きな鍋を買って並べる。

使っていて嬉しくなる道具を買う。

自分の好きなカップやお皿も買う。

 

好きなときに友人に遊びに来てもらう。

泊まりに来てもらう。

 

好きな自転車を一台買う。

 

*****

 

今は家といえるようなところに住んでいない。

風呂さえ、外を通らないと入れない。

西日しか当たらない。

もう三十年も。

 

気兼ねなく、

自分であれこれ決められる

そんな暮らしに憧れている。

 

そんな家を、暮らしを思い描いていると

家だけでなく決める自由も持っていないのだと気付き

悲しみで胸がいっぱいになる。

 

でも描かないと叶わない

信じないと叶わない

泣かないようにして想像しよう

大好きな家に住むことを。

 

そう思ってそんなことを

ここに書いていこうかなと思った。

そうしないと心の中で

無理だ無理だという声に負けてしまう。