仙台市太白区八木山にある仙台赤十字病院(病床389、築42年)と名取市愛島の宮城県立がんセンター(病床383、築31年)を統合して、名取市植松入生の国道4号沿いに移転するなどの「仙台医療圏4病院の再編問題」で県は21日夜、駐車場の料金が無料の名取市文化会館中ホールで5回目の「地域説明会」を開きました。1時間半で終了という時間設定の短さに、市民らからの「時間を延ばせ」といった怒号が飛び交う中で説明会は終了しました。

 

「駐車場が無料の」と嫌らしい形容句を付けましたが、今月から駐車場が有料となった岩沼市民会館で説明会が開かれたとすれば、私はもちろん出向きません。駐車料金を払ってまで聞きに行かねばならない会合ではありません。終わった後にロビーに出ると、あるテレビ局から「感想を聞かせてください」とカメラを向けられましたが、「私は岩沼市の議員なので一般市民から聞いた方がいいのでは」と、やんわり断りました。

 

会場の中ホールは450席ですが、出席した市民らは報道陣を除くと100人に届かず、空席が目立ちました。ステージには県側から副知事や担当部長らが並んだほか名取、岩沼、亘理、山元の市長や町長らも出席。県側が「仙台医療圏の病院再編による医療提供体制の充実」と題した40コマに上る画像(記事)を上映(資料としても配布)しながら、再編することの意義などについて解説しました。

                      市長らはステージから客席に降りて

                      病院再編の解説などを聞きました

 

これが終わって参加者からの意見表明や質問が始まる時点で、始めに宣告された「説明会終了予定時刻」までは1時間を切った状況でした。一般診療を行う大型総合病院が新たに設置されるという話ですから、地元の名取市民や近くの我われ岩沼市民にとっては基本的には「歓迎される話」です。「早く実現を」といった賛成意見が多く出されました。

 

批判的な意見や反対意見も出ましたが、2病院が再編統合されても入院ベッド数がかなり減るので医療としては後退だとか、病院が減る100万人都市・仙台市の医療を考えねばならないとか、仙台市民ではない私たちにはいまいち説得力を欠く指摘だったような気がします。批判のための批判、反対のための反対か、といった印象ではありました。

 

参加者の中から、政治家としての市長や町長の考えを聞きたいとの求めに、県側の司会者が「この場は『県が説明する場』なので首長の発言は求めない」などと仕切ったのに、結局、首長に発言させたりして、時間を費消する場面もありました。

 

このとき、岩沼市の佐藤淳一市長が「村井知事は並の政治家じゃない」などと絶賛するように持ち上げる中、亘理と山元の町長が「課題もある。反対の声も聞いて……」などと語っていたのが印象的でした。

 

さて、午後6時に始まって、最後の質問と司会者が宣言して、その答弁が終わって終了を宣告したのは、予定を少し過ぎた午後7時36分でした。その宣告前から「時間延長だ」「延ばせ」といった怒号が飛び交う騒然とした中で、副知事や市長ら首長もステージから退散しました。この種の「説明会」が1時間半とは少なすぎないか。せめて2時間ぐらいは割くべきではないか、などと思いました。

 

「時間が来ましたので」という一点張りでしたが、せめて10分ぐらいでもいいから延長するとか、「それでは最後の最後にもう一人だけに、発言をしてもらいます」などと追加サービス? をするとか、「緩やかさ」というか「格好つけ」というか「寛大さ」があってもよかったのではなどと思いました。「あまり敵視しないで」「分断しないで」などと、、、、、、、、

 

「仙台医療圏の病院再編」はもう一つが仙台市青葉区台原にある東北労災病院(病床548、築40年=管理棟)と名取市手倉田の県立精神医療センター(病床258、築42年)の富谷市への移転・合築です。大きな病院が2つもなくなる方向に置かれている仙台市にとっては、重大事であります。

 

地域説明会は昨年12月17日に仙台赤十字病院近くの八木山市民センターで1回目が、同月23日と今年1月26日には東北労災病院の関連で青葉区旭丘にある日立システムズホール仙台で2回目と3回目が、また3月23日には労災病院の移転・合築先である富谷市の東向陽台公民館で4回目が開かれています。地域説明会の6回目は今週土曜日の27日、仙台赤十字病院が近い東北工業大学を会場に開かれます。