令和6年度(2024年度)が4月1日、スタートしました。この日、岩沼市民会館駐車場の有料化も始まりました。市民に負担を強いる、新たな「使用料」の導入なのにロクな議論もせず、岩沼市側が一方的に決めて市民向けに「説明会」と称する「報告会」を開いて、原案を一切修正することなく実施に踏み切る「強行突破」ぶりでした。数年前とは違って市役所(行政)の文化(手法)も変わったものです。

 

3月の5日に終わった岩沼市議会の2月定例会で、有料化に反対したのは私と渡辺ふさ子議員(共産)と西塚秀市議員(維新)の3人だけでした。反対しなかったほかの議員は、市民サイドに立つのではなくて、市長に寄り添って市長におべっかを使って忖度してあげる姿勢を見せたのでした。市長にやさしい議員たちです。

 

駐車場管理業者にこれまで無料だった駐車場の広大な土地を貸し付けることによる歳入(収入)1280万円(月額約100万円)が、新年度当初予算に計上されていたため、有料化に反対する意思は予算に反対することで表明するという対応となりました。財政が厳しいから市民から「取れるものは取る」という、あさはかな受益者負担論に飛びついたようですが、財政難は市民の側に責任はありません。

 

この日から有料となった市民会館の北駐車場(390台収容)と東駐車場(570台収容)には、午後に行ってみました。「オープン」と記されたのぼりが、折からの強

 

    (砂利敷き一部アスファルト舗装の東駐車場は570台収容だが出入り口(ゲート) 

   が1か所しかない。いっせいに車が出たりするときに渋滞する心配はないのか)

 

風に旗めいていました。北駐車場には駐車場管理業者のタイムズ24からの臨時の管理人もいて「この先、2週間ぐらいいます。戸惑う人をご案内する仕事です」などと話していました。

 

近隣の総合南東北病院に来た人は「駐車場の入り口に遮断機があったのでびっくりしました。岩沼市民ですが有料化するとは知りませんでした」と話していました。管理人は「病院の利用者は2時間まで無料です。薬局にも行けばさらに1時間無料になります」と説明していました。

 

北と東の駐車場に月曜日という平日午後に、どれぐらいの車が駐車していたのかは分かりませんが、この日は、がら空きでした。南東北病院の利用者がとめる車で、市民会館を利用する市民の駐車スペースがなくなるといったことはあり得ないな、という印象でした。

        (右手・中央の前方が総合南東北病院。左奥が岩沼市民会館・中央

         公民館。病院に近いところを除くと空き、空き、空き、だらけ)

     

ちなみに私は、病院の患者さんらが市民会館駐車場にとめることには「空いているんだから、いいんじゃないの」と大様でした。医療機関として岩沼市民のほか社会に対しても大きく貢献しているし、仮に岩沼市が公的病院を抱えていた場合の巨額な出費を考えたら、駐車場ぐらい無料で使ってもらったっていいんじゃない! などと思う立場でした。

 

さて、有料化によって文化団体やスポーツ団体の「利用離れ」「利用忌避」も生じ始めています。音楽活動をしている一部のグループが、岩沼市民会館を利用するのをやめて、名取文化会館を使うことにしたという話を聞きました。大どころでは、仙南4市9町の陸上競技関係者でつくる協会が岩沼市陸上競技協会とともに、毎年、岩沼市陸上競技場を会場にして開いてきた「宮城県小学生陸上競技交流大会仙南ブロック選考大会」を角田市の陸上競技場でやることに変更したことです。

 

5、6年生とオープン参加の4年生を合わせて、トラックとフィールド32種目に約300人の選手が参加するというこの大会には、親と祖父母ら観戦・応援の約600人も集まるそうです。岩沼の競技場は地理的にも集まりやすいうえ、設備の関係で記録が出やすいこともあって、会場として人気が高かったのですが、角田市に移すことにしたというのです。6月23日(日曜日)の開催です。

 

今年はたまたま、選手の参加料を値上げしたそうですが、そこに市民会館の駐車場に車をとめてプラス500円の負担では親御さんらに申し訳ない、ということで岩沼市からもらっていた「競技場の使用オーケー」を返上した、といいます。岩沼市長と岩沼市、有料化に賛成した議員らが軽く見ている「500円」の重さが、こういうところに現れるのです。

 

ところで、市民会館駐車場の有料化は「最初の30分は無料」ですが、「最初の3時間無料」と標榜してはいけないでしょう。でも、駐車場の入り口などにある料金表示の看板には「3時間無料」と、青地に白文字で大書されてあります。総合南東北病院の緑地に白文字の「最初の2時間無料」と並んでいます。「病院よりも割安なんだ」と、一瞬思わせられるのですが、これは不親切であり、ごまかしです。よく読まないとだめです。

 

 

早とちりする市民も現れると思います。「3時間、無料か」と。しかし、3時間無料となるのは減免措置が取られるからなのですが、これには実は条件があって、複雑です。で、条件の緩和に対する強い要望が、文化団体やスポーツ団体などから事前に出されたのですが、岩沼市はその一切を無視しました。一方、減免できる権限が誰にあって、減免した・しないの責任はだれが負うのか、はっきりした根拠も規定もないようなのであります。