17日に告示される岩沼市議選(定数は2減の16。24日投開票)は、無投票となる可能性が大きくなりました。17人とされていた立候補予定者のうち布田一民議員(5期)が8日、「引退を決心した」とする文書を一部の支援者や近所の人たちに配布しました。立候補者は定数ちょうどの16人にとどまる見通しだからです。

 

布田議員はそもそも引退するとみられていましたが、11月下旬になって逆に「出馬する」と表明し、1人が落選する選挙の可能性もあるとみられていました。「引退決心の文書」はA4判の用紙で17行。20年間の支援に感謝を表明したうえで「この度、私こと、布田一民は政治家として、引退をする決心をする事と致しました」などと記されています。

 

週明けの11日(月曜日)には、立候補者が提出する届出書類の予備審査があり、その以前の最後の平日である8日までに、布田議員が必要書類を市選管から受け取るかどうかが注目されていました。予備審査は必ずしも必須ではなく、告示の日に正しく提出すれば済むことですが、候補予定者は予備審査を受けるのが普通です。布田議員は8日も、市選管には現れませんでした。

 

立候補を予定している16人は、私・大友健ら現職の15人と、10月の県議選で落選した当時県議の元市議です。現職と元職だけの顔ぶれで、新人(新顔)候補はいません。議会に人材が供給されなくなった、といえます。引退するのは布田一民議員のほか須藤功議員、田村宏議員の合わせて3人となります。

 

今回の市議選をめぐっては、11月6日の立候補予定者説明会の時点で、15人の現職陣営と1人の40代女性を合わせた、定数ちょうどの16陣営の立候補予定となりました。ただ、11月中旬には県議選で落選した元市議が市議選に回ることが明らかになり、一方で、40代女性が出馬を取りやめたため、プラスマイナスはゼロで、立候補予定者は再び16となりました。

 

なお、元市議の市議選出馬にあたっては、元市議の後継者に予定されて7月から立候補する準備を進めていた50代女性が、出馬を撤回する「事件」もありました。

 

それから1週間ほどが過ぎた11月下旬に、布田一民議員は私や他の議員に「出馬する」などと宣言し、「後援会パンフレットは作った。(立候補するのに必要な)供託金は法務局に納めた」などと話したことなどから、定数16に対して17人が立候補し、1人が落ちる選挙もあり得るかなという見通しとなりました。

 

ただ、議員の間では「布田一民は本当に出るのか」「結局は、出ないのではないか」「オレオレ詐欺ならぬ『出る、出る詐欺』ではないのか」といった半信半疑の声もささやかれていました。