無投票となる公算が大きくなっていた岩沼市議選(12月17日告示、24日投票=定数16)は、一転して選挙となる可能性も出てきました。今期限りで引退するとみられていた布田一民議員が22日までに、私やほかの一部議員に立候補する意思を明言しました。これまでの立候補予定者は、議員定数ちょうどの16陣営とみられていて、告示まで1カ月を切ったこともあり、新人はなお出馬しにくくなったことで無投票かという見方が強まっていました。

 

22日は岩沼市議会11月定例会の一般質問3日目でした。その休憩中の本会議場で布田議員は私の直撃に「(市議選に)出る。(後援会)リーフレットはできている。(出馬に必要な法務局への)供託金は納めた」などと話しました。立候補予定者説明会のあった今月6日までは出ないつもりでいたが、その後、『出てくれ』という声が集まったそうで、立候補に必要な届出書類は近日中に市選管にもらいに行くといいます。

 

布田議員は前日の21日、ある議員にも立候補する意思を明かし、リーフは既にできていることなどを漏らしていました。22日の私の直撃は布田議員の意向を確かめるためでした。立候補するのであれば、所定の届出書類の提出が必須となります。市選管によると、この日午後5時現在で、届出書類の請求はありません。

 

これまでの立候補予定の顔ぶれは私も含む現職市議15名と、10月の県議選で落選した当時の県議で元市議の佐藤剛太氏を合わせた16陣営となっていました。6日の説明会には現職15陣営と、矢野目地区の40代女性が出席し、剛太氏は出ませんでした。現職で出席しなかったのは布田一民議員ほか須藤功、田村宏の両議員の合わせて3陣営でした。その後、その女性は出馬を断念し、剛太氏が市議復帰を目指すこととなったため、立候補予定者は入れ替わりはあったものの、再び定数プラスマイナス「ゼロ」となっていました。

 

もっとも、県議再選を目指していた佐藤剛太氏は、自らの事務所の50代女性を市議としての後継者に選び、7月から市議選の準備をさせていましたが、県議落選で予定が狂ってしまい、この女性は出馬を撤回することとなりました。こういうこともあって「無投票か」という流れになっていました。

 

また、いったんは出馬を断念するに至った布田一民議員の「本気度」については、疑いの目を向ける現職議員もいて、予断を許さない面もあります。リーフレットが配布された形跡がないと話す地元の元支援者もいます。

 

また、仮に布田一民議員が出馬して17人による争いになれば、現職16人と元職1人という顔ぶれになります。新顔(新人)が1人もいない議員選挙ということになります。恐らく、初めてのことだと思われますが、いよいよもって、議会に人材が供給されなくなった、と言えるのではないでしょうか。

 

岩沼市議会の懲罰には違法行為があったとの判決が仙台地裁の差戻審で出て確定したのに、判決に向き合うことがなく、「議会自らは、検証しない・反省しない・謝罪しない」という非常識な対応を続けていますから、市民から見放されていることの一つの象徴でもありましょう。