市議会議員としての基本である「議会であったことのお知らせの発行」と、市民を対象にした「議会報告会の開催」の費用に「政務活動費(政活費)を使わせない」ように決めている岩沼市議会はどんな議会かというならば、市民のために働かない「おかしな」議会です。二元代表制という地方自治の仕組みを市長も議員も理解できずにいて、議員の大方は市民よりも「市長の顔色」をうかがい、議会としては機能不全に陥っている議会です。前日の記事の続きを書きます。

 

これだけ評判が悪くて反対が多い「岩沼市民会館駐車場の有料化問題」でも、世論とは逆に、議会では賛成議員が多数になっています。2月定例会では議長を除く15議員が「反対3賛成12」、6月定例会では少し変動して「反対5賛成10」となりました。

 

賛成議員のうちあと3人が反対に回れば「反対8賛成7」となり、有料化問題は「解消」します。賛成議員と話ができる市民の皆さんがいれば「次の市議選では投票しませんよ。市民の方を見てくださいよ」などと、脅してみてください。

 

まあ、この有料化問題でも市当局は「そのようにしたい」と、市民説明会などを開いて、理解を求めようとします。つまり、市民にアプローチします、というか、せざるを得ません。ただ、議会マター(議会での懸案)とはならなかったのですが、ことし2月と3月の説明会は、市側は強圧的・強権的でした。何が何でも4月実施にこぎつけるという「予定ありき」で、市民の理解はどうでもいいというスタンスがうかがえました。

 

しかし、「説明はする」ということではありました。「市民と協同」とか「市民ととともに」などという建前はあって、住民サイドに寄り添わねばというトレンドもあるし、これは省略できません。一方で、建前でいうならどちらかといえば、市民サイドに立つはずの議会は、市民との接触を断つようになっているのが、ここ数年の流れです。

 

市議会が全体として「市民に寄り添っているのか?」といえば、今や逆になっています。市民との接点をこともあろうに、議会が断つようになっています。私が議員になって間もなく制定した「市民のところに降りていく」発想の岩沼市議会基本条例は、数年で改悪されてしまいました。議会が主催して行う「議会報告会」は数年で廃止されました。岩沼市議会が市民と接点を持つことを自ら断ったのです。

 

岩沼市議会って、そういう体質を持った議会なのです。市民に背を向けて働かない割には高額な議員報酬をもらえる身分に満足しています。そんなぬるま湯に生息する議員たちは、意見が合わないからといって、私や私たち少数会派の議員に対する懲罰を連発するという行動に出ました。ある意味、暇なんですね。定例会のたびに懲罰ばっかしやっていた4年間もあったのです。

 

結果的に地方自治法に違反する懲罰だったという判決が裁判で下されましたが、「出席停止にして発言する機会さえ奪ってしまおう」という発想に覆われるのが岩沼市議会なのでした。悪質極まりないものでした。議会が違法行為の場になっていたことが裁判で立証されたのです。そういう議会なのです。議会が議会としての機能不全になっている以上に、犯罪的な行為が繰り返されていました。

 

7月7日に投開票された東京都知事選では、3期目の当選を果たした小池百合子知事に次いで2番目に多い得票を得たのは、選挙前まで広島県の安芸高田市長を務めていた石丸伸二氏でした。知名度の高かった、立憲民主党が推す蓮舫参院議員の得票を上回ったのです。

 

機能不全に至っていた安芸高田市議会や議員らに対して、また一般質問もしない年長の議員らに向けて「恥を知れ」などと語る石丸氏の動画がユーチューブなどにアップされ、全国的に注目されていました。全国の「働かない議会」でつぶされている議員ら、特に煙たがられている女性議員らにとって、議会改革のカリスマとしてあがめられていた存在でした。

 

都議選では、自民党の裏金問題を背景にした政治不信や、立憲民主や維新の会も含む既成政党を批判する都民らの受け皿になったのでした。

 

まあ、ホント、岩沼市議会みたいに、形だけの議会になっているところは、全国にいっぱいあって「こんな議会なら要らない」というのが、私の市議5期の感想です。そして、今の岩沼市議の中に「これでは議会の体を成していない。改革しなくちゃ」と疑問を感じている議員がほとんどおらず、また、政務活動費も「旅行に行くだけ」という使い方しかしていないのも嘆かわしい、と思っています。