ある朝突然に
記憶喪失した私。
《記憶喪失》っていったい何??
こんなにも突然に、
前触れもなく、
失ってしまうなんて。
きっかけは
ある朝目覚めたらとてもホームシックになっていて
それが何処に帰りたいのか
見つからなくて
帰りたくて帰りたくても
帰る場所がなくて
悲しみが込み上げてきた朝でした。
どこにも帰る場所がなかった。
あの頃の私にとっては。
そんな気持ちのなか
いつもの様に身支度をして
いつもと同じ朝の通勤の道
いつもと同じ会社
いつもと同じセキュリティ
いつもと同じ暗証番号を入力するだけ、
いつもと全く同じはず、、、
なのに。。。
私にはその《暗証番号》
が分からなくなっていました。
たった四桁の
《自分の誕生日の数字と同じ暗証番号》
が分からない。
私は、自分の誕生日が
突然分からなくなっていました!!!
昨日までは覚えていた私の誕生日、
きっと忘れるはずなんてないのに、、、
何故????
突然に
私の記憶は無くなっていきました。
誕生日だけではなく
あらゆることを
手のひらからこぼれ落ちていくように
次々と思い出せなくなっていく恐怖。
明日からどうやって暮らせばいいのか
どこに助けを求めればいいのか
何を失い忘れてしまうのか
予測がつかず、、、
次第に漢字の読み書きも出来なくなり
道も覚えられなくなり
今日が何月何日なのか
何回カレンダーをみても分からない。
あっという間に失っていく、、、
恐怖、恐怖、恐怖、、、
でした。
私は27才、人生でもっとも楽しかった頃に、
まさか、全てを失っていくなんて、、、
まさか、まさか、
まさか、、、
そんな始まりでした。