ビットとバイト
コンピュータで扱うことができる情報の最小単位をビット(b:bit)といい、2進数(0または1)1けたのデータ量にあたる。
8ビットをまとめて1バイト(B:Byte)という。
記憶装置の記憶容量は、バイトで表す。
漢字などの表現には2バイトが必要
1バイト(8ビット)では28=256とおりの文字しか表現できないのに対して、2バイト(16ビット)では216=65,536とおりの文字が表現できる。
1バイトでは、英数字と一部の記号くらいしか表現できないが、2バイトあれば全角の漢字やひらがなが表現できる。
コンピュータの5大装置と役割
コンピュータのハードウェアを大別すると、制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置の5つの装置から構成され、コンピュータの5大要素という。
これは、人がものを考える仕組みと同じイメージ。
制御装置と演算装置をまとめて中央処理装置(略してCPU)という。
記憶装置には、プログラムやデータを一時的に記憶する主記憶装置と、長期的に記憶しておく補助記憶装置がある。
CPU(中央処理装置)
CPU(Central Processing Unit)は、制御と演算を行う装置。
一度に処理できるビット数で、"32ビットCPU"、"64ビットCPU"などがあり、ビット数の大きいものほど処理能力が高い。
PCの中枢部分で、人の頭脳にあたる。
最近のCPUは、コアと呼ばれるCPUが心臓部を複数個持つ、マルチコアと呼ばれるタイプが主流。それぞれのコアが同時に別の処理を実行することによって、処理能力の向上を図っている。
クロック周波数
CPUは、クロックパルスというデジタルのタイミング信号に同期をとりながら動作している。
1秒間にクロックパルスが何回繰り返されるのかをクロック周波数といい、CPUの処置能力を表す。
クロック周波数の単位にはHz(ヘルツ)が使われ、例えば、PCのカタログに「CPUクロック周波数 1GHz」とあった場合は、1秒間に10億周期の信号でCPUが動作していることを表す。
クロック周波数によってCPUの命令実行タイミングが変化し、クロック周波数が高くなるほど命令実行速度が上がる。これは、オーケストラの演奏者が指揮棒を見て演奏するのと同じイメージで、指揮者の指揮棒を速く振るほどテンポが速くなる。
バス
コンピュータ内部において、CPU、メモリ、周辺装置などでデータをやり取りするための伝送路。
CPU内部の伝送路を内部バス、CPUと主記憶装置や周辺装置間の伝送路を外部バスと呼ぶ。
1回の伝送で送ることができるデータ量をバス幅といい、ビット単位で表す。
バスは英語ではbusだが、これは乗り合いバスのbusと同語。いろいろな停留所(装置)からデータが同じbusに乗り合わせて、目的の停留所(装置)で降りていくイメージ。
プログラムの実行
プログラムの命令やデータは、まず主記憶装置に格納される。
主記憶装置のどの場所に格納されているかはアドレス(主記憶アドレス)と呼ばれる番地で管理される。
CPUは、実行する命令を主記憶装置から読み出し実行する。
次に実行する命令が入っているアドレスは、プログラムカウンタ(命令アドレスレジスタ)に格納されていて、この値を更新しながら順次実行していくことになる。
プログラムカウンタはCPU内部の高速な記憶装置であるレジスタのうちの一つ。
メモリ
メモリは通常、PCの本体に搭載されている主記憶装置(メインメモリ)のことを指す。
広い意味では、データやプログラムを記憶する媒体全体を指す場合もある。
RAMとROM
半導体メモリには、電源が消えると記憶内容が消えてしまう揮発性の特徴をもつRAM(Random Access Memory)と、電源が消えても記憶内容が消えない不揮発性の特徴をもつROM(Read Only Memory)がある。
人がすぐに記憶内容を忘れてしまうものと忘れないものがあるのと同じイメージ。
RAM
RAMは、さらにDRAM(Dynamic RAM)とSRAM(Static RAM)に大別される。
DRAMは、コンデンサで構成され、構造が単純なので、高集積化することができ、ビット単価を安くできる。メモリ(主記憶装置)としてよく用いられる。
SRAMは、フリップフロップ回路で構成され、高速だが製造コストがかかるキャッシュメモリとしてよく用いられる。
リフレッシュ
DRAMは、コンデンサに電荷を蓄えることによって情報を保持しているが、放置しておくと自然放電してしまう。そのために一定時間ごとにコンデンサに再書き込みを行う必要がある。これを、リフレッシュという。
DRAMはリフレッシュが必要なのでDynamic(動的)、SRAMはリフレッシュが必要ないのでStatic(静的)。
ROM
ROMは、マスクROMとPROM(Programmable ROM)に大別される。
マスクROMは、製造時にデータに書き込むとユーザが書き換えできない。
PROMは、ユーザが書き換えできる。
PROMには、紫外線でデータを消去して書き換えできるEPROMや電気的にデータを消去して書き換えできるEEPROM、それを改良したフラッシュメモリなどがある。
フラッシュメモリは、電気的に全部または一部を消去して書き換えできる記憶保持型のメモリ。USBメモリやSDカードなどでよく用いられる。
まとめるとこんな感じ。
DRAM …メモリに使用
RAM
SRAM …キャッシュメモリに使用
半導体メモリ
マスクROM …ユーザは書き換えできない
ROM
PROM EPROM
…ユーザは EEPROM
書き換えできる フラッシュメモリ
キャッシュメモリ
CPUとメモリの間には、処理速度に大きな差がある。
CPUが高速になればなるほど、メモリの転送速度が追いつかなくなり、CPUの処理能力を十分に発揮することができない。
そこで、記憶装置は小さいけれど転送速度が速いキャッシュメモリをCPUとメモリの間に配置してシステムの高速化を図っている。
キャッシュメモリの仕組み
CPUからの参照頻度が高いデータをキャッシュメモリに読み込んでおき、CPUが再度同じデータを参照する場合は、メモリへアクセスせずに高速なキャッシュメモリへアクセスすることで高速化を図っている。
[1回目]データをメモリから読み込み、キャッシュメモリに一時的に記憶する。
[2回目以降]同じデータを読み込むときは、キャッシュメモリから読み込む。
1次キャッシュ及び2次キャッシュとは、キャッシュメモリのことで、CPUがアクセスする順番によって名称が使い分けられている。一般に、CPUは1次キャッシュ、2次キャッシュ、メモリ順にアクセスする。
補助記憶装置
メモリ(主記憶装置)は、プログラムやデータを一時的に記憶しておく装置。電源を切ると記憶内容は消え、容量は小さい。
補助記憶装置は、プログラムやデータを長期的に記憶しておく装置。電源を切っても記憶内容は消えず、容量は大きい。
補助記憶装置には、その名のとおり、メモリ(主記憶装置)を補うという意味がある。
ワープロで作業中のデータは、主記憶にある。「保存」すると補助記憶装置(ハードディスク)に記録される。保存せずに電源を切ると、作業中のデータは消えてしまう。
補助記憶装置の種類
磁気ディスク 磁性体を塗ったディスクに磁気を使ってデータを読み書きする ハードディスク
光ディスク レーザ光を使ってデータを読み書きする CD-ROM, CD-R, CD-RW, DVD, DB
光磁気ディスク レーザ光と磁気の組合わせでデータを読み書きする MO
磁気テープ 磁性体を塗ったテープに磁気を使ってデータを読み書きする DAT
半導体メモリ 半導体メモリを埋め込んでいる SSD, USBメモリ, SDカード
データのアクセス
データのアクセス方法に、シーケンシャルアクセスとランダムアクセスがある。
シーケンシャルアクセス(順アクセス)は、データを先頭から順番に読み書きする方法。磁気テープはシーケンシャルアクセスしかできない。
ランダムアクセスは、データの格納順に関係なく、データを任意に読み書きする方法。ハードディスクのほか、最近の記憶媒体は、シーケンシャルアクセスとランダムアクセスの両方が可能。
ハードディスク
ハードディスクは、磁気を利用してデータを読み書きする磁気ディスクの一種。補助記憶装置の中でも数百G~2Tバイト以上と大容量であり、データのアクセス速度が比較的速いことから、プログラムやデータは通常ハードディスクに保存される。
ハードディスクの構造
ハードディスクの外箱の中では、複数の金属のディスク(プラッタ)が高速回転しており、アクセスアームを動かすことによって、磁気ヘッドを目的のデータまで移動させデータを読み書きしている。
ディスクの構造
各ディスクの表面には、データを記録する最小単位であるセクタがあり、複数のセクタが集まって同心円状のトラックを構成する。
中心から等距離にある、複数のトラックが集まってシリンダを構成する。
フラグメンテーション
一つのファイルはハードディスク上の連続した領域に記憶されているのがよいといわれる。
連続してデータを読み取る場合、磁気ヘッドの移動回数が少なくなるので、アクセス時間が短くなる。
最初は連続した領域に記憶されていても、ファイルの書き込みや消去を繰り返していくうちに、バラバラに断片化された状態になる。この現象をフラグメンテーションといい、磁気ヘッドの移動回数が多くなった結果、アクセス速度が遅くなってくる。
断片化されたファイルを一つの連続した領域に戻す作業を、最適化(デフラグメンテーション、単にデフラグ)という。
仮想記憶(仮想メモリ)
仮想記憶とは、ハードディスクの一部をメモリとみなして、見かけ上、メモリの容量を拡大する技術。
メモリは高速である反面、小容量であるため大きなプログラムや同時に複数のプログラムを実行することができない。
実行に必要のないメモリ上の記憶内容を一時的にハードディスクに退避させ(スワップアウト)、メモリ上に空きをつくる。退避させた記憶内容が必要になったときは、もう一度ハードディスクからメモリに回復する(スワップイン)。
メモリとハードディスクとの間で記憶内容を出し入れすることをスワッピングという。
スワッピングが頻繁に起こると、ハードディスクはメモリに比べて低速であるため、実行速度が低下してしまう。
・根本的な対策:メモリを増設する
・暫定的な対策:起動中のアプリケーションのうち、不要不急のいくつかを停止する
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)(レイド)
RAIDは、複数のハードディスクを使って処理速度や信頼性を向上させる技術。
RAID0やRAID1、RAID5が一般的に使われている。
RAID0
データを複数のハードディスクに分散して書き込む。
ストライピングともいう。
処理速度を向上させる技術だが、1台の故障が全体の故障につながる
RAID1
同一のデータを同時に複数のハードディスクに書き込む。
ミラーリングともいう。
信頼性を向上させる技術だが、ハードディスクの使用率が低くなる。
RAID5
複数のハードディスクに、データとパリティ情報(誤り訂正符号)の両方を分散して書き込む。
ハードディスクの1台が故障しても、残ったデータとパリティ情報からデータを復元することができる。
PCの省電力機能
ハイバネーションは、PCの電源を切る直前の作業状態をハードディスクに保存して、作業再開時に電源を切る直前の状態に戻す機能。
スタンバイは、省電力モードに移行する際、移行直前の作業状態をメモリに保存して、作業再開時に移行直前の状態に戻す機能。
メモリのデータの保持には電力が必要なので、ハイバネーションの方が省電力だが、復帰が速いのはスタンバイ。
光ディスク
光ディスクは、その名のとおり、レーザー光を使ってデータを読み書きするもので、大容量、安価で耐久性に優れている。
記憶方式には、書き込みができない読み出し専用型、一度だけ書き込める追記型、消去して何度も書き換えのできる書き換え型の3タイプある。
CD・DVD
CD-ROM(CD Read Only Memory)は、音楽用のCDをパソコンのデータ記録用の応用したもので、ソフトウェアの配布用によく用いられる。
それを書き込めるようにしたのが、CD-R(CD Recordable)とCD-RW(CD ReWriteable)。
DVD(Digital Versatile Disk)は、デジタル多用途ディスクという意味であり、パソコンのデータ記録用だけでなく、映画などの映像を記録することができる。
光ディスクの種類
主な記憶媒体 記録方式 記憶容量
CD-ROM 読み出し専用型 650MB, 700MB
CD-R 追記型 650MB, 700MB
CD-RW 書き換え型 650MB, 700MB
DVD-ROM 読み出し専用型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
DVD-R, DVD+R 追記型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
DVD-RAM, DVD-RW, DVD+RW 書き換え型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
CD-R
CD-Rは、有機色素が塗られたディスクにレーザ光を当て、有機色素の層にピットと呼ばれる焦げ跡をつくって記録する。
BD(Blu-ray Disk)
BDは、青紫色のレーザ光線を使って、ハイビジョン映像を2時間以上記録することができる。記憶容量も25GB(片面1層)、50GB(片面2層)と、DVDに比べても大容量。
BD-ROM(読み出し専用型)、BD-R(追記型)、BD-RE(書き換え型)がある。
光磁気ディスク(MO)
光磁気ディスク(MO:Magneto Optical disk)は、その名のとおり、レーザ光と磁気を使ってデータを読み書きする。
データの書き込みはレーザ光と磁気で、データの読み出しはレーザ光で行う。
記憶容量は230MB、640MB、1.3GBなどがある。
磁気テープ
磁気テープは、磁性体を塗ったテープに磁気を使ってデータを読み書きする。アクセス速度が低速だが、記憶容量は数GB~数十GBと大容量なので、ハードディスクのバックアップ用媒体としてよく用いられる。カセット型の磁気テープにDAT(Digital Audio Tape)がある。
SSD(Solid State Drive)
SSDは、ハードディスクに代わる記憶装置として採用されており、磁気ディスクではなく半導体メモリにデータを記録する。
SSDはハードディスクに比べると、高速、静音で、発熱が少なく、省電力、振動や衝撃に強いなどの特徴がある。
その反面、書き込み回数に上限があるので留意する必要がある。
入力装置
入力装置は、PCにプログラムやデータを入力したり、PCに指示を与えたりする装置。
人でいえば5感にあたる部分。
入力装置は、文字や数字を入力する装置、位置情報を入力する装置、イメージを入力する装置などに分類できる。
位置情報を入力する装置を総称して、ポインティングデバイスと呼ばれている。
OCR(Optical Character Reader)
印刷文字や手書き文字を光学的に読み取る装置。
手紙やはがきに記入した郵便局の読み取りに用いられる。
OMR(Optical Mark Reader)
鉛筆で塗られたマークを光学的に読み取る装置。
試験の解答用紙の読み取りに用いられる。
バーコードの種類とICタグ
JANコード
商品管理するためのコードで、バーコードとして商品のパッケージなどに印刷されている。
標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の2種類があり、それぞれ国コード、商品メーカーコード、商品アイテムコード、チェックディジットから構成されている。
スーパーやコンビニなどのPOSシステムで利用されている。
ITFコード
段ボールなどに印刷され、標準物流コードとして利用されているバーコード。
ISBNコード
書籍の裏表紙などに印刷されている国際的な書籍コード。
QRコード
小さな領域に多くの情報を格納でき、読み取り時にコードの一部が読めなくてもデータを正しく読み出せるようなエラー訂正機能をもつ二次元コード。
3個の検出シンボルで、回転角度と読み取り方向が認識できるので、360度のどの方向からでも読み取ることができる。
RFID(ICタグ)
ICチップと小型アンテナを組み込んだ荷札。
従来のバーコードに比べて、汚れに強い、格納ができるデータ量が大きい、内容の書き換えができるなどの特徴がある。
無線通信で梱包の外からも記録された情報を読むことができ、図書館で自動貸付機に書籍をまとめておくことで一度に貸出手続きができるように、一度に複数のICタグを読み取ることもできる。Suica、ICOCAなどのICカードもRFIDを利用している。
ディスプレイ
ディスプレイは、PCの内部で処理されたデータを画面に出力する装置。
現在では液晶ディスプレイが主流になっている。
液晶ディスプレイ
光の透過を画素ごとに制御し、カラーフィルタを用いて色を表現する。
液晶自身は発光しないので、バックライトまたは外部の光を取り込む必要がある。
有機ELディスプレイ
電極の間に電気を通すと発光する特殊な有機化合物を挟んだ構造。
電圧を加えると自ら発光するのでバックライトが不要で、低電圧駆動、低燃費電力である。
プラズマディスプレイ(PDP)
ガス放電によって発生する紫外線と蛍光体を利用する。
コントラストが高く、視野角が広い。
ディスプレイの解像度
ディスプレイ上では文字や画像をピクセルやドット(画素)と呼ばれる点の集まりで表現している。点描画で絵を描いているのと同じイメージ。
ディスプレイ上に表示できるピクセルの数を解像度という。
ピクセル数が多いほど解像度が高く、1画面に表示できる情報量が多くなるが、文字やアイコンは小さくなる。
ディスプレイの色
ディスプレイでは、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の3色の組み合わせで色を表現している。これを光の三原色(RGB)といい、すべて重ねると白色になる。
例えば、24ビットカラーでは、1ドットに対してRGBの3色それぞれに8ビット(28=256階調)ずつ割り当てると、3色の組み合わせで256×256×256=16,777,216色を表現することができる。このように表現されたカラー画像はフルカラー画像と呼ばれている。
グラフィックスメモリ
PCのディスプレイに表示する文字や図形などのデータを格納する専用のメモリをグラフィックスメモリ(VRAM)という。
グラフィックスメモリが大きければ、より大きな解像度でより多くの色を表現できる。
プリンタ
プリンタは、PC内部で処理されたデータを紙に出力する装置。
印字方法によって様々な種類がある。
レーザープリンタ
コピー機と同じ原理で、レーザー光と静電気を使って、トナーを定着させることで印字する。
印字音が静かで、印刷品質も非常に高く、高速で印字できるため、主にビジネス用として使われている。
インクジェットプリンタ
印字ヘッドのノズルからインクを吹きつけることで印字する。
印字音が静かで、印刷品質も高く、カラー印刷を低価格で印字できるため、主に個人用として使われている。
ドットインパクトプリンタ
印字ヘッドの多数のピンでインクリボンに衝撃を与えることで印字する。
印字音が大きく、印刷品質も高くないが、複写式の伝票印刷に使われている。
プリンタの解像度
dpi(Dot Per Inch)は、プリンタやスキャナの解像度を表す指標。
1インチ(2.54cm)あたりのドット数で表し、この数値が大きいほど解像度が高くなる。
カラープリンタの色
カラープリンタは、C(シアン:青緑)、M(マゼンタ:赤紫)、Y(イエロー:黄)の3原色の組み合わせで色が表現され、すべて重ねると理論上は黒になるが、実際には黒をきれいに表現しにくいので、K(ブラック:黒)を加えたCMYKの4色が基本となっている。
入出力インターフェース
周辺装置はCPUの周辺の装置という意味で、各種の入出力装置や補助記憶装置を指す。
PC本体と周辺装置を接続するケーブルやコネクタの形状、データ転送方式などの仕様は規格化されており、この接続規格を入出力インターフェースという。
シリアルインターフェースとパラレルインターフェース
データ転送の方法には、シリアルインターフェースとパラレルインターフェースがある。
シリアルインターフェースは、データを1ビット単位で送信するデータ転送方式。
パラレルインターフェースは、データを同時に複数ビット単位で送信するデータ転送方式。
シリアルには直列、パラレルには並列という意味がある。
最近は、USBやIEEE1394、シリアルATAのようにシリアルインターフェースでデータ転送の高速化図るものが多くなっている。
よく使われるインターフェース
USB
PCと周辺機器を接続するための標準的なインターフェース。
3つのデータ転送モードがあり、外付け磁気ディスクはハイスピードモード、プリンタやスキャナはフルスピードモード、キーボードやマウスはロースピードモードで使用される。
USBハブを介してツリー状に機器を最大127台まで接続できるシリアルインターフェース。
IEEE1394
音声や映像など、リアルタイム性の必要なデータ転送に適した高速な転送方式を採用しており、FireWureとも呼ばれている。
外付けのハードディスクやデジタルカメラなどを接続するシリアルインターフェース。
デイジーチェーン接続(じゅずつなぎ)で最大17台(PC本体含む)、リピータハブを介してツリー状に最大63台(PC本体含む)の周辺機器を接続することができる。
シリアルATA
内蔵のハードディスクや内蔵のCD/DVD装置を接続するためのシリアルインターフェース。
従来のIDE(パラレルインターフェース)をシリアル化し高速な転送を行えるようにしたインターフェース。
USB・IEEE1394
USBやIEEE1394には、次のような機構がある。
ホットプラグは、電源を入れたままケーブルの脱着ができる機構。「暖かいうちに抜き差しができる」という意味がある。
プラグアンドプレイは、ケーブルを差し込むとOSが自動認識し、必要な設定が行われる機構。「差し込むと使える」という意味がある。
バスパワー方式は、USBやIEEE1394のケーブルを介して、必要な電力をPC本体から供給する方式。ACアダプターが不要だが、接続する機器の消費電力が多い場合はACアダプターを使用する必要がある。
無線を使ったインターフェース
IrDA
赤外線による無線のインターフェース。
携帯電話同士でアドレス帳などのデータ交換を行う場合に使用されている。
指向性が高く、間に遮蔽物があると通信できない。
Bluetooth
無線電波によるインターフェース。
2.4GHz帯の電波を利用し、半径10mの範囲で最大24Mビット/秒程度までの通信速度を実現する無線技術。
無指向性なので、電波は四方に広がって反射し、遮蔽物があっても通信できる。
デバイスドライバ
デバイスドライバは、PCに接続した周辺機器をアプリケーションソフトから利用できるようにするために、OSと周辺機器を仲介する目的で周辺機器ごとに用意されるソフトウェア。
OSをインストールし直す場合には、デバイスドライバも再度組み込む必要がある。
ソフトウェアの種類
PCはハードウェアだけあってもただの箱と言われるように、ソフトウェアも必要。
映画を観るのに、DVDプレイヤーとDVDソフトが必要であるのと同じイメージ。
基本ソフトウェア(広義のOS)…制御プログラム(狭義のOS), 言語プロセッサ, サービスプログラム(ユーティリティ)
応用ソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)…共通応用ソフトウェア(ワープロソフト, 表計算ソフト, データベースソフト, プレゼンテーションソフト など)
ミドルウェア…データベース管理ソフトウェア, 運用管理ツール など
基本ソフトウェア
その名のとおり、基本となるソフトウェア。
利用者や応用ソフトウェアに対して、CPUやメモリ、補助記憶装置などのコンピュータ資源を割り当て、その効果的な使用を実現するための制御を行う。
WindowsやMac OS、UNIX、LinuxなどのOS(Operating System)がこれにあたる。
マルチタスク
マルチタスクは、あるプログラムの実行中に、入出力などのためにCPUが待ち状態になったとき、CPUを他のプログラムの実行に割り当てることによってCPUを有効に利用する方式。
WindousなどのOSが採用していて、あたかも複数のプログラムを同時に実行しているように見える。
例えば、表計算ソフトを使ってデータ入力を行いながら、ネットワーク経由でのダウンロードを同時に行うことができる。
ただし、一定時間に実行できるプログラムの数は多くなるが、個々のプログラムの開始から終了までの時間が長くなるという特徴がある。
1つのプログラム内の操作を複数のスレッドに分けて平行処理するマルチスレッドという方式もある。
応用ソフトウェア
その名のとおり、応用となるソフトウェア、つまり基本ソフトウェア上で動作するソフトウェア。
アプリケーションソフトウェア(単にアプリ)ともいう。
よく使うアプリケーションソフト
ワープロソフト…文書の作成や編集を行う
表計算ソフト…数値データの集計や分析を行う
データベースソフト…大量のデータを管理し、利用する
プレゼンテーションソフト…会議資料などの作成や編集を行う
ブラウザ(Webブラウザ)…Webページの閲覧を行う
メールソフト(メーラー)…メールの作成やメールの送受信を行う
ウイルス対策ソフト…コンピュータウイルスの発見や駆除を行う
BIOS
PCを起動させると、最初に黒い画面に白い文字が次々に表示されるが、あれはBIOS(バイオス)と呼ばれるソフトで、OSの起動前に動作してハードウェアをチェックし、ディスプレイやキーボード、HDDなど基本的な周辺機器の出入力の制御を行う。
アプリケーションソフトウェア
グループウェアは、電子メールや電子掲示板を介したコミュニケーション、データ共有、スケジュールの一元管理などの機能をもち、共同作業の支援を行うソフトウェア。共同作業の場を提供し、業務効率を高めることができる。
プラグインは、ブラウザなどのアプリケーションソフトウェアに組み込むことによって、アプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェア。個別にバーションアップが可能で、不要になればアプリケーションソフトウェアに影響を与えることなく削除できる。
ミドルウェア
その名のとおり、基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの中間に位置するソフトウェア。
基本ソフトウェアの機能を利用し、多様な利用分野における共通するより高いレベルの基本機能を提供するソフトウェア。
オープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)
その名のとおり、ソースコードを公開しているソフトウェア。
無保証を原則として、誰でも自由にソースコードを改変し再配布することで、ソフトウェアを発展させていこうという考えがある。
ただし、配布先となる個人やグループを制限してはいけない、特定の利用分野に限定してはいけないなどの一定の条件がある。
再配布する際には、必ずしも無料にする必要はなく、有料にすることもできる。
代表的なOSS
用途 OSS
オフィスツール OpenOffice.org
WWWブラウザ FireFox
電子メール Thunderbird
OS Linux
ファイル共有 Samba
データベース MySQL
Webサーバ Apache
ルートディレクトリとサブディレクトリ
ハードディスクなどの記憶装置上のファイルは、ディレクトリで管理されている。
ディレクトリは、階層構造(ツリー構造)になっており、最上位のディレクトリをルートディレクトリ、それ以外のディレクトリをサブディレクトリという。
ディレクトリは、別のディレクトリやファイルを格納する整理箱のイメージ。
Windowsではフォルダと呼ばれている。
カレントディレクトリ
カレントディレクトリのカレントには「現在の」という意味があり、作業(操作)の対象となっているディレクトリをいう。
カレントディレクトリから見える範囲は、その直下のサブディレクトリとファイルだけ。
絶対パスと相対パス
パスには道筋という意味があり、目的のファイルにたどり着くまでの経路をいう。
この経路の表現の仕方に、絶対パスと相対パスがある。
絶対パス
絶対パスは、ルートディレクトリを基点として、目的のファイルまでの経路で表す。
相対パス
相対パスは、カレントディレクトリと基点として、目的のファイルまでの経路で表す。
一つ上位のディレクトリは".."で表す。
ワイルドカード
ファイルや文字列を検索する場合に、文字の代わりに、"*"や"?"などのワイルドカードを使うと便利。
*…0個以上の任意の文字からなる文字列を代用する
?…1個の任意の文字を代用する
バックアップ
ファイルやデータベースは、物理的障害・プログラムミスや人為的なミスによって壊れることがある。万が一に備えて、システムやデータのコピーを別の記憶媒体に保存することをバックアップという。
バックアップをする場合、次のようなことを考慮する必要がある。
①定期的にバックアップする
できれば、バックアップ処理の手間を軽減し、誤操作を回避するために自動化を図る。
②業務処理の稼働中にバックアップをしない
業務処理がバックアップ処理と重なると正常にバックアップされない可能性があるので、両方の処理が重ならないようにスケジュールを立てた方が良い。
③同一媒体上にバックアップしない
媒体障害が発生した場合は、直前にバックアップしたファイル、今回バックアップしたファイルとも壊れてしまい、バックアップの意味がない。
④直前にバックアップした媒体に上書きしてバックアップしない
バックアップを失敗した場合は、直前のバックアップファイルまで壊れてしまう。通常、直前、その前、・・・と世代管理する。
バックアップ方法
フルバックアップ
フルバックアップは、保存されているすべてのデータをバックアップする。
定期的に実施する。
差分バックアップ
差分バックアップは、フルバックアップ以降に変更されたデータをバックアップする。
フルバックアップと組み合わせて運用する。
復旧方法
障害発生時には、各バックアップファイルを使って、元の状態に復旧する。
例えば、木曜日のシステム起動時に障害が発生した場合、水曜日のバックアップした時点まで復旧させる場合。
・フルバックアップ…最新フルバックアップを使用して復旧する。したがって、"水曜日のフルバックアップ"を使って復旧する。
・差分バックアップ…フルバックアップと最新の差分バックアップを使用して復旧する。したがって、"日曜日のフルバックアップ"と"水曜日の差分バックアップ"を使って復旧する。
差分バックアップは、フルバックアップに変更データを反映させる必要があるため、復旧時間が長くなる。
バックアップ時間と復旧時間の関係
フルバックアップ 差分バックアップ
バックアップ時間 長い ←ーーーーーー→ 短い
復旧時間 短い ←ーーーーーー→ 長い
ワークシートとセル
表計算ソフトの作業領域をワークシートといい、列と行の2次元の表から構成されている。
列と行によって仕切られた各マス目を、セルという。
ワークシート上にはたくさんのセルが存在するので、セル番地(セルアドレス)と呼ばれる番地で管理している。
1つのセルは、"A1"のように、列のアルファベットと行の数字を組み合わせて表す。
複数のセルを範囲として指定することもできる。
計算機能と再計算機能
会社の業務では、売上伝票のように、横と縦の合計を集計する作業が多い。
表計算ソフトを利用すれば、このような作業も非常に楽になる。
表にあらかじめ計算式を入力しておき、数値データを入力すると、瞬時に計算してくれる。
計算式が入っているセルには2つの顔がある。計算式は裏の顔で、計算結果は表の顔。
数値のデータを変更すると自動的に計算し直してくれる。これを再計算機能という。
算術演算子
計算式で使われる四則演算とは加減乗除算のことであり、コンピュータの世界では乗算の"×"は"*(アスタリスク)"、除算の"÷"は"/(スラッシュ)"、べき乗は"^(ハットマーク, キャレット)"で表す。
相対参照
表計算ソフトでは、あるセルの計算式を別のセルに複写して使うことができる。
複写元を基準として、複写元からどの方向にどれだけ離れているのかで計算式のセルアドレスを自動調整する。このような参照を相対参照という。
絶対参照
計算式のセルアドレスは、複写すると自動調整される。しかし、自動調整されると困るときもある。そんなときは、列または行の前に"$(ドルマーク)"を付けると、複写しても自動調整はされず、固定される。このような参照を絶対参照という。
列の前に"$"を付けて($A1)複写すると、列のみが固定される。
行の前に"$"を付けて(A$1)複写すると、行のみが固定される。
列と行両方の前に"$"を付けて($A$1)複写すると、列と行の両方が固定される。
関数
関数とは、よく使う計算式をまとめた自動販売機のようなもの。関数で計算するのに必要な値(引数)を入力すると、関数の機能に従い、計算結果(戻り値)が自動的に算出される。
関数の表記
関数は、"関数名(引数)"という形で表記する。
合計(B2~D2), 平均(B2~D2)
IF関数
IF関数は、条件を満たしているかどうかによって処理を分けることができる。
IF(論理式の条件, 真の処理, 偽の処理)
例えば、70点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"となる合否の判定の場合
IF(F2≧70, "合格", "不合格")
IF関数のネスト
IF関数の中にIF関数を記述して、複雑な処理を行うことができる。これをIF関数のネスト(入れ子)という。
例えば、80点以上であれば"○"、50点以上80点未満であれば"△"、50点未満であれば"×"となる判定の場合
IF(F2≧80, "○", IF(F2≧50, "△", "×"))
または
IF(F2≧50, IF(F2≧80, "○", "△"), "×")
論理積関数と論理和関数
集合の考え方を、表計算ソフトで使うために用意されたのが、論理積関数、論理和関数。
IF関数と組み合わせて使う。
関数名 関数の意味
論理積(論理式1, 論理式2, ・・・) 引数として指定された論理式がすべて真であれば、真を返す。引数のうち1つでも偽のものがあれば、偽を返す。引数として指定できる論理式の数は任意である。
論理和(論理式1, 論理式2, ・・・) 引数として指定された論理式がすべて偽であれば、偽を返す。引数のうち1つでも真のものがあれば、真を返す。引数として指定できる論理式の数は任意である。
論理積関数
例えば、英語と数学の得点が両方とも80点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"と表示させたい場合の計算式
IF(論理積(B2≧80, C2≧80), "合格", "不合格")
論理和関数
例えば、英語と数学の得点のうちどちらか80点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"と表示させたい場合の計算式
IF(論理和(B2≧80, C2≧80), "合格", "不合格")
マクロ機能
マクロ機能は、表計算ソフトなどのアプリケーションに多く搭載され、実際に行った複数の操作を記録し、使いたいときに自動的に同じ一連の操作をさせる機能。
これを悪用したコンピュータウイルスをマクロウイルスという。
コンピュータで扱うことができる情報の最小単位をビット(b:bit)といい、2進数(0または1)1けたのデータ量にあたる。
8ビットをまとめて1バイト(B:Byte)という。
記憶装置の記憶容量は、バイトで表す。
漢字などの表現には2バイトが必要
1バイト(8ビット)では28=256とおりの文字しか表現できないのに対して、2バイト(16ビット)では216=65,536とおりの文字が表現できる。
1バイトでは、英数字と一部の記号くらいしか表現できないが、2バイトあれば全角の漢字やひらがなが表現できる。
コンピュータの5大装置と役割
コンピュータのハードウェアを大別すると、制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置の5つの装置から構成され、コンピュータの5大要素という。
これは、人がものを考える仕組みと同じイメージ。
制御装置と演算装置をまとめて中央処理装置(略してCPU)という。
記憶装置には、プログラムやデータを一時的に記憶する主記憶装置と、長期的に記憶しておく補助記憶装置がある。
CPU(中央処理装置)
CPU(Central Processing Unit)は、制御と演算を行う装置。
一度に処理できるビット数で、"32ビットCPU"、"64ビットCPU"などがあり、ビット数の大きいものほど処理能力が高い。
PCの中枢部分で、人の頭脳にあたる。
最近のCPUは、コアと呼ばれるCPUが心臓部を複数個持つ、マルチコアと呼ばれるタイプが主流。それぞれのコアが同時に別の処理を実行することによって、処理能力の向上を図っている。
クロック周波数
CPUは、クロックパルスというデジタルのタイミング信号に同期をとりながら動作している。
1秒間にクロックパルスが何回繰り返されるのかをクロック周波数といい、CPUの処置能力を表す。
クロック周波数の単位にはHz(ヘルツ)が使われ、例えば、PCのカタログに「CPUクロック周波数 1GHz」とあった場合は、1秒間に10億周期の信号でCPUが動作していることを表す。
クロック周波数によってCPUの命令実行タイミングが変化し、クロック周波数が高くなるほど命令実行速度が上がる。これは、オーケストラの演奏者が指揮棒を見て演奏するのと同じイメージで、指揮者の指揮棒を速く振るほどテンポが速くなる。
バス
コンピュータ内部において、CPU、メモリ、周辺装置などでデータをやり取りするための伝送路。
CPU内部の伝送路を内部バス、CPUと主記憶装置や周辺装置間の伝送路を外部バスと呼ぶ。
1回の伝送で送ることができるデータ量をバス幅といい、ビット単位で表す。
バスは英語ではbusだが、これは乗り合いバスのbusと同語。いろいろな停留所(装置)からデータが同じbusに乗り合わせて、目的の停留所(装置)で降りていくイメージ。
プログラムの実行
プログラムの命令やデータは、まず主記憶装置に格納される。
主記憶装置のどの場所に格納されているかはアドレス(主記憶アドレス)と呼ばれる番地で管理される。
CPUは、実行する命令を主記憶装置から読み出し実行する。
次に実行する命令が入っているアドレスは、プログラムカウンタ(命令アドレスレジスタ)に格納されていて、この値を更新しながら順次実行していくことになる。
プログラムカウンタはCPU内部の高速な記憶装置であるレジスタのうちの一つ。
メモリ
メモリは通常、PCの本体に搭載されている主記憶装置(メインメモリ)のことを指す。
広い意味では、データやプログラムを記憶する媒体全体を指す場合もある。
RAMとROM
半導体メモリには、電源が消えると記憶内容が消えてしまう揮発性の特徴をもつRAM(Random Access Memory)と、電源が消えても記憶内容が消えない不揮発性の特徴をもつROM(Read Only Memory)がある。
人がすぐに記憶内容を忘れてしまうものと忘れないものがあるのと同じイメージ。
RAM
RAMは、さらにDRAM(Dynamic RAM)とSRAM(Static RAM)に大別される。
DRAMは、コンデンサで構成され、構造が単純なので、高集積化することができ、ビット単価を安くできる。メモリ(主記憶装置)としてよく用いられる。
SRAMは、フリップフロップ回路で構成され、高速だが製造コストがかかるキャッシュメモリとしてよく用いられる。
リフレッシュ
DRAMは、コンデンサに電荷を蓄えることによって情報を保持しているが、放置しておくと自然放電してしまう。そのために一定時間ごとにコンデンサに再書き込みを行う必要がある。これを、リフレッシュという。
DRAMはリフレッシュが必要なのでDynamic(動的)、SRAMはリフレッシュが必要ないのでStatic(静的)。
ROM
ROMは、マスクROMとPROM(Programmable ROM)に大別される。
マスクROMは、製造時にデータに書き込むとユーザが書き換えできない。
PROMは、ユーザが書き換えできる。
PROMには、紫外線でデータを消去して書き換えできるEPROMや電気的にデータを消去して書き換えできるEEPROM、それを改良したフラッシュメモリなどがある。
フラッシュメモリは、電気的に全部または一部を消去して書き換えできる記憶保持型のメモリ。USBメモリやSDカードなどでよく用いられる。
まとめるとこんな感じ。
DRAM …メモリに使用
RAM
SRAM …キャッシュメモリに使用
半導体メモリ
マスクROM …ユーザは書き換えできない
ROM
PROM EPROM
…ユーザは EEPROM
書き換えできる フラッシュメモリ
キャッシュメモリ
CPUとメモリの間には、処理速度に大きな差がある。
CPUが高速になればなるほど、メモリの転送速度が追いつかなくなり、CPUの処理能力を十分に発揮することができない。
そこで、記憶装置は小さいけれど転送速度が速いキャッシュメモリをCPUとメモリの間に配置してシステムの高速化を図っている。
キャッシュメモリの仕組み
CPUからの参照頻度が高いデータをキャッシュメモリに読み込んでおき、CPUが再度同じデータを参照する場合は、メモリへアクセスせずに高速なキャッシュメモリへアクセスすることで高速化を図っている。
[1回目]データをメモリから読み込み、キャッシュメモリに一時的に記憶する。
[2回目以降]同じデータを読み込むときは、キャッシュメモリから読み込む。
1次キャッシュ及び2次キャッシュとは、キャッシュメモリのことで、CPUがアクセスする順番によって名称が使い分けられている。一般に、CPUは1次キャッシュ、2次キャッシュ、メモリ順にアクセスする。
補助記憶装置
メモリ(主記憶装置)は、プログラムやデータを一時的に記憶しておく装置。電源を切ると記憶内容は消え、容量は小さい。
補助記憶装置は、プログラムやデータを長期的に記憶しておく装置。電源を切っても記憶内容は消えず、容量は大きい。
補助記憶装置には、その名のとおり、メモリ(主記憶装置)を補うという意味がある。
ワープロで作業中のデータは、主記憶にある。「保存」すると補助記憶装置(ハードディスク)に記録される。保存せずに電源を切ると、作業中のデータは消えてしまう。
補助記憶装置の種類
磁気ディスク 磁性体を塗ったディスクに磁気を使ってデータを読み書きする ハードディスク
光ディスク レーザ光を使ってデータを読み書きする CD-ROM, CD-R, CD-RW, DVD, DB
光磁気ディスク レーザ光と磁気の組合わせでデータを読み書きする MO
磁気テープ 磁性体を塗ったテープに磁気を使ってデータを読み書きする DAT
半導体メモリ 半導体メモリを埋め込んでいる SSD, USBメモリ, SDカード
データのアクセス
データのアクセス方法に、シーケンシャルアクセスとランダムアクセスがある。
シーケンシャルアクセス(順アクセス)は、データを先頭から順番に読み書きする方法。磁気テープはシーケンシャルアクセスしかできない。
ランダムアクセスは、データの格納順に関係なく、データを任意に読み書きする方法。ハードディスクのほか、最近の記憶媒体は、シーケンシャルアクセスとランダムアクセスの両方が可能。
ハードディスク
ハードディスクは、磁気を利用してデータを読み書きする磁気ディスクの一種。補助記憶装置の中でも数百G~2Tバイト以上と大容量であり、データのアクセス速度が比較的速いことから、プログラムやデータは通常ハードディスクに保存される。
ハードディスクの構造
ハードディスクの外箱の中では、複数の金属のディスク(プラッタ)が高速回転しており、アクセスアームを動かすことによって、磁気ヘッドを目的のデータまで移動させデータを読み書きしている。
ディスクの構造
各ディスクの表面には、データを記録する最小単位であるセクタがあり、複数のセクタが集まって同心円状のトラックを構成する。
中心から等距離にある、複数のトラックが集まってシリンダを構成する。
フラグメンテーション
一つのファイルはハードディスク上の連続した領域に記憶されているのがよいといわれる。
連続してデータを読み取る場合、磁気ヘッドの移動回数が少なくなるので、アクセス時間が短くなる。
最初は連続した領域に記憶されていても、ファイルの書き込みや消去を繰り返していくうちに、バラバラに断片化された状態になる。この現象をフラグメンテーションといい、磁気ヘッドの移動回数が多くなった結果、アクセス速度が遅くなってくる。
断片化されたファイルを一つの連続した領域に戻す作業を、最適化(デフラグメンテーション、単にデフラグ)という。
仮想記憶(仮想メモリ)
仮想記憶とは、ハードディスクの一部をメモリとみなして、見かけ上、メモリの容量を拡大する技術。
メモリは高速である反面、小容量であるため大きなプログラムや同時に複数のプログラムを実行することができない。
実行に必要のないメモリ上の記憶内容を一時的にハードディスクに退避させ(スワップアウト)、メモリ上に空きをつくる。退避させた記憶内容が必要になったときは、もう一度ハードディスクからメモリに回復する(スワップイン)。
メモリとハードディスクとの間で記憶内容を出し入れすることをスワッピングという。
スワッピングが頻繁に起こると、ハードディスクはメモリに比べて低速であるため、実行速度が低下してしまう。
・根本的な対策:メモリを増設する
・暫定的な対策:起動中のアプリケーションのうち、不要不急のいくつかを停止する
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)(レイド)
RAIDは、複数のハードディスクを使って処理速度や信頼性を向上させる技術。
RAID0やRAID1、RAID5が一般的に使われている。
RAID0
データを複数のハードディスクに分散して書き込む。
ストライピングともいう。
処理速度を向上させる技術だが、1台の故障が全体の故障につながる
RAID1
同一のデータを同時に複数のハードディスクに書き込む。
ミラーリングともいう。
信頼性を向上させる技術だが、ハードディスクの使用率が低くなる。
RAID5
複数のハードディスクに、データとパリティ情報(誤り訂正符号)の両方を分散して書き込む。
ハードディスクの1台が故障しても、残ったデータとパリティ情報からデータを復元することができる。
PCの省電力機能
ハイバネーションは、PCの電源を切る直前の作業状態をハードディスクに保存して、作業再開時に電源を切る直前の状態に戻す機能。
スタンバイは、省電力モードに移行する際、移行直前の作業状態をメモリに保存して、作業再開時に移行直前の状態に戻す機能。
メモリのデータの保持には電力が必要なので、ハイバネーションの方が省電力だが、復帰が速いのはスタンバイ。
光ディスク
光ディスクは、その名のとおり、レーザー光を使ってデータを読み書きするもので、大容量、安価で耐久性に優れている。
記憶方式には、書き込みができない読み出し専用型、一度だけ書き込める追記型、消去して何度も書き換えのできる書き換え型の3タイプある。
CD・DVD
CD-ROM(CD Read Only Memory)は、音楽用のCDをパソコンのデータ記録用の応用したもので、ソフトウェアの配布用によく用いられる。
それを書き込めるようにしたのが、CD-R(CD Recordable)とCD-RW(CD ReWriteable)。
DVD(Digital Versatile Disk)は、デジタル多用途ディスクという意味であり、パソコンのデータ記録用だけでなく、映画などの映像を記録することができる。
光ディスクの種類
主な記憶媒体 記録方式 記憶容量
CD-ROM 読み出し専用型 650MB, 700MB
CD-R 追記型 650MB, 700MB
CD-RW 書き換え型 650MB, 700MB
DVD-ROM 読み出し専用型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
DVD-R, DVD+R 追記型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
DVD-RAM, DVD-RW, DVD+RW 書き換え型 4.7GB(片面1層), 8.5GB(片面2層)など
CD-R
CD-Rは、有機色素が塗られたディスクにレーザ光を当て、有機色素の層にピットと呼ばれる焦げ跡をつくって記録する。
BD(Blu-ray Disk)
BDは、青紫色のレーザ光線を使って、ハイビジョン映像を2時間以上記録することができる。記憶容量も25GB(片面1層)、50GB(片面2層)と、DVDに比べても大容量。
BD-ROM(読み出し専用型)、BD-R(追記型)、BD-RE(書き換え型)がある。
光磁気ディスク(MO)
光磁気ディスク(MO:Magneto Optical disk)は、その名のとおり、レーザ光と磁気を使ってデータを読み書きする。
データの書き込みはレーザ光と磁気で、データの読み出しはレーザ光で行う。
記憶容量は230MB、640MB、1.3GBなどがある。
磁気テープ
磁気テープは、磁性体を塗ったテープに磁気を使ってデータを読み書きする。アクセス速度が低速だが、記憶容量は数GB~数十GBと大容量なので、ハードディスクのバックアップ用媒体としてよく用いられる。カセット型の磁気テープにDAT(Digital Audio Tape)がある。
SSD(Solid State Drive)
SSDは、ハードディスクに代わる記憶装置として採用されており、磁気ディスクではなく半導体メモリにデータを記録する。
SSDはハードディスクに比べると、高速、静音で、発熱が少なく、省電力、振動や衝撃に強いなどの特徴がある。
その反面、書き込み回数に上限があるので留意する必要がある。
入力装置
入力装置は、PCにプログラムやデータを入力したり、PCに指示を与えたりする装置。
人でいえば5感にあたる部分。
入力装置は、文字や数字を入力する装置、位置情報を入力する装置、イメージを入力する装置などに分類できる。
位置情報を入力する装置を総称して、ポインティングデバイスと呼ばれている。
OCR(Optical Character Reader)
印刷文字や手書き文字を光学的に読み取る装置。
手紙やはがきに記入した郵便局の読み取りに用いられる。
OMR(Optical Mark Reader)
鉛筆で塗られたマークを光学的に読み取る装置。
試験の解答用紙の読み取りに用いられる。
バーコードの種類とICタグ
JANコード
商品管理するためのコードで、バーコードとして商品のパッケージなどに印刷されている。
標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の2種類があり、それぞれ国コード、商品メーカーコード、商品アイテムコード、チェックディジットから構成されている。
スーパーやコンビニなどのPOSシステムで利用されている。
ITFコード
段ボールなどに印刷され、標準物流コードとして利用されているバーコード。
ISBNコード
書籍の裏表紙などに印刷されている国際的な書籍コード。
QRコード
小さな領域に多くの情報を格納でき、読み取り時にコードの一部が読めなくてもデータを正しく読み出せるようなエラー訂正機能をもつ二次元コード。
3個の検出シンボルで、回転角度と読み取り方向が認識できるので、360度のどの方向からでも読み取ることができる。
RFID(ICタグ)
ICチップと小型アンテナを組み込んだ荷札。
従来のバーコードに比べて、汚れに強い、格納ができるデータ量が大きい、内容の書き換えができるなどの特徴がある。
無線通信で梱包の外からも記録された情報を読むことができ、図書館で自動貸付機に書籍をまとめておくことで一度に貸出手続きができるように、一度に複数のICタグを読み取ることもできる。Suica、ICOCAなどのICカードもRFIDを利用している。
ディスプレイ
ディスプレイは、PCの内部で処理されたデータを画面に出力する装置。
現在では液晶ディスプレイが主流になっている。
液晶ディスプレイ
光の透過を画素ごとに制御し、カラーフィルタを用いて色を表現する。
液晶自身は発光しないので、バックライトまたは外部の光を取り込む必要がある。
有機ELディスプレイ
電極の間に電気を通すと発光する特殊な有機化合物を挟んだ構造。
電圧を加えると自ら発光するのでバックライトが不要で、低電圧駆動、低燃費電力である。
プラズマディスプレイ(PDP)
ガス放電によって発生する紫外線と蛍光体を利用する。
コントラストが高く、視野角が広い。
ディスプレイの解像度
ディスプレイ上では文字や画像をピクセルやドット(画素)と呼ばれる点の集まりで表現している。点描画で絵を描いているのと同じイメージ。
ディスプレイ上に表示できるピクセルの数を解像度という。
ピクセル数が多いほど解像度が高く、1画面に表示できる情報量が多くなるが、文字やアイコンは小さくなる。
ディスプレイの色
ディスプレイでは、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の3色の組み合わせで色を表現している。これを光の三原色(RGB)といい、すべて重ねると白色になる。
例えば、24ビットカラーでは、1ドットに対してRGBの3色それぞれに8ビット(28=256階調)ずつ割り当てると、3色の組み合わせで256×256×256=16,777,216色を表現することができる。このように表現されたカラー画像はフルカラー画像と呼ばれている。
グラフィックスメモリ
PCのディスプレイに表示する文字や図形などのデータを格納する専用のメモリをグラフィックスメモリ(VRAM)という。
グラフィックスメモリが大きければ、より大きな解像度でより多くの色を表現できる。
プリンタ
プリンタは、PC内部で処理されたデータを紙に出力する装置。
印字方法によって様々な種類がある。
レーザープリンタ
コピー機と同じ原理で、レーザー光と静電気を使って、トナーを定着させることで印字する。
印字音が静かで、印刷品質も非常に高く、高速で印字できるため、主にビジネス用として使われている。
インクジェットプリンタ
印字ヘッドのノズルからインクを吹きつけることで印字する。
印字音が静かで、印刷品質も高く、カラー印刷を低価格で印字できるため、主に個人用として使われている。
ドットインパクトプリンタ
印字ヘッドの多数のピンでインクリボンに衝撃を与えることで印字する。
印字音が大きく、印刷品質も高くないが、複写式の伝票印刷に使われている。
プリンタの解像度
dpi(Dot Per Inch)は、プリンタやスキャナの解像度を表す指標。
1インチ(2.54cm)あたりのドット数で表し、この数値が大きいほど解像度が高くなる。
カラープリンタの色
カラープリンタは、C(シアン:青緑)、M(マゼンタ:赤紫)、Y(イエロー:黄)の3原色の組み合わせで色が表現され、すべて重ねると理論上は黒になるが、実際には黒をきれいに表現しにくいので、K(ブラック:黒)を加えたCMYKの4色が基本となっている。
入出力インターフェース
周辺装置はCPUの周辺の装置という意味で、各種の入出力装置や補助記憶装置を指す。
PC本体と周辺装置を接続するケーブルやコネクタの形状、データ転送方式などの仕様は規格化されており、この接続規格を入出力インターフェースという。
シリアルインターフェースとパラレルインターフェース
データ転送の方法には、シリアルインターフェースとパラレルインターフェースがある。
シリアルインターフェースは、データを1ビット単位で送信するデータ転送方式。
パラレルインターフェースは、データを同時に複数ビット単位で送信するデータ転送方式。
シリアルには直列、パラレルには並列という意味がある。
最近は、USBやIEEE1394、シリアルATAのようにシリアルインターフェースでデータ転送の高速化図るものが多くなっている。
よく使われるインターフェース
USB
PCと周辺機器を接続するための標準的なインターフェース。
3つのデータ転送モードがあり、外付け磁気ディスクはハイスピードモード、プリンタやスキャナはフルスピードモード、キーボードやマウスはロースピードモードで使用される。
USBハブを介してツリー状に機器を最大127台まで接続できるシリアルインターフェース。
IEEE1394
音声や映像など、リアルタイム性の必要なデータ転送に適した高速な転送方式を採用しており、FireWureとも呼ばれている。
外付けのハードディスクやデジタルカメラなどを接続するシリアルインターフェース。
デイジーチェーン接続(じゅずつなぎ)で最大17台(PC本体含む)、リピータハブを介してツリー状に最大63台(PC本体含む)の周辺機器を接続することができる。
シリアルATA
内蔵のハードディスクや内蔵のCD/DVD装置を接続するためのシリアルインターフェース。
従来のIDE(パラレルインターフェース)をシリアル化し高速な転送を行えるようにしたインターフェース。
USB・IEEE1394
USBやIEEE1394には、次のような機構がある。
ホットプラグは、電源を入れたままケーブルの脱着ができる機構。「暖かいうちに抜き差しができる」という意味がある。
プラグアンドプレイは、ケーブルを差し込むとOSが自動認識し、必要な設定が行われる機構。「差し込むと使える」という意味がある。
バスパワー方式は、USBやIEEE1394のケーブルを介して、必要な電力をPC本体から供給する方式。ACアダプターが不要だが、接続する機器の消費電力が多い場合はACアダプターを使用する必要がある。
無線を使ったインターフェース
IrDA
赤外線による無線のインターフェース。
携帯電話同士でアドレス帳などのデータ交換を行う場合に使用されている。
指向性が高く、間に遮蔽物があると通信できない。
Bluetooth
無線電波によるインターフェース。
2.4GHz帯の電波を利用し、半径10mの範囲で最大24Mビット/秒程度までの通信速度を実現する無線技術。
無指向性なので、電波は四方に広がって反射し、遮蔽物があっても通信できる。
デバイスドライバ
デバイスドライバは、PCに接続した周辺機器をアプリケーションソフトから利用できるようにするために、OSと周辺機器を仲介する目的で周辺機器ごとに用意されるソフトウェア。
OSをインストールし直す場合には、デバイスドライバも再度組み込む必要がある。
ソフトウェアの種類
PCはハードウェアだけあってもただの箱と言われるように、ソフトウェアも必要。
映画を観るのに、DVDプレイヤーとDVDソフトが必要であるのと同じイメージ。
基本ソフトウェア(広義のOS)…制御プログラム(狭義のOS), 言語プロセッサ, サービスプログラム(ユーティリティ)
応用ソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)…共通応用ソフトウェア(ワープロソフト, 表計算ソフト, データベースソフト, プレゼンテーションソフト など)
ミドルウェア…データベース管理ソフトウェア, 運用管理ツール など
基本ソフトウェア
その名のとおり、基本となるソフトウェア。
利用者や応用ソフトウェアに対して、CPUやメモリ、補助記憶装置などのコンピュータ資源を割り当て、その効果的な使用を実現するための制御を行う。
WindowsやMac OS、UNIX、LinuxなどのOS(Operating System)がこれにあたる。
マルチタスク
マルチタスクは、あるプログラムの実行中に、入出力などのためにCPUが待ち状態になったとき、CPUを他のプログラムの実行に割り当てることによってCPUを有効に利用する方式。
WindousなどのOSが採用していて、あたかも複数のプログラムを同時に実行しているように見える。
例えば、表計算ソフトを使ってデータ入力を行いながら、ネットワーク経由でのダウンロードを同時に行うことができる。
ただし、一定時間に実行できるプログラムの数は多くなるが、個々のプログラムの開始から終了までの時間が長くなるという特徴がある。
1つのプログラム内の操作を複数のスレッドに分けて平行処理するマルチスレッドという方式もある。
応用ソフトウェア
その名のとおり、応用となるソフトウェア、つまり基本ソフトウェア上で動作するソフトウェア。
アプリケーションソフトウェア(単にアプリ)ともいう。
よく使うアプリケーションソフト
ワープロソフト…文書の作成や編集を行う
表計算ソフト…数値データの集計や分析を行う
データベースソフト…大量のデータを管理し、利用する
プレゼンテーションソフト…会議資料などの作成や編集を行う
ブラウザ(Webブラウザ)…Webページの閲覧を行う
メールソフト(メーラー)…メールの作成やメールの送受信を行う
ウイルス対策ソフト…コンピュータウイルスの発見や駆除を行う
BIOS
PCを起動させると、最初に黒い画面に白い文字が次々に表示されるが、あれはBIOS(バイオス)と呼ばれるソフトで、OSの起動前に動作してハードウェアをチェックし、ディスプレイやキーボード、HDDなど基本的な周辺機器の出入力の制御を行う。
アプリケーションソフトウェア
グループウェアは、電子メールや電子掲示板を介したコミュニケーション、データ共有、スケジュールの一元管理などの機能をもち、共同作業の支援を行うソフトウェア。共同作業の場を提供し、業務効率を高めることができる。
プラグインは、ブラウザなどのアプリケーションソフトウェアに組み込むことによって、アプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェア。個別にバーションアップが可能で、不要になればアプリケーションソフトウェアに影響を与えることなく削除できる。
ミドルウェア
その名のとおり、基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの中間に位置するソフトウェア。
基本ソフトウェアの機能を利用し、多様な利用分野における共通するより高いレベルの基本機能を提供するソフトウェア。
オープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)
その名のとおり、ソースコードを公開しているソフトウェア。
無保証を原則として、誰でも自由にソースコードを改変し再配布することで、ソフトウェアを発展させていこうという考えがある。
ただし、配布先となる個人やグループを制限してはいけない、特定の利用分野に限定してはいけないなどの一定の条件がある。
再配布する際には、必ずしも無料にする必要はなく、有料にすることもできる。
代表的なOSS
用途 OSS
オフィスツール OpenOffice.org
WWWブラウザ FireFox
電子メール Thunderbird
OS Linux
ファイル共有 Samba
データベース MySQL
Webサーバ Apache
ルートディレクトリとサブディレクトリ
ハードディスクなどの記憶装置上のファイルは、ディレクトリで管理されている。
ディレクトリは、階層構造(ツリー構造)になっており、最上位のディレクトリをルートディレクトリ、それ以外のディレクトリをサブディレクトリという。
ディレクトリは、別のディレクトリやファイルを格納する整理箱のイメージ。
Windowsではフォルダと呼ばれている。
カレントディレクトリ
カレントディレクトリのカレントには「現在の」という意味があり、作業(操作)の対象となっているディレクトリをいう。
カレントディレクトリから見える範囲は、その直下のサブディレクトリとファイルだけ。
絶対パスと相対パス
パスには道筋という意味があり、目的のファイルにたどり着くまでの経路をいう。
この経路の表現の仕方に、絶対パスと相対パスがある。
絶対パス
絶対パスは、ルートディレクトリを基点として、目的のファイルまでの経路で表す。
相対パス
相対パスは、カレントディレクトリと基点として、目的のファイルまでの経路で表す。
一つ上位のディレクトリは".."で表す。
ワイルドカード
ファイルや文字列を検索する場合に、文字の代わりに、"*"や"?"などのワイルドカードを使うと便利。
*…0個以上の任意の文字からなる文字列を代用する
?…1個の任意の文字を代用する
バックアップ
ファイルやデータベースは、物理的障害・プログラムミスや人為的なミスによって壊れることがある。万が一に備えて、システムやデータのコピーを別の記憶媒体に保存することをバックアップという。
バックアップをする場合、次のようなことを考慮する必要がある。
①定期的にバックアップする
できれば、バックアップ処理の手間を軽減し、誤操作を回避するために自動化を図る。
②業務処理の稼働中にバックアップをしない
業務処理がバックアップ処理と重なると正常にバックアップされない可能性があるので、両方の処理が重ならないようにスケジュールを立てた方が良い。
③同一媒体上にバックアップしない
媒体障害が発生した場合は、直前にバックアップしたファイル、今回バックアップしたファイルとも壊れてしまい、バックアップの意味がない。
④直前にバックアップした媒体に上書きしてバックアップしない
バックアップを失敗した場合は、直前のバックアップファイルまで壊れてしまう。通常、直前、その前、・・・と世代管理する。
バックアップ方法
フルバックアップ
フルバックアップは、保存されているすべてのデータをバックアップする。
定期的に実施する。
差分バックアップ
差分バックアップは、フルバックアップ以降に変更されたデータをバックアップする。
フルバックアップと組み合わせて運用する。
復旧方法
障害発生時には、各バックアップファイルを使って、元の状態に復旧する。
例えば、木曜日のシステム起動時に障害が発生した場合、水曜日のバックアップした時点まで復旧させる場合。
・フルバックアップ…最新フルバックアップを使用して復旧する。したがって、"水曜日のフルバックアップ"を使って復旧する。
・差分バックアップ…フルバックアップと最新の差分バックアップを使用して復旧する。したがって、"日曜日のフルバックアップ"と"水曜日の差分バックアップ"を使って復旧する。
差分バックアップは、フルバックアップに変更データを反映させる必要があるため、復旧時間が長くなる。
バックアップ時間と復旧時間の関係
フルバックアップ 差分バックアップ
バックアップ時間 長い ←ーーーーーー→ 短い
復旧時間 短い ←ーーーーーー→ 長い
ワークシートとセル
表計算ソフトの作業領域をワークシートといい、列と行の2次元の表から構成されている。
列と行によって仕切られた各マス目を、セルという。
ワークシート上にはたくさんのセルが存在するので、セル番地(セルアドレス)と呼ばれる番地で管理している。
1つのセルは、"A1"のように、列のアルファベットと行の数字を組み合わせて表す。
複数のセルを範囲として指定することもできる。
計算機能と再計算機能
会社の業務では、売上伝票のように、横と縦の合計を集計する作業が多い。
表計算ソフトを利用すれば、このような作業も非常に楽になる。
表にあらかじめ計算式を入力しておき、数値データを入力すると、瞬時に計算してくれる。
計算式が入っているセルには2つの顔がある。計算式は裏の顔で、計算結果は表の顔。
数値のデータを変更すると自動的に計算し直してくれる。これを再計算機能という。
算術演算子
計算式で使われる四則演算とは加減乗除算のことであり、コンピュータの世界では乗算の"×"は"*(アスタリスク)"、除算の"÷"は"/(スラッシュ)"、べき乗は"^(ハットマーク, キャレット)"で表す。
相対参照
表計算ソフトでは、あるセルの計算式を別のセルに複写して使うことができる。
複写元を基準として、複写元からどの方向にどれだけ離れているのかで計算式のセルアドレスを自動調整する。このような参照を相対参照という。
絶対参照
計算式のセルアドレスは、複写すると自動調整される。しかし、自動調整されると困るときもある。そんなときは、列または行の前に"$(ドルマーク)"を付けると、複写しても自動調整はされず、固定される。このような参照を絶対参照という。
列の前に"$"を付けて($A1)複写すると、列のみが固定される。
行の前に"$"を付けて(A$1)複写すると、行のみが固定される。
列と行両方の前に"$"を付けて($A$1)複写すると、列と行の両方が固定される。
関数
関数とは、よく使う計算式をまとめた自動販売機のようなもの。関数で計算するのに必要な値(引数)を入力すると、関数の機能に従い、計算結果(戻り値)が自動的に算出される。
関数の表記
関数は、"関数名(引数)"という形で表記する。
合計(B2~D2), 平均(B2~D2)
IF関数
IF関数は、条件を満たしているかどうかによって処理を分けることができる。
IF(論理式の条件, 真の処理, 偽の処理)
例えば、70点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"となる合否の判定の場合
IF(F2≧70, "合格", "不合格")
IF関数のネスト
IF関数の中にIF関数を記述して、複雑な処理を行うことができる。これをIF関数のネスト(入れ子)という。
例えば、80点以上であれば"○"、50点以上80点未満であれば"△"、50点未満であれば"×"となる判定の場合
IF(F2≧80, "○", IF(F2≧50, "△", "×"))
または
IF(F2≧50, IF(F2≧80, "○", "△"), "×")
論理積関数と論理和関数
集合の考え方を、表計算ソフトで使うために用意されたのが、論理積関数、論理和関数。
IF関数と組み合わせて使う。
関数名 関数の意味
論理積(論理式1, 論理式2, ・・・) 引数として指定された論理式がすべて真であれば、真を返す。引数のうち1つでも偽のものがあれば、偽を返す。引数として指定できる論理式の数は任意である。
論理和(論理式1, 論理式2, ・・・) 引数として指定された論理式がすべて偽であれば、偽を返す。引数のうち1つでも真のものがあれば、真を返す。引数として指定できる論理式の数は任意である。
論理積関数
例えば、英語と数学の得点が両方とも80点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"と表示させたい場合の計算式
IF(論理積(B2≧80, C2≧80), "合格", "不合格")
論理和関数
例えば、英語と数学の得点のうちどちらか80点以上であれば"合格"、そうでなければ"不合格"と表示させたい場合の計算式
IF(論理和(B2≧80, C2≧80), "合格", "不合格")
マクロ機能
マクロ機能は、表計算ソフトなどのアプリケーションに多く搭載され、実際に行った複数の操作を記録し、使いたいときに自動的に同じ一連の操作をさせる機能。
これを悪用したコンピュータウイルスをマクロウイルスという。