夕方4時過ぎ、仕事中。

300人ほどが働くだだっ広いフロアーに閃光が走った。


きゃっ!!声が出てしまった。


子どものころから、雷は嫌いだ。


個人商店だった我が家。


家には子どもだけってことが多かった。


姉と妹と3人で、雷が鳴ると、家中の電気を消して

おへそを押さえて、一箇所に固まっていたものだ。



「雷はおへそを取る」

親に埋め込まれたこの言葉。


大学時代、男の子5人とロックバンドを組んでいた。

紅一点のボーカルである。

バンドのメンバーで合宿をしたとき、

当然あたしは一人でひろ~い女湯に入っていた。(他に客なし)


すると大きな岩風呂の向こうのガラスでピカッ!!と光った。

「と・・・盗撮??」


体を洗っていたアタシは、急いで湯船に飛び込んだ。


しばらくすると「がらがらどか~~ん」


か・・雷だ~!!


どうしよう・・・・・


おへそを押さえたまま、私は湯船から出られなくなった。


このとき、齢20歳。


雷に見つからないように、女湯の壁伝いに、おへそを隠したまま

這うように脱衣場に逃げ込んだのは、のぼせる寸前だった。


部屋に戻り、一部始終をバンドのメンバーに涙目で報告すると



「おまえ・・・雷って電気だぜ・・・・・」



・・・・・・・だよね~~知ってたよ、そんなこと。


それでも、今日も会社でおへそを押さえてしまった・・・・


おそるべし、三つ子の魂。