季節の変わり目・・・。
換毛期でもあり、体調を崩す子も非常に多い時期だと思います。
今回は、そんな時期によくありがちな、いわゆる、うっ滞といわれる、消化管機能低下症候群(RGIS)の病気について、自分用の学習(記録)も兼ねて、書いていこうと思います。
うさぎやモルモットの消化管に関わる食欲不振の障害は、まとめて、うっ滞 と言われることが多いのですが、なにが原因で食欲不振になっているかで、それぞれ違いがあります。
主には、 毛球症、鼓脹症、 食滞・うっ滞、急性胃拡張などと診断されますが、それぞれの変化のサインを見逃してしまうと、命にかかわる場合もありますので、それぞれ区別して紹介していきますね。
その前に、例として、うさぎのお腹の中です。
臓器の位置はこんな感じ。
毛球症
毛球症は、昔は毛玉症とみなさんいわれていましたが、正しくは毛球症(もうきゅうしょう)といい、自ら毛繕いをして飲み込んだ毛が胃の中で、かたまりになってしまい、胃から腸に繋がる幽門部や、小腸で止まってしまう障害をさします。
うさぎやモルモットは、嘔吐ができない動物です。そのため口からなにかを吐くということが基本的にできません。(まれに嘔吐の症例はありますが、なんらかの異変がある際におきることはあります)
通常は、食べたもの、飲み込んだものは排泄物として、外に出すのですが、低い食物繊維の食べ物や、消化管の運動が落ちていたり、ストレスがかかっていたり、自分で毛繕いする時間が増えたりすることで、大量の毛を飲み込んでしまうと、閉塞が起こる場合があります。
モルモットのレントゲン画像です。
胃内に毛がたまっています。(矢印のところ)
<症状<>
気持ちが悪そうにしている。
食欲低下。
便はでているが、細かったり、小さかったりする。
お腹は張り、体重減少がみられる。
検査・診断は、問診、触診、レントゲン等で総合的に判断。
<治療>
完全に腸に詰まっていない状態(不完全閉塞)の場合は、毛球除去剤、消化管の運動を亢進させる薬が処方されます。
水をたくさん飲んで、固まった毛やうんちをふやかすことも効果的。
もし、完全に胃や小腸につまっている場合は、開腹して胃の中のものを取り除く手術が必要です。
ペットシーツやタオル、毛布、トイレのプラスチック製容器などを齧ったりすると、それが異物として毛球症に関わることもあります。
予防としては、ブラッシング(特に換毛期)、食事(高繊維の牧草、グルテンフリーのペレットなど)、水分ををよく摂取してもらうことが大事です。
また、毛球予防、除去剤の利用も効果があるかもです。(好き嫌いはありますが、病院でも使われているラキサトーン・ペトロモルト<ペトロモルトは製造中止になってる?)などです。
ラキサトーンは病院でも使われるお薬でもあります。
ヘアボールリリーフを我が家では時々使うことがありますが、パパイヤなどの酵素はあまり効果がないとも言われています・・・。うさぎやモルモットの胃酸は、強酸性で、乳酸菌サプリが胃の中で溶けてしまい腸に届かないから意味がない・・・とか言われるのも、だからかな・・・と個人的には思ってはいます。
効果を期待というより、おやつとかご褒美かわりになめてもらっているという感じです。
鼓脹症
いわゆるガスが貯留する病気です。主に盲腸に溜まり、腸内で異常な発酵が起きます。
うさぎのレントゲン画像。矢印の箇所の黒い部分にガスが貯留しています。
こちらは、胃と盲腸にガスがたまっています。
<症状>
元気がなく、食欲不振。
お腹がはっている。
呼吸が荒くなる。
便が少ない、またはでない。
検査・診断は、問診、触診、レントゲン、超音波検査等で総合的に判断。
<治療>
消化剤や食欲促進剤などの投与。
脱水を伴うこともあるため、必要なら点滴。
また盲腸内の善玉菌の乱れが疑われる際は、抗生物質を使うこともあります。
りんごや野菜、ヨーグルトなどの強制給餌をすることもあります。
予防としては、食生活とストレスをかけない環境調整といわれています。
牧草の食べる量が少ない、マメ科のアルファルファは、食べすぎるとお腹にガスがたまりやすくなります。
成長期、妊娠期には、栄養価が高くおすすめですが、一般的にはアルファルファをたくさん与えるのは控えた方がよいです。
炭水化物系のおやつなどは、与えないように。
長くなったので、次につづきます。
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