夏休み最後の8月31日、夜。
みんなが寝静まって、日付が1日に変わってから、
私は、夫の古いガラケー2台の充電を始めた。
そして、Eメール、ショートメール、画像、着信履歴、発信履歴、全てチェックした。
1時間位で呆気なく証拠は見つかったと思う。
私は、ガタガタと震えた。
心臓が大きく脈を打つ。
体全体が心臓になったみたいだった…。
それは、不倫ではなく、風俗だった。
いつもは消していただろう発信履歴。
iPhoneに変える直前の携帯の中に、
4ヶ月分の証拠が残っていた。
きっと油断したんだろうな、と思う。
何回も同じ番号に電話をしていた、その番号をiPadで検索したら、
デリヘルだった。
地元の。
家から近く。すぐそこ。
信じられなくて、何度も検索をかけたが、
何度やっても同じ。
やっぱりそれは、地元のデリヘルだった…。
激しい動悸と吐き気に襲われて、私は具合が悪くなった。
血圧は相当上がっていたと思う…。
私の体が、全身心臓みたいになってた。
バクバクバクバク
血管が破れちゃうかもって思った。
自分の中に留めておくことは、もはやできなかった。
20年レスで悩んできた原因が、わかったのだから。
風俗だ。
付き合っている時に、私も嫌い、夫も嫌い、そう言っていた、
風俗だった。
どうして?どうして?
嫌いって言ってたのに…?
何で?何で?
もう、わけがわからない。
その日は一睡もできずに朝を迎え、夫を会社に送り出したのだが、
その日一日、私はどう過ごしたのか、思い出せない。
とにかく、動悸が止まらず、吐き気と、
息が吸い辛くて苦しかったこと。
それ以外は記憶喪失だ。
そして、夜になって、仕事から帰ってきた夫。
子供達はもう、とっくに食べ終わっていた。
そして、夫が夜ご飯を食べている最中に、
私の追及が静かに始まるのである…。
子供達に聞こえないように…。小さな声で…。