造血幹細胞移植には、前処置として抗がん剤が使用される為、早くても生後3ヶ月以降に行われるらしいです。




しかし、てっちゃんはそこまで移植をする事を待てませんでした。



てっちゃんの病気が、99%重症複合免疫不全症であるとされた時、
下痢や発熱の原因となったものが何かを急ピッチで調べていました。



先生からは、サイトメガロウイルスだと怖いと言われてました。




サイトメガロウイルスは、大多数の人が感染経験があるウイルスで、普通の免疫力がある人にはほとんど症状がでませんが、免疫が低下していると様々な症状を起こします。



これがしぶとくて、先生はサイトメガロウイルスじゃないといいんだけど……と言っていました。




結果が出る前にてっちゃんは免疫グロブリンを投与されました。







そして、結果はサイトメガロウイルス感染。



恐れていたものでした。




この時すでに

髄膜炎

肝炎

腸炎

網膜炎

サイトメガロウイルス性肺炎疑い



重症でした。


血液に乗って全身感染していました。




その日からたくさんの薬を投与されました。


シリンジに薬を入れて、ポンプで少しずつ血管に入れていくのですが、

シリンジポンプの機械が四つほど


薬が無くなってくるとアラームが鳴るのですが、
しょっちゅうアラームが鳴って、
更にサチュレーションのアラームもしょっちゅう鳴って、

個室にはいつもアラーム音が鳴り響いていました。



そして残念な事に、薬でいくらウイルスを叩いても、ウイルスの勢いを止められませんでした。


薬を強くしたり増やすと、今度は腎臓に負担がかかりすぎて、
最悪の場合、腎障害が起きて人工透析になると言われていました。

先生達は、腎臓に負担がかかり過ぎないでウイルスを叩けるように慎重に投与してくださいました。



しかし、これ以上ウイルスを叩けないとなり、
なるべく早く造血幹細胞移植をしなければならない状況になり、
その時入院していた病院の無菌室が埋まっているとのことで、
移植する為に転院する事となったのです。