市川 崑監督が絶賛した
【映画女優】山口百恵の資質
「古都」撮影終了直後のセレモニーで
市川 崑 監督が百恵ちゃんに
「また 撮りますか？」と
市川 監督には確かな手応えがあっただけに
思わず本音を暴露してしまったのでしょう
百恵ちゃん引退後のNHK特番でも振り返りコメントしています
百恵ちゃんの女優としての資質を高く評価し
「この年の女優賞を取ってもおかしくないほどの演技力であったと」
「撮影現場に 台本を一度も持ち込まずに 台詞をすべて覚えていたと」
百恵ちゃんの驚異的集中力
全身全霊で映画に取り組む姿勢
百恵ちゃんの惜しまぬ努力を称賛しています
そして
百恵ちゃんの引退が映画界にとって
大きな損失だと憂い
悔しい本音を吐露したのだと感じました
【何度オファーしてもホリプロに断られていた】と
市川監督の執念が結実したのが
百恵ちゃん最後というのも本当に残念の極みです
またしてもホロプロの失態では
目先の事務所の収益に拘り
百恵ちゃんの将来を見誤った
マネージメントに疑念が湧いてきます
市川監督の演出を受ける機会が
もっと前にあれば
映画女優としても 違う展開があったのかもしれないと想うと
あまりにも短かったけれど
「伊豆の踊子」から「古都」までの一作ごとの歩みは
百恵ちゃんが着実に映画女優として成長した証の作品です
これは紛れもない事実
今年の第95回アカデミー賞で嬉しいニュースがありました
琴線に触れる
受賞者二人のスピーチを紹介します
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で
主演女優賞を獲得した
主人公エヴリン役を演じたミシェル・ヨーさんの受賞スピーチです
（ヨーさんはアジア系女性として初）
「女性たちよ。どうか誰もあなたに
『女盛りを過ぎた』なんて言わせないで」と語り
会場から大きな拍手が沸き起こった
（余談ですが この時のミシェル・ヨーさんの髪型が
プレイバックPart2を唄うときの百恵ちゃんに似ていると
勝手に思って嬉しくなりました）
ヨーさんはマレーシア出身の60歳
1984年に俳優業を香港でスタートし、その後渡米
この賞に辿り着くまで苦節39年かかった
アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞（今年1月）でも
主演女優賞を受賞した彼女は
「昨年 私は60歳を迎えた」
「女性は年齢の数字が大きくなればなるほど
機会に恵まれることは少なくなる」
女性の年齢による機会損失について訴えていた
そして同作品で
助演男優賞を見事獲得したキー・ホイ・クァンさん
1984年に映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でスクリーンデビュー
その後『グーニーズ』に出演し、子役として人気となった
しかしその後
アジア系俳優への映画出演機会が少ないことを理由に俳優を休業
「私の人生最愛の人、妻エコーは
毎月、毎年、20年間「いつか私の時代が来る」と言ってくれました
夢というのは 信じるしかない
私はほとんどあきらめかけていましたが
皆さん、どうか夢を持ち続けてください」
二人の言葉が
百恵ちゃんに届けばいいなあ
既成概念を壊して
「遅すぎることはない」と
ここからは前回に紹介した
ブノワさんのブログ【匂いのいい花束】（２０２１年５月２２日）より
【以下 抜粋記事】
先日のこと……
「神保町シネマ」で山口百恵の「春琴抄」を観賞しました
一緒に行った親友は２度目、僕はなんと初めて
陰のある憂い深い印象的な瞳が売り物だった山口百恵が、
全編、瞳を閉じた芝居に終始する作品によく出たとも思います
しかも後半は顔半分を隠しているし……
よくよく見ると、主人公の春琴よりも、
使用人の佐輔の方に比重が置かれていることにも驚きますが……
山口百恵と三浦友和のゴールデンコンビの作品は１２本を数えます
女優としては惜しまれつつも最後の作品になった市川 崑監督の「古都」が白眉
「古都」の二役の芝居は歌手の片手間の演技ではありませんでした
女優開眼、女優山口百恵誕生……まさにその瞬間に引退……本当に惜しまれます
残念なのは、同じく市川 崑が
山口百恵で映画化したかった、
吉川英治の「牢獄の花嫁」が実現しなかったことです
山口百恵は笑わない、泣かないアイドルと言われてきました
だけど本当にそうでしょうか？
……実に表情豊かな方でした
歌手でスタートしたけれど、その根本は やはり女優だったのかな？
……そう思うことが多々あります
彼女が歌う時は台詞を聞いているようでしたから