ブノワさんのブログ【匂いのいい花束】より引用します
僕は、山口百恵は歌手、女優、アイドルである以上にアルバム歌手だと思うんです
シングル盤のヒット曲も沢山あるけれど
なんと言っても素晴らしいのはアルバムに収録されている曲
普通、当時のアイドル歌手は年に3〜4曲のシングル盤を出していました。
他の歌手はどうだか分からないけれど、
山口百恵の場合はシングル2曲出た時点でそれらを収録したアルバムが1枚……。
従って年に2枚のアルバムがリリースされる訳ですね。
確かそんなペースでしたっけ……。
山口百恵のアルバムを初めて手にしたのは、
友人に貰ったレコード券が手元にあったから。
買ったアルバムは「GOLDEN FLIGHT」でした。
これは山口百恵初の海外録音、ロンドンのスタジオで録音されました。
収録されているシングル盤は「イミテーション・ゴールド」
新しくアレンジを変えたバージョンでした。
大体、アイドルのLPなんてやっつけ仕事的だと馬鹿にしていたのですが、
あまりの質の高さにビックリ
以降、引退宣言をした後の「春告鳥」まで、
少し遡って「百恵白書」まで全てのアルバムを買いました。
山口百恵のアルバムのベストは
NHKの特別番組のために作られた
「A Face in a Vision」と「二十歳の記念碑・曼珠紗華」でしょうか。
前後、数作の驚異的なクォリティーの高さ……。
山口百恵は当時としては珍しくセルフ・プロデュースをしていました。
勿論、ディレクターはちゃんといましたが
自分の意見を可成り色濃く反映した曲作り
宇崎竜童と阿木耀子夫妻をメインに据えた作曲陣、
彼等の創作の一番油が乗った時期に丁度ぶつかった幸運もあるけれど、
彼女自身、自分の中に密かに存在する「日本人の演歌心」の部分を
重々承知していての選択
松任谷由美でも中島みゆきでも阿久悠でもなく、
宇崎、阿木夫妻を指名した慧眼
彼等も演歌色が強いですもんね。
一曲一曲に籠められたドラマとカメレオン的に変幻自在な女性像、
よく「歌は3分間のドラマだ」と言われますが、
どの曲も男女の屈折した恋愛模様を、ギリギリの駆け引きを歌い、
「横須賀ストーリー」辺りから抜群の歌唱力を見せるようになった山口百恵が、
スクリーンでヒロインを演じるように歌い上げます。
「秋桜」辺りではまだ心もとなかったファルセット・ボイスも、
「愛染橋」辺りでは情感漂わせるようになり、
より一層、歌唱力に磨きがかかった山口百恵。
元々、音域が非常に狭いとされていた彼女ですが、
この頃から変幻自在な表現が出来るようになりました。
アルバムに収録されている曲は、
それぞれ、シングル盤にするようなキャッチで派手な曲作りではないものの、
ある時は少女の幼い恋を、またある時は成熟した大人の恋の駆け引きを巧みに歌います。
驚異的なのは、殺人的なスケジュールの中、
録音スタジオを押さえる時間は真夜中から朝方までの3〜4時間だったそうです。
正に分刻みのスケジュールの中、スタジオ入りした山口百恵は1曲につき、
ほんの数テイクで録音を終わらせていったそうです。
しかも、プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲のスタッフが驚くくらいに、
予想よりも高水準で……。
オリジナル・ベストのオープニングは、
はらはらと散って行く、花びらの下で、年老いたその人は一日座ってる…………
「マホガニー・モーニング」
ラストの曲は、
修羅、修羅、阿修羅、修羅。無情、嫉妬、化身、許して、行かせて…………
「夜へ…」
この2曲は絶対に動かせません……。
もうあんな歌手は二度と出ないでしょうね。
僕の 日本の芸能界も山口百恵の引退……
いや、恋人宣言で幕を閉じました。
以降は全く興味なし、僕の琴線に触れるスターも出て来ません……。
山口百恵を薔薇に例えるとどんな薔薇でしょうね。
2008年7月25日
最近ブノワさんの百恵ちゃんに関するブログを見つけ
どうしても紹介したくて・・・
感じ入るところが たくさんあり
感銘を受けました
まさに 百恵ちゃんのアルバムは素晴らしい
これは百恵ちゃんファンであれば誰しもが想うところです
【こうあるべきを 撃ち破る】
革新的な楽曲を
成熟の感性をもった百恵ちゃんの歌唱が
最高の形で表現されている
過去の出来事に「タラレバ」を言っても
仕方のないことですが
当時の百恵ちゃんは
あまりにも時間に追われ過ぎていて・・・
全ての事にじっくりと時間をかけさせてあげたかったなと
その先には
違った明日が見えていたかもしれないなと・・・
そう思うと とても残念です
ブノワさんと 一つ意見が違うところは
私の幕は閉じていないところかな
色褪せることのない永遠の歌姫は
蘇ると信じています