無防備な女になった時:記事抜粋
7年間撮り続けた写真集を一気に見ていくと![]()
どこか動物成長図鑑を見ているようでおかしい![]()
「自分でも見たくない写真って確かにあるね
でもこれは思い出だから
」
いちばんゆっくりと丹念にみつめていたのは17歳頃の写真だった![]()
横須賀ストーリー
を歌っていた前後だ
変化していく百恵の表情をこれでもかこれでもかと撮り続けた![]()
僕が百恵を見る独断と偏見にみちみちた眼に![]()
唯一共通しているものがあるとすれば![]()
それは【男の視線】だと思う![]()
この不躾の視線にさらされ続けた百恵にとっては
イヤな写真 見たくない写真もたしかにあるに違いない![]()
「処女でなくなったのはいつ
」![]()
おそらく百恵当人しか知らない”その時”を僕は冗談混じりに聞いたことがある![]()
百恵は笑って「そのことの前と後で私が変わったということは全然ないと思う![]()
だから他人が外見から見てもわからないわよ![]()
変わったとすれば 相手に対する私の気持ちだけだもの
」と答えた![]()
そんな冷静沈着な答えをする百恵が急に変わる時がついに来た![]()
テレビで恋人宣言をする百恵を見てなかば唖然とした![]()
どんなに近しい人間にも一定の距離を保ちコントロールするクールな百恵はそこにいなかった![]()
まるで無防備な一人の女がそこにいた![]()
それはやはり寂しい光景だった![]()
だが待てよ 14歳のでデビューしてから8年
走りに走り抜いて時代の顔にまでなった一人の少女は
他の娘が何十年もかかって成し遂げることをもう既にやり終えってしまったのかもしれない![]()
百恵は僕達が考えているよりずっと疲れたいたのだろう![]()
僕自身の考えからすれば
百恵の生き方は 生き方としてやはり貧しいことだったと思う![]()
それでなけれが恋人の名をいうだけで あんなに無防備に百恵が笑うはずがない![]()
百恵は時代になった![]()
逆に言えばそんな生き方の女を
70年代という時代が必要としていたのだ![]()
