私は本当に幸運で、右腎臓を丸っと摘出すればいいだけの、
しかも腹腔鏡で、入院8日間というものだった。
病理検査の結果も、ステージも低く転移なしだった。
よって、私の身体の中に、癌は無くなった。

では、「心底安泰、めでたしめでたし!」なのか?



否!
私は、自分が癌であると知ってから、
この自分が5年後に、"確実に生きている"と思っていない。
これは、決してネガティブな思考からではない。
"再発する可能性のある身体"であることを認識しているからだ。



3月に、術後初めての検査を受けた。
くよくよするタイプではないし、ビビってもいなかったけれど、
結果の"再発無し"に思い切り胸を撫で下ろした事は事実。
これからこんな事を、何回、何十回と繰り返しつつ、
それでも生きていられたら、幸せだと思う。



このブログを書き始めてから、
久々に会った弟に、ブログを始めた事を話すと、
こんな言葉が返ってきた。

「もう書く事なんてないじゃん。取っちゃったんだから」
・・・
「まぁね~」とか何とか答えながら部屋を出た。

瞬間、カッときた。



「これからのお前の5年と、私の5年は違うわ!」
「切って終わるんだったら検査なんかしないわ!」

・・・
極めつけ。
「お前なんかに何がわかる!!!」



ここまで一気に心の中でまくしたてたところで、
ふっと、思った。



わかるわけがない。
そう。わからなくていい。
わからないまま、生きていって欲しい。
自分の命が、断崖絶壁から糸一本でぶら下がっている景色なんて、
見て欲しくない!



ここのブログで仲良くして頂いている方々の中にも、
同じ思いをした方が沢山いると思う。

ある時の主人の言葉。
確か、再発を防ぐために色々やってみたい、とか話した時。

「そうだな。一度癌になったことで、少なくとも、
"なった事のない人より癌になりやすい身体"
って事がわかったわけだからな」

そうそう!そういうこと!!

私達は、"切ってオシマイ"ではない。
再び癌になる可能性を低くする為、
沢山の人の協力、尽力で繋がった命を大切にする為、
大切な人達と一緒に生きていく為、
情報を集めたり、良さそうな事を試したり、
不安だからといって、暗い顔ばかりしていられないから、
ここでこうして、つれづれ綴ったりする。



だけど、やっぱり思うのは、
この病気になったのが、家族や友人はじめ、
私の大切なみんなじゃなくて良かった!

って、ねぇ?そう思うんだよね!



世界中の誰も、癌に苦しむ事がなくなりますように。
全ての癌が"治る"時代が来ますように!