しょっぱいご飯。術後の病室で、何回目のいつの食事だったろう?変わらぬ4人の食事時。相変わらずおかずを見るなり、「大根はもう見たくもない」と繰り返しているOさん。そんなOさんを、ユーモア混じりになだめているSさん。そして、私の背中越しに聞こえる、おばあちゃんの声。「美味しい。私、これ大好き。」ふいに、私のご飯はしょっぱくなった。この部屋の人達のように、私も歳を重ねていけるのだと思ったら、あまりに幸せで、涙が溢れた。何回目かの、変わらぬ食事時。