期間限定!メロキュン♡リターンズ ☆蓮誕&VDお祭り会場


もう1本、メロキュン向けに書いてみました。
タイトル、季節感も何もないですね~
しかも、お題にちゃんとたどり着けるか微妙な感じ。
お祭り期間内に終了するように、でも、のんびりと更新していきますのでよろしくお付き合いくださいませ♪








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「で?」
「なんでなんですか?」
「そ、それは・・・」

バレンタイン翌日の2/15.
お馴染みラブミー部の部室。
キョーコは般若のような顔をした奏江と千織に問い詰められていた。
なんでこんなことになったのか。
それには事情がある。
トラジックマーカー撮影時に自覚した蓮への恋心。
それがいつの間にか2人にはばれていた。
自分なんかと自分を卑下し続けるキョーコに業を煮やした2人は、蓮への気持ちにちゃんと決着をつけたほうがいいと、バレンタインデーに告白するよう促し、キョーコもそれを承諾したのだった。
だがしかし、並み居る美女たちに「ごめん。受け取れない。」と言って、チョコの受け取りを拒否している蓮を見て、逃げて帰ってきてしまったのだ。

「言ってましたよね?“どうせ自分なんかを相手にするわけないから、チョコだけ渡して玉砕してくる”って。」
「うん・・・」
「“玉砕したらスッキリするから、思い切って行ってくる”とも言ってたはずよね?」
「そうなんだけど・・・」
「「はああああ。」」

あんな美女たちでも受け取ってもらえないのに、十人並みな自分のチョコなんて断りの言葉すら言ってもらえずスルーされるんじゃないのか・・・

そう思うと声をかけられなかったのだ。
確かに玉砕すれば楽になると思っていたキョーコ。
でも、もしかしたら自分のものは受け取ってもらえるかもしれないと期待してしまう気持ちだってあるのだ。

「まさか、本当にこの裏工作が役に立つとは思わなかったですね。奏江さん。」
「そうね。天宮さん。」
「「キョーコ(さん)。覚悟なさい。」」
「ほへ?」

キョーコの思考が固まらないうちに、奏江と千織はキョーコの腕を引っ張って歩き出した。
ラブミー部の行進(いや、突進?)に、LMEの社員も何事かと道をあける。
ズンズン突き進んでいくと、LME関係者以外使用できないカフェテリアへと到着した。

「「敦賀さん!お疲れ様です!お待たせしました!!」」

2人はキョーコの腕を押さえつけつつ、キョーコ並みの綺麗なお辞儀をした。

「お疲れ様。・・・今来たところだから大丈夫・・・」

2人に押さえつけられフガフガともがいているキョーコにチラリと視線を送りながら、蓮は答えた。

「お忙しいのにお時間作っていただいてありがとうございます。」
「用があるのは私たちではなくキョーコさんなんです。」
「最上さんが?」
「「はい!!なので、あとはお任せします!!」」

言い終わると同時に、奏江と千織は蓮に向かってキョーコを押し出した。

トスン!

態勢を整える間もなく、キョーコは蓮の腕の中にすっぽりと包みこまれていた。

「了解・・・最上さんは確かに預かったよ。」
「煮るなり焼くなり蒸すなり、キョーコ同意の上なら何をなさっても結構ですから。」
「椹主任情報によりますと、今日から3日間、キョーコさんはオフです。ラブミー部への依頼もありませんので心配はご無用です。」
「クスッ。ありがとう。じゃあ、遠慮なく。・・・よっと!」

2人のラブミー娘の了解を得ると、呆然としたままのキョーコをひょいと蓮は持ち上げた。

「え?!きゃっ!!」
「じゃあ、最上さん。ゆっくり話せるところに行こうね?」
「ちょっと・・・!あの?!」
「敦賀さん!これ!!キョーコの荷物です。これもよろしくお願いします。」

キョーコを抱えた反対側の腕にキョーコの荷物をひっかけると、思いがけない協力者に蓮は改めて向き直った。

「琴南さん、天宮さん、今日は本当にありがとう。お礼はまた今度・・・」
「いえ、お気遣いなく・・・」
「じゃあ。」

2人に軽く頭を下げると、蓮は周りの視線も全く意に介さずスタスタと歩き出した。

「敦賀さん!おろしてください!」
「うーん、無理?下ろしたら君は逃げ出すからね。」

蓮に抱えられたまま、キョーコは蓮の車に放り込まれ、そのまま車は走り出したのだった。