台湾が届ける、心で感じる万博体験

 

万博の企業パビリオン群「未来社会のショーケース」の一角にある「TECH WORLD(テックワールド)」。ここは、台湾の公的機関が出資して設立した企業による民間パビリオンです。「台湾館」ではないものの、台湾の文化や自然、そして最先端技術がふんだんに盛り込まれていて、見応えたっぷりでした。

 

私が訪れたのは日曜朝。事前予約でスムーズに入館しましたが、並んで入ることもできるようでした。ただし、1回で入れる人数は少なめなので、できれば予約を取るのがおすすめです。

 

 

  心拍でわかる「ときめき度」?

 

入館すると、まず腕時計型のデバイスを装着します。これは自分の心拍数を測るもので、展示を見て心がどれだけ動いたかを計測してくれるのだとか。体験の最後には、それをもとにおすすめの台湾スポットを教えてくれます。

 

 

 

  台湾の自然が広がる「木」のインスタレーション

 

最初に迎えてくれるのは、大きな木の形。その木には、台湾の動植物の映像が映し出されます。木の根元にずらりと並んだタブレット端末が一斉に動き出す様子には驚きました。

 

 

木の裏側にまわると、蝶が飛び立つ様子がインタラクティブに楽しめます。これがまた本当に美しいです。

 

 

  自然・美術・文化に触れる

 

次にエレベーターで2階へ移動。細かい粒子で描かれた模様や、台湾の水や空気を感じさせる映像を鑑賞。そして、圧巻だったのが8Kで撮影された台湾の美術品。油絵の筆の跡や凹凸まではっきり見える高精細映像で、リアリティを感じました。

 

 

 

  台湾の"今"と世界の"未来"

 

再び1階へ戻ると、台湾の半導体産業を紹介するコーナーがあり、半導体がこれからの未来をどう支えていくかが紹介されていました。

 

そして最後に、最初に渡されたデバイスをかざすと、自分がどの展示に一番心を動かされたかが表示されます。私の場合は、最初の木のインスタレーションと半導体紹介でした。納得です。

 

 

  お土産や台湾グルメも楽しめる

 

展示が終わると、一人ひとりにお土産が配られました。日によって内容は異なるようで、私の回ではバッグをもらいました。

 

出口付近には、台湾ブランド「新農生活」の雑貨が並ぶショップコーナーもあります。また、タピオカや台湾スイーツといった飲食の販売も充実していて、展示を見終えたあとにひと息つくにはぴったりのスペースになっています。

 

 

 

  台湾という名は出せないけれど

 

このTECH WORLDパビリオンは、台湾のことを紹介しているけれど、「台湾館」ではありません。台湾は国際博覧会事務局(BIE)に加盟していないため、国家館という形では出展できないという事情があります。

 

「Taiwan」という名前は使われていませんが、「TECH WORLD」の頭文字「TW」には、ちょっとしたメッセージが込められているのかもしれません。

 

そうした事情を抜きにしても、展示は台湾の魅力をまっすぐに伝えるものでした。自然、文化、技術、それぞれに力があり、見たあともしばらく余韻が残るような構成。

 

台湾、行ってみたくなりました。