先日、万博会場のあるパビリオンで、前に並んでいた人が小さな壺のようなものを手にしているのを見かけました。


それを見た子どもが「あれなんだろう?」「どこで手に入るの?」と興味津々。どこで買ったか聞いてみたら?と促してみたものの、恥ずかしがって自分では声をかけられなかったので、帰宅後に私がSNS(X)で調べてみたところ、チュニジア館の前で実演販売されている壺であることがわかりました。

 

さらに調べていくと、購入すると生乾きのまま裸で持ち帰るスタイルであることも判明。なるほど、だから手に持っていたんですね。 そうと分かれば準備もバッチリ。今回訪問時には紙袋を持参して、実際に買いに行ってきました。

 

 

  チュニジア館前で出会える器づくりの実演

 

チュニジア館の前に行ってみると、出口あたりに赤と白のチュニジア国旗を背景にした実演スペースがあり、足で蹴って回すろくろを使って器を作っている様子が見られました。

 

 

くるくると回る台の上で、粘土がみるみるうちに壺の形になっていく過程は見ていてとても楽しく、つい足を止めてしまいます。

 

 

机の上には、たくさんの小さな水差しのような壺がずらりと並んでいます。
高さは10cmほどで、フォルムも様々。

価格は1個500円です。

 

 

  名前を彫ってくれるカスタム体験

 

欲しい人は、職人さんに(英語OK)に「この形がほしい」と伝えるます。

すると、「Your name?」と聞かれ、アルファベットで名前を伝えると、その場で名前を彫ってくれるサービスつきでした。

 

発音では若干伝わりにくい感じもしたので、スマホのメモ帳などに名前を書いて見せるのがおすすめです。

 

仕上がった壺は段ボールの小さな台に載せてくれて、最後は笑顔で記念撮影タイム!

 

 

  支払いは館内で。乾くまでは30分〜1時間

 

支払いは館内のレジで「買いました」と申告すればOK。


注意点としては、焼かれていない=乾燥途中の粘土なので、すぐに壊れやすいこと。

レジの方からは「乾くまで30分ほどです」と説明されました。

 

実際、30分ほどで表面が落ち着いてきて、ちょっと当たったくらいでは壊れない程度に硬化していました。ただ、柔らかい状態の器を人込みの中で持ち歩くのは無理だったと思うので、あらかじめ紙袋を持参しておいて本当によかったです。

 

1時間ほど経つと、壺は段ボールの台から自然にはがれるほどに乾いていました。紙袋の中でゴロンと転がって焦ったものの、すでに壊れるような柔らかさではなく、無事でした。

 

館内には色とりどりの器

 

 

  焼成なし。器の状態は「なまきじ」

 

この壺は焼成されていない状態で提供されており、「なまきじ(生素地)」と呼ばれる段階のようです。釉薬もかかっていないため、水を入れるなどの実用には向きません(水を入れたら、かちかち山の泥船のように崩れてしまうかも)。

 

でも、その素朴さや、素手で触れられるやさしい質感には、焼き物とはまた違った魅力があります。

 

1日経過すると、表面は白っぽく乾いた感じになりました。ただ、あまり乾燥しすぎると今度はヒビが入ったり割れたりしそうで…どうなるかちょっと心配でもあります。

 

 

 

  世界でひとつだけのクラフト体験、いかが?

 

チュニジア館の外で出会える、小さな異国体験。その場で形を整え、名前を彫ってもらえる壺は、万博の思い出としてもぴったりでした。子どももこの壺をきっかけに、チュニジアという国をしっかり覚えたようです。

 

ただ、実演している方は常にブースにいるとは限らず、休憩時間などで不在の時間帯もあるようです。さらに屋外での実演なので、雨の日は行っていないかもしれません。そもそも会期を通してずっといるのかどうかも不明で、実際に5月初旬に訪れた際は見かけませんでした。

 

見つけられたらラッキー、くらいの気持ちで立ち寄ってみるのがよさそうです。興味のある方は、紙袋の準備も忘れずに。

 

なお、館内の映像展示は、めちゃくちゃ印象に残ります。夢に出そう。

 

出口のお花のカーテン