ぜひ行きたいと思っていた中国館。なかなかチャンスがなかったのですが、ようやく訪れることができました。敷地の外まで行列ができていて、混雑ぶりに少し不安になりながらも、最終的には1時間もかからずに入館できました。

 

4月の夜間に撮った写真。この時は混んでいる気がしましたが、今見るとすごく空いてます…!

 

 

  外観から感じる文化の深さ

 

まず目を引いたのが、やはり外観。竹簡(ちくかん)をモチーフにした建物に、さまざまな書体で刻まれた漢詩や名句が美しく配されていて、思わず見入ってしまいました。

 

並んでいる間は暇なので、学校で漢字の成り立ちを習ったという子どもに、「あの字、わかる?」とクイズを出して楽しんだりもしました。

 

 

こちらは、「青山一道同雲雨 明月何曽是両郷」という詩の一部。離れていても心はつながっている、というような意味だそうです。

 

 

 

「三人行 必有我師焉」
これは論語ですね。三人いれば、その中に必ず自分の師となる人がいる、という意味。子どもは「得意なことって人それぞれあるってこと?」と解釈していて、少しずれているかも…と思いつつも、なんだか楽しい会話になりました。

 

 

  展示内容:文字から最先端技術まで

 

入り口では、子どもがパンダのしおりをもらって喜んでいました。

 

かわいい

 

 

館内に入って最初に目に入ったのは、文字の歴史に関する展示。何千年も前に使われていた文字が、現代でも読めるという事実に、中国文化の奥深さを改めて感じました。

 

ここの壁にはいろいろな文字が流れてきます。こちらは「木」。

 

続いて、春夏秋冬や二十四節気をテーマにした美しいイメージ映像が流れていて、幻想的な雰囲気でした。

 

文字も季節の区切りも、日本にしっかり根付いている文化ですね。

 

 

さらに、三星堆遺跡の出土品(レプリカ)や殷代の青銅器、良渚文化の玉器なども展示されており、見応えがありました。特に三星堆の仮面などは、少し前にテレビの特集番組で見たばかりだったので、実物大のものを目の前で見られてテンションが上がりました。

 

 

 

 

私が学生のころは、黄河文明を中心に中国の歴史を学びましたが、今では長江文明にも注目が集まっているのですね。中国の古代文明といえば青銅器という印象しかなかったので、良渚文化の玉器は珍しかったです。

 

 

1階部分の展示は全体がとても洗練されていて、同時に中国の高い技術力も感じられました。伝統と現代が見事に融合している印象でした。

 

 

  歴史の通路と、リアルと理想の映像展示

 

展示の後半には、日中交流の歴史を描いたレリーフの廊下がありました。よく知っている人からあまり馴染みのない人まで、改めて両国のつながりを実感できる内容でした。

 

 

国宝展で鑑真和上像をみたばかり

 

 

2階に上がると、少しだけ待ち時間があり、映像展示を鑑賞しました。内容は「中国人の1日」を描いた華やかな映像。もちろん、実際の生活はもっと複雑だろうなとは思いましたが、映像としては楽しめました。

 

 

 

  技術力の展示:月と深海の探査

 

映像展示のあとには、最新の中国の科学技術を紹介するエリアに進みます。

まずは、月の裏側から採取された砂のサンプル展示。中国の探査機「嫦娥6号」によるもので、月の裏側は地球からの電波が届きにくいため、通信や制御が難しいエリアとのこと。中継衛星を使って制御し、無事にサンプル採取に成功したそうです。展示されていたのは小さな黒い粒でしたが、その背景を知ると感慨深いものがありました。

 

 

空を飛んでるのが嫦娥? 嫦娥は薬の壺を持っているイメージだから、違うのかな…

 

 

次に、深海探査艇「蛟龍号」の模型が登場。このコーナーでは、壁にタッチすると魚の説明が表示される仕掛けがあり、子どもたちに大人気でした。

 

最後には、VR体験コーナーもありました。ただし、非常に人気で長い行列ができていたため、今回は見送りました(次のパビリオンの予約時間が迫っていたので)。少し心残りでしたが、仕方ありません。

 

 

  最後はお土産コーナー

 

出口にはお土産コーナーがあり、パンダグッズなどが並んでいました。

ここには大きなパンダスタンプがあってうれしかったです。スタンプ帳のフリースペースがそろそろ厳しいです。

 

 

中国館、そこまで話題になっていない印象がありますが、私はとても面白いと感じました。季節や時間の流れ、古代から続く歴史、そして日本文化の源流を思わせるような展示内容。もっと注目されてもいいのにな、と思います。