アメリカ(米国)パビリオンは、海外パビリオンの中でも特に人気が高く、一時は予約制だったこともありました。現在は予約不要となっていますが、混雑は覚悟のうえ。私も長時間待つつもりで列に並びました。
私が訪れたのは雨の日の昼前。12時前に並び始めて、入館まで約45分。意外に早く進んで拍子抜けでした。15分に一度ほど列が流れ、50人くらいがまとまって入るスタイルでした。
待ち時間中には、建物前の大型LEDスクリーンに映し出されるアメリカの風景映像が目を引きます。国立公園から都市のスカイラインまで、実に“アメリカらしい”ハイインパクトな演出です。ちなみに、パビリオン前の足元はウッドデッキ風ですが、雨の日はかなり滑りやすいので注意が必要です。
建物そのものが強く語る「これがアメリカ」
アメリカパビリオンの建物は、上空から見ると三角形の木造建築が2棟並び、その上にキューブが浮かぶように配置されています。公式サイトによれば、この外観は米国の革新性と創造力を象徴しているとのこと。
夜になるとキューブは柔らかな光を放ち、壁面のLEDスクリーンと合わせて、遠くからでも強い存在感を放っています。これぞ“見せる建築”。視覚的な演出力も含めて、やはりアメリカはこうした表現が得意だと感じました。
展示の中心は、アメリカという国の自負と影響力
パビリオン内部はいくつかのゾーンに分かれており、星型のキャラクター「スパーク」がナビゲーターとして登場します。終始歌を歌いながら、映像を中心にさまざまな内容を紹介していくスタイルです。
導入部分では教育や国際交流について紹介され、次の部屋では、司会役のスタッフが来場者と軽妙にやり取りしながらガイダンス。
続く映像展示では、大自然や都市風景、地域の多様性などがテンポよく展開され、最後は大谷翔平選手のホームランシーンで締めくくられるという流れ。どのシーンも、アメリカという国のパワーを強く感じさせる構成です。
その後の宇宙展示ゾーンでは、NASAのロケットや宇宙服、最新のアルテミス計画も紹介されています。そしてハイライトは、例の“キューブ”内部で展開される打ち上げ体験ゾーン。
光と音、振動、映像が一体となって演出されるその空間は、まさに「アメリカ的スケール」。ロケット打ち上げの臨場感が存分に味わえます。ここまで来ると、ひとつの“ショー”として完成されている印象でした。
見せ方にも効率にも抜かりなし
展示の終盤には、希少な月の石が展示されていますが、じっくり見られる時間はほぼなく、撮影を促されながらその前を通過する形式。スムーズな流れを重視した運営が徹底されています。
また、スタンプも独特で、枠に入りきらないサイズ感。「これぞアメリカ」という象徴のようで、少し笑ってしまいました。
他のスタンプと勝手が違って、うまく枠に入れられなかった…
レストランも併設されており、ハンバーガーなど、アメリカらしいメニューを楽しめるようです。
▶ メニューはこちら(PDF)
エンタメとしても、国威発信装置としても完成度が高い
アメリカパビリオンを見終えてまず思ったのは、「これがアメリカのセルフプロデュース力か」という驚き。メッセージ性、見せ方、テンポ、情報量、どれも過不足なく練られていて、展示というより“演出”に近い体験です。
特に、宇宙や旅、イノベーションといったテーマを通して「未来の可能性」を示す構成は巧みで、見終えたあとも印象が強く残りました。
好みは分かれるかもしれませんが、「力強く主張するアメリカ」を体感するという意味では、非常に意義深いパビリオンだと感じました。