息子が学校から帰ってくるなり
「今日〇〇くんと遊んでいたら、△△くんに『何でこんな奴と遊んでんの?』って言われて凄く嫌だった…。」
そんなことを言われたんだ、それは嫌だね
と息子と話をしているうちに
あ、私もそういうこと言ってた気がする
と思い出しました。
私は10歳年の離れた兄がいて、この兄はとても素行の悪い人でした。
都内某所でヤンチャなグループに入っているような人でした。
母との折り合いも悪く、家では常に怒鳴り合っていました。
父は仕事で毎日深夜に帰宅、昔ながらの男で育児には一切関わりませんでした。
兄の、人を恫喝する話し方や人を馬鹿にした話し方、喋りグセは怖いし嫌でしたが、毎日聞いているのでいつからかそれが当たり前になっていました。
喧嘩が終わった後の、母のイラついた態度、落ち込んだ態度、ピリついた部屋の空気、私に対するキツイ言い方、何を言ってもやっても注意される環境。
父の仕事が順調だったので家は一軒家でそれなりに広く、お金の面では困るようなことはありませんでしたが、ここは私にとって地獄のような家でした。
そんな環境で育ってきた私は
普通の子どもだったら声を出して大笑いするようなことに対して
「は?あほくさっ!(笑)」
「こんなんで笑えるなんて幸せすぎんだろ(笑)」
「くだらなすぎて泣けるー(笑)」
そんな言葉を大人に向かって平気で言ってしまうような本当に可愛げのない嫌な子どもでした。
ちなみに(笑)は笑顔ではなく、にやついた顔で言ってます。
日常的に家族に認められない、褒められない、子どもだからと相手にされない。やったことをバカにされる。選んだものを笑われる。失敗を怒られ、笑い話のネタに使われる。
そんな家庭環境で過ごしていると学校では自分が親や兄の位置にスライドして、友達や先生を相手に「大人が言ってるから面白いと思って」悪気なく同じ事を言い、同じ態度をとる。
結果、小学校も中学校も高校も、当時仲の良い友達はいませんでした。できなかったです。本当はいつも一緒にいるような親友がほしくて、そんな友達を見ると凄く羨ましかったです。
当時自分はノリが良くて面白いキャラと思っていたので、なんでこんな私に友達ができないのかわからず悩んだこともあったと思います。
異常に攻撃的(親や兄と同じように手が出ます。)で面倒くさい、まったく可愛くない児童(クラスメイト)だったのに。
だったと思います、と書いたのは
小学校、中学校、高校でのことをあんまり覚えていないからです。
凄く嫌だった衝撃的なことなどはしっかり覚えているのですが、友達との何気ない会話や授業中のこと、あったであろう行事もほとんど覚えていません。うろ覚えです。
小学校高学年になると兄、母、父(無関心)の問題に加えて、家を建て替えて母方の両親と二世帯同居することになるという悲劇のアップグレード編まで追加され
家に安心も安全もなく、そして学校には友達という友達もおらず、信頼できる大人もいない。困ったことを素直に「困っています」と話すことができない。自分の家庭環境がおかしいことに気がつけるはずもなく。
多分どうにか心を守ろうとした為に脳が止まっていたのかもしれません。
兄の凶悪な言葉遣いのコピーだけでなく、母の「謙遜」もコピーしています。
お姉さんっぽくなったんじゃない?と母の友達から言われて母は
「ただ太っただけ、6年生にもなってだらしなくて部屋はめっちゃくちゃでどうしようもない!」と日々言われ続ける生活をしていると、
友達が褒められている場面で
「でも〇〇って忘れ物とか多いし結構だらしないよね~!」と乗せて発言。
別に陥れてるつもりも、嫉妬して嫌味を言っている訳でもなくてただ
「母がいつも言ってることをそのまま言う」=大人の発言だから間違いない。母の友達も笑ってたからこれがウケる話術なはず!
という思考回路になっていたのかと思います。
何も知らない小学生が、とんねるずの「おならじゃないのよおならじゃないのよ」のネタを町なかで大声で叫んでる状態です。
(↑おならじゃないのよ〜のネタは当時意味は全くわからないけど、大人はゲラゲラ笑っていたので「面白いネタだから真似しよう!」とめちゃくちゃ言いまくってたと思います。アホですね〜)
更に兄はすぐに手が出る。歯向かうと殴られ、蹴られていました。母は反発し意見すると手が出る。
だから、自分もやっていました。
兄の恫喝するような話し方を友達にしていたし、バカにした言い方になっていたと思います。
身近な大人や何より家族が使っている言葉=かっこいい、ウケると思っていました。
そして、はぁーっというため息をついたり、算数が得意な子が100点取ると「算数だけできてもねえ(笑)体育もそれくらいできたらいいんだけどねえ!」(私が母に言われたままの当てはめ)とか言う。でも、悪気はない。あくまで突っ込み的な感覚です。
とにかく、私の場合は家族からされたこと言われたことをそっくりそのまま友達や先生にしていたように思います。
それによって、人気者になるどころか皆に避けられ嫌われてしまうわけですが。
でも何で嫌われてしまうのか、全然わからなかった。だって、家で日常的に行われている会話だから。
みんながみんな、悪影響のある家庭環境から「困った子」になるかはわからないし、生まれ持っての性格もあるし、発達の特性(相手の気持ちが読めない)などもあるのかもしれません。
ただ、息子のクラスメイトの言った『何でこんな奴と遊んでんの?』には少しドキッとしました。
特定の仲良しがいるのがうらやましい。でも、何故かどうしてか自分には大の仲良しな友達ができない。
友達ができない理由としては、(この子はクラスの問題児で、授業を停めてしまう、友達を殴る等トラブルが絶えない)
もしかしたら、私と同じような家庭環境なのかもしれない。
友達ができないから友達がいる奴にムカつく、面白くない。
嫉妬で『何でこんな奴と遊んでるの?』って言ってしまう。
こんなことを言っても友達ができるわけじゃないのに、むしろ離れていくのにそれが今はわからない。
素直に「俺も仲間に入れて!」って言えない。
仮に一緒に遊んでも「楽しい!」「嬉しい!」「ありがとう!」って言えない。
素直に「大好き!」なんて絶対に言えない。
家族から(特に母)
褒められると、友達を褒められる。
褒められずに嫌味を言われると友達を褒めずに嫌味を言うようになる。
家族から認められないと、友達を認められない。
家族からありがとうと言われないと友達にもありがとうと感謝を伝えることはしないし
それらの所謂プラスな言葉っていうものは、言われ慣れていないと、使えないんですよね。大好きだよと寝る前にハグするような家庭環境だと、大好きを伝えることが当たり前になるように。
「愛してるよ」
というワードを真面目に言うことができるか?といったら私にはハードルが富士山です。
でも、大好き、嬉しい、幸せ、素敵等の言葉は今ではすっかり使えるようになりましたが、小学校〜二十歳頃は言えなかったと思います。
褒められ慣れていないので、褒められると
相手が引くほどのど謙遜をする感じです。
高学年になった時に息子のクラスメイトはどう成長するのだろうか。
求められれば、話をじっくり聞いてあげたいと思いました。